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PCオーディオ体験記

第2話 RME「Babyface」が人気の理由!

前回、我々編集部はPCオーディオを初体験したわけですが、それと同時にDACやオーディオインターフェイスの重要性を再認識させられました。そして、なぜ「RMEのBabyfaceが人気なのだろうか?」という素朴な疑問も出てきたわけです。今回はRMEの国内輸入代理店であるシンタックスジャパンの担当者に、RMEのオーディオインターフェイスについて、少し突っ込んだ内容を聞いてみたいと思います。

RME独自設計の「USBコア」を「FPGA(仮想集積回路)」内に装備!

編集部:RME製のオーディオインターフェイスの特徴を教えてください。

シンタックスジャパン(以下:S):RME製のオーディオインターフェイスは、汎用のUSBチップを使用せずに「FPGA(カスタマイズ可能な集積回路)」の中に「USBコア」を実装しています。また、デジタル信号の「ジッター(揺らぎ)」を補正する「StedayClock」を装備しているほか、PC/Macのドライバに関しても自分たちで書いています。皆さんの中には使用する「USB DAC」や「オーディオインターフェイス」で音が変わってしまったと感じた経験を持つ方もいると思います。RMEではそのようなことがないように、元の音をそのまま録音/再生する「原音忠実再生」を目指しています。

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RMEの中でも特にPCオーディオファンに人気の「Babyface」。コンパクトでデザイン性にも優れ、サウンド面での評価も高い。価格はオープンプライス(市場予想価格:¥78,000前後)
※Babyfaceには、写真のメタリック・ブルーの他に、メタリック・シルバー、特別限定カラー「漆(うるし)」などのラインアップがあります。

編集部:いきなり難しい言葉が出てきましたが、まず「USBチップ」とは何ですか?

S:USBチップとはUSB端子の近くに配置されていてUSB信号を処理する「内部回路」のことで、オーディオやMIDIのデータをやり取りをする重要なパーツです。このパーツは誰でも入手可能な汎用USBチップもあるのですが、これがデジタルオーディオ伝送のボトルネックになるケースも多いんですね。通常はチップをソフトでアップデートするという発想はないんですが、RMEは「最新のファームウェア」をサイトからダウンロードすることで、このチップ(FPGA)をバージョンアップすることができるんです。

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写真はRME「Babyface」内に搭載されている「FPGA」

編集部:例えば、どんなバージョンアップが行なわれるのでしょうか?

S:最近だとRME「Babyface」が「iPad」に対応しましたね。物理的に筐体にオーディオ端子の数などを増やすことはもちろんできませんが、今回のiPad対応のような機能アップやPC/Macの仕様変更、OSと連動した細かなバージョンアップへの対応もすぐに行なえますので、例えばUSB3のコンピュータにしたら認識できなくなった、といったトラブルとも無縁です。また、「SteadyClock」のバージョンアップも可能ですね。

編集部:「SteadyClock」についても詳しく教えてください。

S:デジタルのオーディオ信号は、伝送経路の影響などにより「信号の時間的なズレや揺らぎ=ジッター」が生じてしまいます。このジッターをPCやMacの性能を問わず制御するのが「SteadyClock」です。「SteadyClock」はRME製のすべてのオーディオインターフェイスに搭載されており、内部クロックを200MHzで高速処理することでジッターを20億分の1以下にまで抑えます。ちなみに公式にアナウンスはしておりませんが、現在800MHzまで高速化しています。

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画像は「SteadyClock」によって、オーディオ信号のジッターが抑えられている様子。この極めて少ないジッターが、RMEのオーディオインターフェイスが人気の秘密と言えるだろう

編集部:一般的なDACやオーディオインターフェイスにも「ジッター制御」はあるんですよね?

S:DACなどには、非常に高価な「クリスタルオシレーター」と呼ばれるいわゆる「水晶発振器」が搭載されています。それでも1MHz〜10MHzが限界だと思います。RMEではこの水晶発振器から発生したクロックをFPGA内にプログラムされたPLL(位相同期回路)というデジタル回路で高速に回すことで、ジッターの極めて少ない安定したクロックを生成しているわけです。

編集部:「ドライバ」も重要視されていますよね?

S:「ASIO」はスタインバーグ社が公開しているドライバですが、実際には「SDK(software developer kit)」として公開されているんですね。つまり、メーカーによって「ASIOドライバ」の内容も違うんです。RMEでは長年培ってきた経験もありますので、「ASIOドライバ」の開発にも自信があります。

編集部:「ドライバ」によっても音は変わるんですか?

S:Macの「Core Audio(コアオーディオ)」は「ASIO」と同水準だと思いますが、Windowsの標準的なドライバ「WDM」はあまりいただけないですね。汎用性の高い「WDM」はオーディオインターフェイスやMIDIキーボードをPCにつないだだけで使えるメリットはありますが、音に関しては良くありません。これはOSの下層にある「カーネルミキサー」を通過することが原因のようです。一昔前にPC系の雑誌では「Windows 7でカーネルミキサーをオフにする方法」で特集を組んでいたぐらいですから。いずれにもしても、RMEでは自社で「ASIOドライバ」を開発していますので音と安定性には絶対の自信を持っています。

編集部:その他にも、RMEのオーディオインターフェイスの特徴があれば教えてください。

S:これは全体的な話になってしまいますが、一般的な「USB DAC」と違ってRMEのオーディオインターフェイスには「インプット端子」も装備しています。「USB DAC」ではハイレゾ音源の再生しかできませんが、RMEを使えば「アナログレコードを最大24ビット/192kHzという高音質で録音する」なんてことも可能です。音楽を再生するだけでも充分楽しめる世界だと思いますが、レコーディングによる新たな楽しみも体験してほしいですね。

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「Babyface」には、通常の「USB DAC」と違ってオーディオの入力端子が用意されている。ギターやマイクはもちろん、アナログレコードなどを高音質にレコーディングすることができる

NEXT 第3話 ハイレゾ音源をプレイする「再生ソフト」の重要性! に続く

問い合わせ先
シンタックスジャパン
http://www.synthax.jp/babyface.html
エムアイセブンジャパン
http://www.mi7.co.jp/products/presonus/studioone/
【PCオーディオ体験記・目次】
  • 第1話 mp3やCDでは味わえない本物の音を聴こう!
  • 第2話 RME「Babyface」が人気の理由!
  • 第3話 プリソーナス「StudioOne」を試す!
  • 第4話 音楽配信サイト「e-onkyo music」の担当者を直撃!
  • 第5話 USBケーブルで音が激変!?アコースティックリヴァイブを直撃
  • 第6話 IKマルチメディア「T-Racks」でロックな迫力をゲット!
  • 第7話 音が良いと評判のZOOM「TAC-2」をチェック!