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【最新/人気モデルをプロがチェック&レビュー】

おすすめモニタースピーカー BEST9

メインイメージ

最新&人気のモニタースピーカーのサウンドや使い勝手を、the band apartなどの作品を手掛けているエンジニアの速水氏にチェックしてもらいました。全9機種を「2本で5万円未満」と「2本で5万円以上」という価格帯に分けて紹介していきます。

取材:黒田隆憲


 僕は普段、ヤマハNS-10Mをメインモニターにしていますので、今回の試聴では、それと比較してサウンドチェックを行ないました。再生する音源は、楽器の立ち上がりや響き、音像のバランスなど、様々な角度からチェックしたかったので、バンドサウンドから、生ピアノやアコギをフィーチャーしたものまで選びました。
 モニタースピーカーを選ぶうえでのポイントですが、最近の音楽は周波数レンジを広く聴かせる傾向にありますから、従来のモニタースピーカーでは再生できない帯域、特に低音を再生できないといけません。個人的には、置く場所を考えるとニアフィールド・タイプで、なるべく低音が出る機種がオススメですね。僕自身、もし今メインで使っているNS-10Mが故障したら、そのあたりを重視して選ぶことになると思います。 あとは、音楽を気持ち良く聴きたいのか、EQなどのかかり具合を聴き分けるために使いたいのかでも、選ぶモデルは変わってきますよね。どちらか一方に偏り過ぎない方がいいのですが、そのサジ加減は好みの問題になってくると思います。
 全機種を試聴してみた総評としては、どのスピーカーも「いかに低音をキレイに鳴らすか?」というところに力を入れているな、という印象でした。必ずしも価格と性能が正比例しているとは言い切れないので、自分が作りたい音楽や、好みに合う低音が鳴らせる機種を選ぶのがポイントなのではないでしょうか。

今回のチェッカーは
エンジニアの速水直樹氏!

サイドチェイン

速水直樹(ハヤミ ナオキ)

バズーカスタジオの前身であるスタジオ450でエンジニアとしての基礎を学び、フリーランスを経て、湾岸音響に参加。同スタジオが3年前に閉鎖して以降は再びフリーランスとなる。the band apartやTRI4TH、quasimode、RANKINTAXIなど、ジャズやレゲエから河内音頭まで幅広いジャンルを手掛けている。


チェックした機種の目次

(アイコンをクリックすると各機種のレビューが見れます)



RCF 「AYRA 4」

ハイのヌケ具合が柔らかい
耳が疲れにくいサウンド

 このAYRA 4は、ウーファーにグラスファイバーという珍しい素材を使っています。原音の再現力は高いですし、ステレオの定位感もしっかりと再現されていました。筐体のサイズはかなりコンパクトですが、テーブルの上にスピーカーを置いてミックスやマスタリングなどの作業をするようなDTM環境であれば、これくらいの大きさがちょうどいいと思います。 サウンド的にはハイのヌケが柔らかいので、ハデめなロックやポップスをモニタリングする時に、耳が疲れなくていいですね。スピーカーのサイズが小さめなぶん、パワー感はやや物足りなく感じるかもしれません。あまり大きな音量を突っ込み過ぎると、アタックが若干潰れ気味になりますね。大音量で聴いた時と、ボリュームを絞った時の音像の違いも感じたので、レベルを一定にして使用するのがオススメです。
 レスポンスが緩やかなので聴きやすいのですが、ハイの伸びが物足りないと感じる人は、背面のHFTRIMでハイを調整するといいと思います。プラスマイナス最大3dBという、他のモニタースピーカーと比べると増減幅が広めに設定されていますから、小さめの音量でモニタリングをする人は、ここを最大の3dBまで上げて使うのがオススメです。このへんのカスタマイズというか、部屋の環境に合わせて最初に音決めをしっかりやっておけば、聴こえ方がかなり良くなると思います。

