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スピーカーのセッティング方法

 プライベートスタジオに必須のアイテムといえば「モニタースピーカー」です。スピーカーは設置の仕方によって、再生される音質が大きく変わります。自宅スタジオでの適切なスピーカーの設置法を見ていきましょう。

デスクトップでの設置方法 デスクトップでの設置方法2

 机の上にモニタースピーカーを置く場合、まずは机そのものの構造がどうなっているかを確認しておきましょう。できれば天板の中に空洞がないタイプの机が理想的です。なぜなら空洞があると共鳴してしまうからです。
 スピーカーの置き方も大事で、机の天板に直に置くと、再生音の振動が伝わり、机自体がスピーカーキャビネットのように鳴ってしまいます。この状態でモニタリングをすると、周波数にピーク(出っぱり)やディップ(へこみ)が発生して定位感がボヤけ、さらにスピーカーと机が近くなるため、音が机に反射して不要な響きが発生してしまいます。これではリスニングポイントが定まらず、正確なモニタリングができません。
 この悪条件を回避するには、スピーカースタンドやインシュレーター、制振材などのアイテムをスピーカーの下にセットするのが、最も手軽で効果的です。


おすすめアイテム帯

AET SH-2014G/SH2014GM/VFE-10152S帯

おすすめアイテム:モニタースピーカ編

機材の不要な共振を抑え込んでヌケのいいサウンドを再生させる防振製品


 SH-2014GとSH-2014GMは、モニタースピーカーなどの共振を抑制するインシュレーターの新製品で、従来モデルの音ヌケを良くする性能はそのままに、2種類のカラーバリエーションが追加されました。SH-2014Gは、金色が豪華な輝きを放つモデルです。一方のSH-2014GMは、重厚なガンメタリックカラーで、シックで重厚感がありプロフェッショナルな印象を与えます。共に「黄金比(ここをクリック)」を基本にしたサウンドコントロールが可能で、音楽を再生する際に素晴らしい効果を発揮します。
 VFE-10152Sは、粘性発砲素材「VFE」をテープ状に加工した制振アイテムです。100×15mm、厚さ2mmサイズで、裏側が粘着面になっており、様々な機器やガラス窓、壁面などに貼り付けることで制振効果を発揮します。マイクやコネクターに直接貼ると音響特性が向上し、無駄な振動やハウリングが抑えられます。

●SH-2014G(ゴールド) ¥4,200(4個1組)

SH-2014G(ゴールド)



●SH-2014GM(ガンメタ) ¥4,200(4個1組)

SH-2014GM(ガンメタ)


2014G( ゴールド)と2014GM(ガンメタ)は、従来の2014のユーザーの要望から生まれた製品だ。性能は2014と変わりはないが、インテリアにマッチするように塗装と加工は国内の職人が行ない、高級感を持たせた仕様になっている

【サイズ】 ●直径20mm、厚さ12mm
【素材】 ● A2000系合金(非マグネシウム系)




VEF-10152Sをマイクに巻く

VEF-10152Sをマイクに巻くと振動を抑制できる

VEF-10152S

●VEF-10152S ¥1,200(4本1組)

制振シールのVFE10152Sは、機材に直接貼るタイプの制振アイテムで、マイク本体やXLRプラグに巻き付けて使う。厚さ2mmの使いやすいサイズで、マイクが拾うノイズやプラグの鳴きが減り、周波数も安定して録音の時に効果が得られる。接着剤には日東電工製の工業用のものを使い、耐久性が強く、機材や被覆を痛めないので安心だ

【サイズ】 ●100(H)×15(W)×2(D)mm
【素材】 ●粘性発泡素材「VFE」


吸音材の貼り方

 自宅でモニタースピーカーを使ったり、マイクで録音を行なう場合、壁や天井に反射する響きが、正確に音を聴くことやクリアなサウンドを録音する妨げになります。それを防ぐためのオススメの吸音グッズを紹介しましょう。
 今回はシンガーソングライターのマイカ・ルブテさんにご協力いただき、彼女のプライベートスタジオでインフィストデザインの吸音材を使用し、その効果を検証しました。

