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マンレイのコンプ&EQを再現した
UADプラグインの実力

マンレイのコンプ&EQを再現した
UADプラグインの実力メインイメージ

 オーディオインターフェイスのApollo Twinを導入すると、数々のビンテージ機器をDAW上に再現する「UADプラグイン」が使用できます。中でも、マンレイのコンプとEQを再現したプラグインは、マスタリングに最適です。

取材・文:目黒真二 写真:小貝和夫

マンレイのステレオ・チューブコンプレッサー「Variable Mu Limiter Compressor」(バリアブル・ミュー・リミッター・コンプレッサー/以下、Vari Mu)とステレオ4バンド・チューブイコライザーの「Massive Passive EQ」(マッシブ・パッシブ・イーキュー/以下、MPEQ)は、両モデル共にマスタリングスタジオには必ずと言っていいほど置いてある定番中の定番のハードウェアです。
 価格は40〜60万円と、アマチュアにはなかなか手が出せない価格帯ですが、これをユニバーサル・オーディオがApolloTwinなどで使用できるUADプラグインとして再現し、プロのマスタリング環境をDAW上で手軽に再現できるようになりました。  そのプラグインの実力チェックを、今回は両機の魅力をよく知るプロデューサーのオダクラユウ氏に依頼し、両モデルの実機と音質を比較してもらいました。

実機

▲今回の比較に使用した「Variable Mu Limiter Compressor」(右)と「Massive Passive EQ」(右)。こちらはオダクラユウ氏が作・編曲家/ギタリストの鈴木Daichi秀行氏から借りているもの

オダクラユウ

オダクラユウ 18歳よりギタリストとして仕事をスタート。作・編曲家としてもYUI、SCANDAL、FTISLAND、ステレオポニー、椎名慶治、その他多数のアーティストの作品に参加している


Manley Variable Mu Limiter Compressor プラグイン (コンプレッサー)

Manley Variable Mu Limiter Compressorイメージ

原音を損なわず、ナチュラルに音圧が稼げるチューブコンプ

Vari Muの特徴は、チューブコンプであるにも関わらず、ハイファイなサウンドに仕上がるという点です。一般的なチューブコンプの場合、圧縮感は良くてもサウンドがどうしてもローファイになる傾向があるのですが、Vari Muはチューブの質感はそのままで、ローからハイまでしっかりと出てくれるので、曲のクオリティを損なうことなく音圧をアップさせられるんです。しかも、いかにも「コンプをかけている」という感じにはならなくて、とても自然な暖かみのある、耳当たりの良い音に仕上がります。
 本機を再現したUAD-2のプラグインも、すごくそのへんを忠実に再現していますね。実機と違って、プラグインなら同時に複数のトラックにVari Muを立ち上げることもできますから、マスタリングだけでなく、ミックスにも使えます。僕はよくバラで録ったドラムのトラックをグループにまとめて、そのアウトにVari Muをかけて、全体の鳴りを調整しています。 パラメーターの設定方法は、インプットを上げて圧縮感を深めていき、スレッショルドでコンプのかかり具合を調整していくという感じです。これだけでプロっぽい音になるので、あまりコンプを使い慣れていない人でも、とっつきやすいと思います。
 もちろんコンプには、「音圧を上げる」という目的もありますが、アタック感を調整して「曲にスピード感を与える」目的でも使えます。Vari Muを使うとそれがうまくできるので、僕にとって手放せない存在ですね。


■操作手順

手順1


1. マスタリングで使う場合、まずステレオLRの2つのATTACKを遅め(左側)に設定する

手順2


2. DUAL INPUTで入力レベルを上げていく。右側に回すほどドライブ感がアップする

手順3


3. THRESHOLDは右一杯でコンプがかからない状態で、左に回していってかかり具合を設定する



Manley Massive Passive EQ プラグイン (イコライザー)

Manley Variable Mu Limiter Compressorイメージ

穏やかな効き具合が特徴で音圧アップにも有効なチューブEQ

このMPEQを使うには、ちょっとコツがいります。4バンドのフリーケンシーやバンド幅などのパラメーターは一般的なEQと同じですが、通常のEQがゲインツマミを上げ下げすることでブーストとカットを行なうのに対し、MPEQの場合はまずブーストするのかカットするのかをスイッチで選んでから、ツマミを上げていくんですね。この違いを理解していれば、すぐに使いこなせると思いますよ。
 MPEQのすごいところは、ツマミを回しているうちは音質の変化がさほどハッキリとわからないのですが、バイパスした時に初めて、ガラッと音が変化しているのに気づくほど、EQの効き方が穏やかな点です。なので、使い慣れるまでは頻繁にバイパスして確認するといいと思います。 本機を再現したUAD-2のプラグインは、このEQの効き方までバッチリとシミュレートしているので、ハードから使い始めた僕も、すぐに使いこなせました。これもマスタリング用としてだけでなく、ミックスの時にも各トラックによく使っていて、ボーカルとかベースの存在感を出すのに重宝していますね。 一般的なEQは、操作している帯域以外の帯域にも多少影響が出るので、全体のバランスが崩れてしまいがちで、それを直すために再度イコライジングをすることで位相がズレてしまうことが多いのですが、MPEQは全体的なバランスを保ったまま、気になるところだけを修正できるのがマスタリングにおける利点です。


■操作手順

手順1


1. マスタリングで使う場合、中央のスイッチを「LINK」側にして、左右のチャンネルをリンクさせる

手順2


2. 例えばローをブーストする時は、まずローのOUTスイッチを「BOOST」側に入れてから、ツマミを回す。カットしたい時は「CUT」側に入れればいい

手順3


3. 全体の音量の調整をGAINツマミで行なう。このツマミでマスターの音量を稼ぐこともできる




apollo twin

Apollo Twin

オープンプライス
(市場予想価格:SOLO=¥75,000、DUO=¥95,000)

●外形寸法:150(W)×57(H)×152(D)mm
●重量:約1.05kg

【製品概要】2イン/6アウト、24ビット/192kHzの録音・再生に対応したThunderbolt接続のオーディオインターフェイス。2chのプリアンプと、ギターやベースを接続できるHi-Z端子を装備し、ビンテージエフェクターを再現した付属のプラグインをかけ録りやミックスに使用できる



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