【製品概要】

自宅などのコンパクトな制作環境のために開発された2ウェイのパワードモニター。独自に開発されたソフト・ドームツイーターとコンポジット・グラスファイバーウーファーを絶妙なバランスで組み合わせ、低価格ながらも本格的なレコーディング&ミックスに対応できる仕様を実現。音楽制作以外に、迫力のあるサウンドでゲームを楽しんだり、オーディオのリスニングなどでも力を発揮する。

【SPEC】

・ウーファー:4インチ
・ツイーター:1インチ
・出力:20W(HF)+35W(LF)
・周波数特性:60Hz〜20kHz
・最大音圧レベル:104dB
・外形寸法:145(W)×225(H)×203(D)mm
・重量:4.4kg

RCF AYRA 4


入力端子

▲入力端子は、XLRとTRSフォーンとRCAピンの3タイプを装備しているので、様々な機器との接続に対応することができる

コントロール

▲コントロールは、ボリュームとHFTRIMを装備。HFTRIMは高域の増減量を決めるツマミで、最大で±3dBまで調整を行なえる


価格:¥44,800(ペア)
問:(株)エレクトリ
TEL:03-3530-6181
http://www.rcf-jp.com/

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TANNOY 「Reveal 402」

DTMに最適なコンパクトサイズで
十分なローが鳴らせるのが魅力

 このモデルは定位感がとても良くて、スイートスポット(最適なリスニングポイント)が広いというのが第一印象です。リスニングポイントがセンターから多少ズレても、音のバランスが大きく変わらないので、楽器の演奏をしながらモニタリングをするのにも便利だと思います。このサイズからは想像もつかないくらいローがよく出ていて、人によってはキックやベースのフレーズをもう少しタイトに聴きたいと感じるかもしれませんが、そこは好みで選べばいいかなという気がします。背面にハイブーストのツマミがあるので、それでローとのバランスを取るという手もありですね。
 今回、試奏したモニタースピーカーの中では最も安価で、大音量を出そうとすると、パワー感がやや物足りないと感じるところはありました。逆に大音量での作業が難しい宅録環境でしたら、このくらいコンパクトな方が性能を発揮できるのではないかと思います。テーブルの上にスピーカーを置いて作業をするくらいの規模のDTMで使うぶんには十分なサイズだと思います。 音楽的には、あまりガチャガチャしたロックというよりは、アコースティックなサウンドに向いている気がしました。あと、低音が好きな人にも向いていますね。ただ、これでミックスをする時は、EQ処理の時に低音を削り過ぎないように注意した方がいいと思います。ローを十分に残しながらミックスをすることで、他のスピーカーを使うよりも派手な曲が作れると思います。

【製品概要】

モニタースピーカー開発で90年近い実績を誇るメーカー、タンノイの伝説のサウンドキャラクターを受け継ぎながら、宅録環境に適した小型の筐体に様々な機能を搭載したモデル。そのサウンドはパワーと明瞭性を兼ね備えており、スイートスポットも広いので、複数人でモニタリングしても誤差のない音でチェックできる。また、AUX 端子を装備しており、音楽プレーヤーなどを直接接続できる。

【SPEC】

・ウーファー:4インチ
・ツイーター:3/4インチ
・出力:25W(HF)+25W(LF)
・周波数特性:56Hz〜48kHz
・最大音圧レベル:101dB
・外形寸法:147(W)×240(H)×212(D)mm
・重量:5.2kg

TANNOY Reveal 402


入力端子

▲入力にはXLR 端子とTS標準フォーン端子(アンバランス)を搭載。また、モニターリンク端子で左右のモニターをつなぐと、どちらか片方のAUXイン(ミニプラグ)に入力した音源を、ステレオで再生できる。その際、どちらのスピーカーをL/Rにするかは「スピーカーポジション」スイッチで決定する

コントロール

▲コントローラーは、ボリュームとEQ(ハイブースト、ニュートラル、ハイカット)の2 種類を搭載している。高域が強く感じる場合はハイカット側、サウンドが暗く感じる場合には、ハイブースト側にEQを入れるといいだろう


