トップページ > スタジオ・モニターヘッドホンの新定番モデル ヤマハ「HPH-MTシリーズ」をプロが試聴! | 第3回ゲスト:堀 豊(エンジニア)


帯

第3回ゲスト

堀 豊(エンジニア)

試聴モデル

HPH-MT220

オープンプライス(¥25,000前後)



スタジオ定番のNS-10Mをはじめ、MSPシリーズやHSシリーズなど、モニタースピーカーの名器を数多く生み出しているヤマハが、その技術を結集させて開発したヘッドホンが「HPH-MTシリーズ」です。音質の良さで注目されている同シリーズの性能を、プロの耳でチェックしてもらうというこの短期連載コーナー。第3回目はプロエンジニアの堀 豊さんの登場です。

取材:井桁 学


堀さん試聴風景

ボーカリストは自分の声の低域が聴こえる方が歌いやすい。本機はそんなローエンドが見えやすいので、ボーカルレコーディングで使うのにも最適とのこと



スピーカーで再生した時と音の印象が変わらないのが素晴らしい



 今回は、HPH-MT220をクレーンソングのAvocetというモニターコントローラーにつないで、16ビット/44.1kHzの2ミックスの音源と、自分が現在制作している楽曲(32ビットフロート/ 48kHz)のプロジェクトファイルで試してみました。
 本機を装着してまず感じたのが、イヤーパッドが柔らかいので、長時間作業をしても耳が疲れにくいという点ですね。スペック上は重量が重めなんですけど、装着感が非常にいいので重さは感じなかったです。
 音質はレンジが広いうえに余計な色付けがなくて、各楽器の音がクリアに聴こえてくるのが特徴で、音圧も十分に感じられました。本来、ヘッドホンはスピーカーとは聴こえ方が違うんですけど、本機はスピーカーで再生した時の状態と音の印象が変わらないのが素晴らしいです。
 それと、ローエンドがわかりやすいところも特徴だと思います。ミックスをする際、キックやベースの低域はスピーカーで大きな音を鳴らさないと判断ができないんですよ。でも、本機ではキックとベースが混ざった時の音の滲み具合まで手に取るようにわかるのには驚きました。他にも、EQのかかり具合が見えやすい点も気に入りました。例えば、30Hzとか40Hzあたりの低域をカットした時も明確に音の変化がわかるんです。とにかく音の解像度が高いので、リバーブやディレイとかの消え際や奥行き感もわかりやすいですし、音量の大小も見えやすいので、ボリュームのオートメーションを書く時にもかなり重宝しそうですね。
 HPH-MT220は原音を忠実に再生してくれるうえに、音楽を聴いていて楽しいヘッドホンなので、楽曲制作とミックスを1人で行なっている宅録ユーザーには、まさにピッタリだと思います。とにかくヤマハが本気で作っているというのがヒシヒシと伝わってくるモデルでした。

イヤーバッド

イヤーバッドには耳に自然にフィットする柔らかい素材が採用されているので、長時間の作業でも耳が痛くならない


HPH-MT220

製品概要
 HPH-MT220は、音楽制作現場での繊細なモニタリングのニーズに応えるべく開発された音質重視のヘッドホンだ。同社のモニタースピーカーで高く評価されている“原音を忠実に再生する”というコンセプトを引き継いでおり、「CCA Wボイスコイル」を採用することでクリアかつレンジの広い音を実現している。耳に優しくフィットするプロテインスキンと低反発クッションを使用したイヤーパッドも特徴だ。




SPEC
●形式:密閉ダイナミック型 ● 再生周波数特性:15 Hz〜28 kHz  ●インピーダンス:37Ω(1kHz ) ●最大入力:1,600mW ●出力音圧レベル( 1 kHz / 1 mW ):97 dBSPL  ● ドライバ:Φ45 mm 、CCAWボイスコイル ●ケーブル:1.2 m カールコード(3.5 mmステレオミニプラグ) ●重量:415g  ●付属品:6.3mmステレオ標準プラグ変換アダプター


問:(株)ヤマハミュージックジャパンプロオーディオ・インフォメーションセンター
TEL:0570-050-808
http://www.yamahaproaudio.com/japan






堀 豊

エンジニア、コンポーザー、アレンジャー、サウンドクリエイターとして、作・編曲からレコーディング、ミックス、マスタリングまで幅広く手掛けるマルチクリエイター。これまでに岡本真夜、熊木杏里、前田敦子、チャチャチャ倶楽部など、数多くの人気アーティストやアイドルなどの作品のレコーディングに参加している。


堀さん写真