トップページ > サザンやmiwaなどを手掛けるエンジニアが検証!TASCAM「Celesonic US-20x20」(バンドのマルチ録音にも最適なプロ仕様の高音質インターフェイス)

バンドのマルチ録音にも最適なプロ仕様の高音質インターフェイス


TASCAM

Celesonic US-20x20

オープンプライス(¥60,000前後)


ZOOM「F8」

タスカムが最大20イン/20アウトの入出力が可能で、最高24ビット/192kHzの高音質を誇るオーディオインターフェイス「Celesonic US-20x20」を発表しました。サザンオールスターズやmiwaなどの作品を手掛けているエンジニアの林憲一氏に本機の性能を検証してもらいましょう。

取材:平沢栄司 写真:小貝和夫
協力:LIBERA STUDIO 南青山


【SPEC】 ●音質:最大24ビット/ 192kHz ●最大同時録音/再生数:20イン/ 20アウト ●入出力端子:マイク/ライン/インストイン×8(XLR/TRSコンボ)、ラインイン×2(TRS 標準)、ラインアウト×10(TRS 標準)、デジタル入出力(S/P DIF 、OPTICAL)、ヘッドホン×2、MIDIイン/アウト、ワードクロック・イン/アウト、USB3.0/2.0(3.0はWindowsのみ対応) ●外形寸法:445(W)×59(H)×222(D)mm ●重量:2.7kg

マイク端子を8個装備

▲フロントパネルにはコンボタイプのインプットが8個装備されており、INPUT1とINPUT2にはギターやベースを直接接続することができる

マイク端子を8個装備

▲リアパネルには2 個のラインインと10 個のラインアウトの他に、デジタル端子やMIDI 端子など、豊富な端子が使いやすいようにレイアウトされている


中域がしっかりして、ハイに特徴がある明るい音が得られる

300〜400Hzが整理されていて、複数の音をまとめやすい

──まずは、今回Celesonic US-20x20を試奏した際の環境を教えてください。

林:ペルーソの22 47LEという真空管マイクを使って、アコギとボーカルを24ビット/192kHzと24ビット/48kHzの両方でレコーディングしてみました。DAWソフトはアビッドのPro Tools HDで、U S - 2 0 x 2 0 のアナログとデジタルの両方の出力の再生音もチェックしました。

──まず、見た目の印象はどうでしたか?

林:1Uサイズに入出力が20chずつ備わっていると考えると、かなりデザインがスッキリしているし、前面に必要な入力端子やツマミが並んでいるので使いやすかったですね。あと、側面の足で少し角度が付くので、机に置いた時の操作性がとても良かったです。

──前面のパネルに付いているツマミなどの使い勝手はいかがでしたか?

林:ゲインツマミの造りがしっかりしていて、回した時の重い感じがいいですね。調整もしやすいですし、ちょっと触ったくらいじゃ動かないから、予期せず設定が変わってしまうこともありません。それと、ファンタム電源のスイッチもフロントに付いていて、1〜4chと5〜8chの4chずつを別々にオン/オフできるので、コンデンサーマイクとダイナミックマイクを併用できる点も気に入りました。

──本機は「マイクプリ」、「オーディオインターフェイス」、「ミキサー」という3つの動作モードがあるのが特徴ですが?

林:そのモードの変更がフロントパネルのボタン操作だけでできるのが便利ですね。あと、専用のコントロールソフトも連動して画面が切り変わるんですよ。ソフトの方も操作がわかりやすくて、慣れている人だったら取説なしで使えると思います。それと、演奏をしていてレイテンシーをほとんど感じないので、違和感なくモニタリングができました。

──では、内蔵の「Ultra-HDDAマイクプリ」の音質はどうでしたか?

林:800Hzくらいの芯にあたる中域がしっかりしていて、3kHzと8kHzあたりのハイに特徴がある明るいサウンドが得られますね。低域もダブついた感じがなくて、ハッキリした音です。“上手に味付けされた使いやすい音”という印象を受けました。あと、他の製品で多チャンネルで録ると、300〜400Hzあたりの音像がモタつきがちなんですね、でも、本機はそのあたりの帯域も整理されていて、分離がいいというか、複数の音をまとめやすいんです。その点もマイクプリのキャラがいい方向に働いていると思います。

センターがハッキリしているから、ポップスのミックスに向いている

──出力の音質の傾向はどうですか?

林:奥行きがあるというよりは、音がグッと前に出てくる感じです。乾いた音で、ガツガツくるほどではないのですが、ちゃんと強弱のニュアンスも出ています。定位的にはセンターがハッキリしているから、ロックやポップスのミックスに向いていると思いますね。

──内蔵のDSPエフェクトの質感や使い勝手はいかがでしたか?

林:EQとコンプ、リバーブが入っています。EQは4バンドタイプで、設定のレンジが広くて効きもいいですし、ブーストとカットの状態が専用ソフト上にグラフ表示されるのもいいですね。コンプも標準的なパラメーターが備わっていて、かかり方もわかりやすいので使いやすいと思います。リバーブは、ホール、ルーム、ライブ、スタジオ、プレートの5つのタイプが選べますが、個人的にはホールとライブがキレイで気に入りました。

──最後にUS-20x20はどんな人に向いていると思われますか?

林:インプットが多いので、宅録で使うだけでなくて、リハスタに持っていってバンドをマルチマイクで録って、自宅でミックスをするという用途にはピッタリだと思います。とにかくマイクプリの質がいいので、そのクオリティを活かして音を捉えられるということと、入力された音を高音質のままパソコンに録音できるという、プロの要望にも応えられる質実堅剛な機材だと思います。

リアパネル

▲前面の左側には「マイクプリ、オーディオインターフェイス、ミキサー」を切り替えるモードスイッチと、ファンタム電源のオン/オフスイッチが並んでいる

リアパネル

▲前面の8個のインプットには、トルクが重めのゲインツマミが独立して用意されており、それぞれの入力ゲインの状態をひと目で確認することが可能だ

リアパネル

▲前面の右側にはヘッドホン端子が2 個用意されているので、例えばプレイヤーとオペレーターがそれぞれ好みの音量でモニタリングをすることができる

使いやすいコントロールソフトを用意!

リアパネル リアパネル

▲Celesonic US-20 x 20には専用のコントロールソフトが用意されており、レコーディング時のミキサーの設定や信号のルーティングなどをパソコンのディスプレイを使ってグラフィカルに行なえる。ミキサー画面の上部にはEQ、コンプ、リバーブが表示され、それぞれかかり具合をグラフで確認できる点もポイントだ


間瀬哲史

林 憲一(ハヤシ ケンイチ)

ビクタースタジオ在籍時に、10年以上に渡りサザンオールスターズのチーフエンジニアとして活動。フリーに転向後も、コブクロやASKAなどの作品の録音とミックスや、THE BACK HORN、藍坊主、ジャパハリネットなどのプロデュースを手掛ける。近年ではmiwa、WEAVER、藍井エイル、中川翔子などの作品に携わっている。




お問い合わせ:ティアック(株)タスカムカスタマーサポート
TEL:0570-000-809
http://tascam.jp/product/us-20x20/