価格:¥16,500(1本)
問:TCグループ・ジャパン(株)
TEL:03-5302-4947
http://www.tcgroup-japan.com/TANNOY/

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TASCAM 「VL-S5」

ミックスの作業が楽しくできるバランスのいいハデなサウンド

 本機は、僕が普段使っているヤマハNS-10Mと音質の傾向が似ているのですが、さらに音がクリアに聴こえるというか。中域の音のナマリもなくて、各楽器の音がスコーンと飛んでくる感じで気に入りました。ミックスをしていても、たんに音を聴いていて楽しくなります。レスポンスも良くて、音にスピードがあるんですよ。 周波数特性が広いうえに、低音の聴こえ方もナチュラルだし、何より音楽がカッコ良く聴こえるので、リスニング用としてもオススメです。 ウーファーは「ケブラー」という、KRKのVシリーズでも使われている素材で、それが音の締まりを良くしているようで、それも個人的に好きな理由のひとつです。この価格帯でケブラー素材が採用されているのは、コストパフォーマンスが高いなと思いました。
 あと、背面にEQとかが付いていない潔さもいいですね。「俺の音を聴け!」っていう感じで(笑)。周波数特性に関しては、他のモデルと比べると中域に特徴がありますが、高域や低域が足りないわけでもないので気持ち良く聴けます。中域にハリがあって、低域も高域もクリアなので、ハデな音が好きな人には持ってこいではないでしょうか。ただ、人によっては少し耳が疲れるかもしれません。 ジャンル的には、ビートの効いたダンスミュージックやロックとか、音の立ち上がりの速さが求められる音楽に向いています。

【製品概要】

ウーファーユニットに、優れたレスポンスとクリアなサウンドが得られる「ケブラー素材」を採用したモデル。中高域.高域を再生するシルクツイーターとの組み合わせで、解像度の高いサウンドを再生してくれる。ウーファーとツイーターのそれぞれをアンプで駆動させる、贅沢なバイアンプ方式を採用している他、パソコンのディスプレイの近くにセットできるように、防磁設計になっている。

【SPEC】

・ウーファー:5インチ
・ツイーター:1インチ
・出力:30W(HF)+40W(LF)
・周波数特性:60Hz〜22kHz
・外形寸法:176(W)×255(H)×200(D)mm
・重量:5.2kg

TASCAM VL-S5


入力端子

▲インプットにはXLR端子とTRSフォーン端子が用意されている

コントロール

▲コントローラーは、ボリュームのみと非常にシンプルで、音質調整などは行なえない


価格:¥16,444(1本)
問:ティアック(株) タスカムカスタマーサポート
TEL:0570-000-809
http://tascam.jp

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JBL PROFESSIONAL 「LSR305」

広いリスニングポイントと
ふくよかな気持ちいい低音が魅力

 本機のLSRという名称は「Linear Spatial Reference」の略ということで、設置場所や部屋の形状に関わらず正確なモニター性能を発揮させるための設計ということです。 そこはあまり意識せずにスピーカースタンドに乗せて聴いてみましたが、なるほど、よそ見をしていても、定位やバランスを気にしないでモニタリングができるようで、スピーカーの中央にしがみついていなくても、「イメージコントロールウェーブガイド」の効果で、広い範囲でのリスニングを可能にしてくれます。このおかげで複数のメンバーであれこれ作業をしている時も、聴いているポジションによる定位や音量のバランスの極端な差を気にせずにモニターできると思います。それなのにセンター定位がわかりやすいというのが素晴らしい! この指向性の広さってすごいですよ。しかもこれは、スタジオモニターの最上位機種「M2」のために開発したものなのですが、これがこのグレードの機種に搭載されているというのが驚きです。
 音の印象は、ふくよかな低音が気持ちいいです。ハイとミドルはエッジが効いていますが、少し低域に押されていますね。若干おとなしくは感じますが、このあたりは調整用のEQで、高域は4.4kHz、低域は115Hzで、それぞれ±2dBの設定が可能なので、部屋に合わせて調整できます。広い指向性と部屋の影響を受けにくいという面で、サラウンドの再生にも向いていると思います。