マイカ・ルブテ写真

マイカ・ルブテ

シンガーソングライター。アップルLogic Pro 9を駆使した宅録の他、映像の制作もこなし、モデルとしても活動中。最新アルバムは『100』(PCD-20351 /¥2,000 /Pヴァインから発売中)。


※マイカさんのスタジオや使用機材に関する詳細な情報は、サウンド・デザイナー2014年12月号で紹介しています

白 吸音を実際に試してみた

今回試したインフィストデザインの吸音材「tone face トーンフェイス」

 インテリアや家具のデザインと開発を手掛けている会社インフィストデザインの吸音材「tone face トーンフェイス」は、吸音性能が高いだけでなく、お部屋をデザインする感覚で吸音措置を行なえるのが特徴です。

Bent shape

●壁面吸音パネル「Bent shape」
吸音面が“くの字型”に曲がっており、高い吸音性能を持っているのが特徴だ。価格は2個1セットで¥24,000。※写真のブラックカラーのモデルはサンプル品であり、実際の製品は下の写真に写っているカラーとなります。

Square写真

●壁面吸音パネル「Square」
吸音面に凹凸が付いており、形はそのネーミング通り、正方形になっている。価格は4枚1セットで¥13,800






Triangle写真

●壁面吸音パネル「Triangle」
 組み合わせの自由度が高く、様々な場所に設置できる。価格は8枚1セットで¥18,900


カラーラインナップ写真

 インフィストデザインの吸音材は、部屋の雰囲気に合わせて色が選べる。右からベージュ、ライトグリーン、ライトブルー、ブライトブルー、ネイビー、チャコールグレー、ライトグレー



【BEFORE】

マイカ・ルブテさん部屋before写真

この部屋はもともとガレージだったスペースで、天井が少し低く、モニタースピーカーで音を鳴らしてみると、低音の輪郭がボヤけているような印象でした。



矢印

【AFTER】

マイカ・ルブテさん部屋after写真

マイカ・ルブテさんの感想
 普通の吸音材は見た目がゴツゴツしていて、部屋に設置すると圧迫感があるイメージだったんですけど、今回試した「tone face トーンフェイス」はデザインが良くて、暑苦しさがないところが気に入りました。表面に凹凸が付いた立体的なデザインのせいなのか、設置前より、むしろ天井が高くなったような気がします。
 今までまったく部屋の吸音をしていなかったせいもあって、吸音材で劇的に音が変わったことに驚きましたね。特に、低音が引き締まってクッキリと聴こえるようになったので、キックとかベースの音を作る時に、確実にいい影響が出てくると思います。この環境で自分の曲をミックスするのが、今から楽しみです!





❶天井:「Square」を配置


天井:「Square」を配置

 マイカさんのスタジオは比較的天井が低く、床もフローリングのため、上下の反射が大きかったので、天井に「Square」を設置しました。この正方形の吸音材は厚みにバラつきがあるデザインなので、厚い部分を分散させ、スピーカーとリスニングポイントの中間から、頭上にかけて吸音材を配置しました。
※「Square」は本来は壁用の製品ですが、ここでは部屋の音響を考慮して天井に使用しています


❷モニタースピーカーの裏:「Bent shape」をセット


モニタースピーカーの裏:「Bent shape」をセット

 モニタースピーカーの性質上、筐体の真裏からも音が発生しています。マイカさんはスピーカーを壁と平行に設置していたので、スピーカー裏から出た音が、後ろの壁に反射していました。
 これを改善するべく、スピーカーを少し前に出し、スピーカーの真後ろに吸音率の高い「Bent shape」を設置して、余計な音を吸収させるようにしました。




❸部屋の角:「Triangle」を設置


「Triangle」を設置写真

 吸音材を設置する前のサウンドチェックでは、スピーカーを設置してある壁の角に高域が集まっていく傾向が見受けられました。そこで、面の角に「Triangle」をセットし、溜まりがちな音を取り除くようにしました。
 今回試した吸音材は、本来は平面の壁用の製品なのですが、このようにアイディア次第で部屋の角や天井の吸音も行なうことが可能なのです。

●取り付け方


取り付け方写真

今回使用した3種類の吸音材は、壁への取り付けが非常に簡単なのも大きな魅力です。製品に付属している専用のピンを使って、ハンマーで壁に固定するだけでOK。ピンは非常に細く、壁の跡が目立たないので、賃貸住宅の人も安心です