【製品概要】

設置する部屋の形状や大きさが変わっても正確なモニタリングができる、独自のLSR 設計を採用したモデル。新開発の「イメージコントロールウェーブガイド」により音像の再現性に優れ、スピーカーの外側に伸びるほど広いステレオ音場を実現。センターの音像も明確で、奥行きや音像の大きさを的確に把握できる。細部の描写能力も優秀で、音源の微妙な変化や空気感がチェック可能だ。

【SPEC】

・ウーファー:5インチ
・ツイーター:1インチ
・出力:41W(HF)+44W(LF)
・周波数特性:43Hz〜24kHz
・最大音圧レベル:108dB
・外形寸法:187(W)×298(H)×242(D)mm
・重量:4.9kg

JBL PROFESSIONAL LSR305


入力端子

▲インプットは、XLR端子とTRSフォーン端子の両方に対応しており、右側のインプット・センシティビティ・スイッチで入力感度を「+4dBu」(業務用機器)と「-10dBV」(民生用機器)から選ぶことができる

コントロール

▲コントローラーは、ボリューム以外に、LFトリムとHFトリムのスイッチを備えており、どちらも±2dBでの音質の微調整が行なえるようになっている


価格:オープンプライス(¥19,000前後/1本)
問:ヒビノ(株)
TEL:03-5783-3110
http://www.hibino.co.jp/

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DYNAUDIO Professional 「BM5 mk3」

超フラットなサウンドを実現しつつ
柔らかく優しい高域を再生

 これはウーファーの形状が独特で、他のモニタースピーカーとはかなり違っています。フォーカル・プロフェッショナルALPHA 5と並べて聴き比べをしてみたのですが、かなり音質の傾向が似ていますね。こちらの方がさらにフラットな印象です。 ハイのヌケ方が気持ちいいですね。背面のEQでローは±2dBまで、ハイは±1dB調整できるようになっているので、ハイの感じをもう少し変えたいと思ったら、このEQを使えばだいぶコントロールできると思います。ミドルはカットしかできなくて、個人的には「ここを上げたいのになあ」と思いましたけど(笑)。
 ハイとローのユニットはそれぞれ50Wあるので、かなりパワーが出せますが、サウンドキャラクター自体は優しくチューニングされていると思いました。高域の柔らかい質感は、個人的には好みです。低域も良いと思うのですが、ミックスダウンでウッドベースがいる帯域をイジっていると、少しぼんやりする箇所があって、もうちょっとローの部分のタイトさが欲しいかな。 それと、デスク上に設置できるようにスピーカースタンドが付属されていますから、これを使って耳の高さに合うように角度を付けられるのは便利ですね。部屋自体が吸音されていたり、ちゃんとチューニングされている環境で使った方が本機は威力を発揮しそうです。そのあたりから、このモデルはプロフェッショナルユースにも対応している製品なのだと感じました。

【製品概要】

本機は、世界中のレコーディングスタジオでリファレンスモニターとして使われている同社の「BM5A」をグレードアップし、さらに広い周波数特性を再生できるように改良されたモデルだ。細部までチェックできる精度の高いモニタリングが可能で、HF/MF/LFのスイッチを使って、設置する環境に最適な音に調整できる。また、アイソ・アコースティックのミニスタンドISO-L8Rが付属する。

【SPEC】

・ウーファー:7インチ
・ツイーター:1.1インチ
・出力:50W(HF)+50W(LF)
・周波数特性:42Hz〜24kHz
・最大音圧レベル:118dB
・外形寸法:186(W)×320(H)×296(D)mm
・重量:7.7kg

DYNAUDIO 「BM5 mk3」


入力端子

▲インプットはXLR端子とRCAピン端子を搭載している。また、オプションのボリュームコントローラーを接続するためのリモート端子(ミニプラグ)も用意されている

コントロール

▲コントロールは、音がしばらく入力されない時にスリープするかどうかを選択するパワーモードスイッチと、3 段階のレベルスイッチ、ハイパスフリーケンシー・セレクター、HF、M F(カットのみ)、LFの調整スイッチを装備している


価格:¥80, 000(1本)
問:TCグループ・ジャパン(株)
TEL:03-5302-4947
http://www.tcgroup-japan.com/DYN/

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YAMAHA 「HS5」

どの楽器もキレイに前に出てくる
気持ちのいい出音が魅力

 これは今回試聴した中で個人的に気に入ったモデルのひとつです。普段僕がメインで使っているNS-10Mに、かなり近い音がしました。NS-10Mよりもさらに周波数特性が広くなっていて、「現代的な音」が鳴らせるという感じです。NS-10Mが好きな人にとっては、すぐに耳が慣れて使いやすいのではないかと思います。中高域のハリがとても気持ち良くて、スピード感もあり、どの楽器もキレイに前に出てきます。さすがにウッドベースのすごく低い帯域とかは、音量を上げた時に再生し切れない感じも多少ありましたが、このサイズのスピーカーとしては許容範囲ですね。コストパフォーマンスはかなり高いと思います。
 エッジの効いたロックから、キレイめのポップス、生楽器の響きを活かしたジャズまで、オールジャンルに向いています。結構ハデに鳴るぶん、低音がスピーカーの後ろ側に溜まりやすいので、置く場所によってはそれを取り除く工夫が必要かもしれません。取説には「理想は壁から1.5m離す」と書いてあるのですが、それは宅録環境ではなかなか難しいかもしれないので、スピーカーの背面にある500Hz以下をコントロールするツマミを使って低音のレベルを調整したり、吸音材を置くのがオススメです。 とはいえ、「低音だけを強調しました」という昨今の多くの機種とは違って、他の帯域もちゃんと出ているし、何より聴いていてノッてくるというか、楽しく作業ができるところが気に入りました。

【製品概要】

HS5は、ヤマハが一貫してこだわり続ける「原音を忠実に再現すること」というスタジオモニターの設計理念の元に開発されたモデルだ。その音質は色付けがないフラットな特性を実現しているのが特徴で、一般家屋のような大きな音量が鳴らせない環境でも、小音量で、精密かつ正確な再生能力を発揮してくれる。初めてモニタースピーカーを購入するという人にもピッタリなモデルだ。

【SPEC】

・ウーファー:5インチ
・ツイーター:1インチ
・出力:25W(HF)+45W(LF)
・周波数特性:54Hz〜30kHz
・外形寸法:170(W)×285(H)×222(D)mm
・重量:5.3kg

YAMAHA HS5


入力端子

▲インプットにはXLR端子とTRSフォーン端子が用意されている

コントロール

▲コントローラーはレベルツマミと、壁際に配置した際に膨らみがちな低域を抑えるためのルームコントロール、高域を増減させるためのハイトリムを搭載している


価格:オープンプライス(¥15,000前後/1本)
問:(株)ヤマハミュージックジャパンプロオーディオ・インフォメーションセンター
TEL:0570-050-808
http://www.yamahaproaudio.com/japan/

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FOCAL Professional 「ALPHA 50」

フラットなサウンドを再生でき、
出音の大胆なカスタマイズも可能

 フォーカルはフランスのメーカーで、最近はプロのアーティストを中心にユーザーが増えていますし、リスニング用のスピーカーとしても愛用者が多いそうです。確かに、本機の鳴り方からはオーディオ機器っぽい印象を受けました。高域から低域まで、いい意味でフラットに再生されます。とてもキレイに再生されるので、出来上がった音をチェックする際に気持ち良く聴けるスピーカーだと思いました。あまりにもフラットなサウンドなので、人によってはフラット過ぎて物足りなく感じてしまうかもしれませんが、レコーディングやミックスではこのフラットさが重要です。
 レコーディングとかトラックメイクの作業をしている時は、ある程度元気なサウンドで聴いてテンションを上げたくなるケースもあります。そういった部分と、フラットな出音を求める部分のバランスというのは好みの問題だと思うので、背面のローカットスイッチで低音をブーストしてみるなど、自分の使いやすい音になるように調整するのがオススメです。それと、本機はなんと最大±6dBまでEQで調整できるので、部屋の環境に合わせてかなり幅広くサウンドをカスタマイズできるのがうれしいですね。 ジャンル的には、高域と低域の伸びがいいので、中域をガッツリ鳴らしたくなるようなロック系のサウンドよりは、アコースティックなサウンドやポップス系、あるいはダンスミュージック系のサウンドの方が向いていると思います。

【製品概要】

ALPHA 50は、自宅スタジオなどの音響的に制限のある環境で、自然な音質とダイナミクス、出力を実現するモニタースピーカーだ。情報量の多いキレイな高域を再生するツイーターと、低域から中高域までをニュートラルに再生するウーファーを備え、さらに電力消費量が少ないクラスABアンプを2 基搭載。ハイパス/ローパスフィルターを搭載し、制作環境に合わせた音質調整が可能だ。

【SPEC】

・ウーファー:5インチ
・ツイーター:1インチ
・出力:20W(HF)+35W(LF)
・周波数特性:45Hz〜22kHz
・最大音圧レベル:103dB
・外形寸法:220(W)×313(H)×258(D)mm
・重量:7.3kg

FOCAL ALPHA 50


入力端子

▲インプットは、XLR 端子とRCAピン端子を搭載している。入力感度は「+6dB」と「0dB」から選択可能だ

コントロール

▲高域と低域をシェルビングタイプのEQでブースト/カットするツマミを搭載している。高域は±3 dBで、低域のEQは最大6 dBの増減が行なえる


価格:¥33,148(1本)
問:(株)メディア・インテグレーションMI 事業部
TEL:03-3477-1493
http://www.minet.jp/focal/

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GENELEC 「8010A」

オールジャンルに向いている
とびきり小型の優秀なスピーカー

 まずは、このコンパクトな筐体が魅力ですね。今回試聴した中では、とびきり小さいサイズです。僕はライブレコーディングの仕事をすることも多くて、そういう時はいつもヘッドホンで作業をしているのですが、この8010Aを持って行けたらすごくいいだろうなと思います。欲しいですね(笑)。
 サウンドのクオリティも抜群です。周波数帯域のバランスがとても良くて、このサイズにしては出来過ぎだろうと思うくらい、ローの再現力も優れています。音の立ち上がりも早いです。僕が調整したのは、背面のEQでローカットスイッチを入れたくらいでした。決してイヤな低音の出方じゃなくて、気持ちのいいローを作り込めます。そのへんが、さすがジェネレックだなと思いました。 ちなみに、ツイーターが耳の位置にまっすぐ向くように角度や向きとかをしっかり決めて、スイートスポットを作ると定位感が増して、より良いモニター環境を作ることができます。上下の角度を付けることができる台座が付属しているので、そのような正しいセッティングも簡単にできると思います。 入出力のレベルは、ツイーターとウーファー共に25Wなので、あまり過度な大音量は突っ込めませんが、デスクトップや自宅での設置では問題ないかと思います。とにかく、オールジャンルに向いているスピーカーだと思います。何を聴いても楽しいし、とても「音楽的」なバランスを持っています。

【製品概要】

プロミュージシャンやエンジニアに人気の同社8000シリーズの最小モデル。筐体はアルミ素材を使った丸みのある形状で、これにより優れた音響指向特性を実現。背面のバスレフポートと相まって、サイズを超えた豊かな低域を再生することができる。ウーファーとツイーターはどちらも音の歪みが少ないため、長時間に渡り、ストレスなくレコーディングやミックスが行なえるのもうれしい。

【SPEC】

・ウーファー:3インチ
・ツイーター:3/4インチ
・出力:25W(HF)+25W(LF)
・周波数特性:74Hz〜20kHz(±2.5dB)、67Hz〜225kHz(+6dB)
・外形寸法:181(W)×121(H)×116(D)mm
・重量:1.5kg

GENELEC 8010A


入力端子

▲入力端子はXLRのみで、背面の壁ギリギリに本体をセットしてもケーブルのジャックがジャマにならないように、垂直に挿す仕様になっている

コントロール

▲細かい調整は5つのディップスイッチで行なう(写真の赤い部分)。省電力機能をオフにするためのISS DISABLE、入力感度を調整する-10dBのセンシティビティ、机の上の反射音を抑えるデスクトップコントロール、低域の膨らみを抑えるベースティルト(-2/-4dB)が備わっている


価格:¥50,000( 1本)
問:オタリテック(株)
TEL:03-6457-6021
http://www.otaritec.co.jp

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Pioneer DJ 「RM-05」

ウッドベースの響きまで再現できる
クリアでタイトな低音が魅力

 本機は今回唯一の同軸型のスピーカーです。まずは、持ち上げてみた時の重さにビックリしました。不要な共振を排除するには重い方が有利なのですが、10kg近いのでものすごく重いですね(笑)。 サウンド的には、低音の出方がとても良かったですね。すごく魅力的な低音です。今回試聴した中では、低音が最もクリアでタイトに出ているように感じました。特に、最近のEDMなどのクラブミュージックとかを再生するのに向いているのではないでしょうか。ジャズのウッドベースを聴いた時も、箱鳴りの響きがとてもキレイに出てくれました。 低音に安定感はある一方で、ギターやボーカルといった中域のパートはやや落ち着いた感じに聴こえました。もし高域が物足りなく感じる場合は、背面のEQで調整できます。そのような音質のチューニング機能が豊富に装備されている点もいいですね。
 出力はツイーターとウーファーそれぞれで50Wずつあるので、わりと大音量を突っ込める方だと思います。スピーカーの表面にピークランプが内蔵されていて、それが赤く光ることでレベルの突っ込み具合が確認できます。 定位感は間違いなくいいので、安心して使えますね。バットマンみたいなルックスもユニークです。低音をチェックするラージモニターとしても使えるので、自宅で大音量が出せる人は、そういう使い方もオススメですね。

【製品概要】

音像や定位を確認しやすい同軸ユニット(ウーファーとツイーターの発音位置を同軸に揃えた方式)を採用したモデル。50kHzという超高域の再生に対応するHSDOMツイーターを採用し、高解像度の音源も忠実に再生。不要な共振を排除するアルミダイキャスト筺体とAFASTテクノロジーにより、定在波を効果的に抑制し、小音量でも安定感のある低域を生み出してくれる。

【SPEC】

・ウーファー:5インチ
・ツイーター:4.5インチ
・出力:50W(HF)+50W(LF)
・周波数特性:45Hz〜50kHz
・最大音圧レベル:104dB
・外形寸法:203(W)×281(H)×225(D)mm
・重量:9.3kg

Pioneer DJ RM-05


入力端子

▲インプットは、RCAピン端子とXLR端子を搭載。さらに、一定時間音を出さないと省電力モードに変わる「オートスタンバイ」のオン/オフができる

コントロール

▲音量レベルと低域、中域、高域の調整が行なえるトリムが付いている。なお、低域と高域はブースト/カットができ、中域はカットのみとなっている


価格:オープンプライス(¥67,000前後/1本)
問:Pioneer DJサポートセンター
TEL:0120-545-676
http://pioneerproaudio.com/

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