●問:(株)インフィストデザイン
http://infistlightroom.com







音響調整アイテム編

おすすめアイテム帯 ナイクソ NiCSoシリーズ帯 おすすめアイテム:吸音パネル編

エンジニアのリクエストから生まれた2つ折りタイプの新しい吸音パネル


 「NiCSo」(ナイクソ)は羊毛の素材を採用した吸音パネルで、軽量で持ち運びがしやすく、室内の湿度管理や消臭もできるのが魅力の製品です。
 従来のモデルは磁力を利用して壁に設置するタイプでしたが、新たに2つ折りの製品「NiCSo Twofold」が登場しました。高さ1.8m、横幅60cm、厚さ4.5cmの吸音パネルが2枚連なっており、自立させることができます。さらに、これを2セット組み合わせると、大型の吸音フィルターとしても機能し、歌やアコギのマイク録音時の響きを抑えたり、壁に反射する音を遮って、ミックス時に正確なモニタリングができます。

おすすめアイテム:吸音パネル編3点画像




@NiCSo Twofold ¥21,600(1セット= 2枚1組)
DAWソフトを操作する時は、このようにイスの後ろ側から自分を囲むように立てると、後ろの壁からの反射音を防いでくれる。

A歌を録音する時には、マイクを囲むようにNiCSo Twofoldを立てて歌うと、クリアな歌声を収音することができる。

BNiCSo ¥21,600(1セット= 2枚1組)
A.1side(正方形)×2=¥12,000
 1side(長方形)×2=¥23,000
B.2side×2=¥16,000
C.3side×2=¥18,000
従来のNiCSoは、マグネットで取り付けるので壁が傷つかない。部屋の角や壁に設置することでモニター環境を大幅に改善できる。



【サイズ】
●NiCSo Twofold
600(W)×1800(H)×45(D)mm
【素 材】
●サーモウール



おすすめアイテム:吸音パネル編

※1sideは厚みが20mmで、一辺が450mmの正方形と1350×450mmの長方形がラインナップしています。
2sideは800(H)×180(W)mm、3sideは1辺が400mmです。カラーリングは右の3色が用意されています。



ヤマハ ACP-2シリーズ帯 おすすめアイテム:聴音パネル編

楽器本来の音が鳴り、より繊細な演奏表現が可能になる調音パネル


  ヤマハの調音パネル「ACP-2シリーズ」は、部屋に設置するだけで「吸音効果」と「拡散効果」をバランス良く発揮し、音響障害を抑制して楽器が演奏しやすいように響きを整えてくれる製品です。広い帯域でほぼ平坦な吸音特性を発揮すると同時に、程よい散乱効果も発揮し、特にピアノやアコースティックギターなどの生楽器がクリアで心地良い音で演奏できるようになります。
 部屋の雰囲気に合わせて、カラーは、ホワイトACP-2WH(写真左)、濃いブラウンACP-2 MB(写真中央)、ナチュラルACP-2 MN(写真右)の3種類から選べます。
 設置する際は、壁に掛けたり、付属のスタンドを使えば自立させることもできます。



おすすめアイテム:ヤマハ ACP-2シリーズ3点画像




ACP-2 WH(左)¥45,000(1枚) / ACP-2 MB(中)¥60,000(1枚) / ACP-2 MN(右)¥60,000(1枚)


【サイズ】
●ACP-2 MN/MB= 587(W)×1,200(H)×30(D)mm
●ACP-2 WH= 587(W)×1,200(H)×29(D)mm
【素 材】
●MDF(表面材基材)、オレフィンシート(化粧材)、合板(芯材)



アコースティック・コンディショナー帯 おすすめアイテム:アコースティック・コンディショナー編

低域のこもりや高域の乱反射を効率良く抑えてくれる音場調整パネル


 GACシリーズは、高密度のグラスウール吸音材を特殊不織布で覆った吸音パネルで、モニタースピーカーの背後に設置することで音場調整をすることができます。高さは1300mmと880mmの2サイズが用意されており、どちらも厚みが150mmあるため、自立させて手軽にセッティングが行なえます。
 吸音の特性としては、高音から低音まで平均的に音を吸い、屋内の低音のこもりや高音の乱反射、そして共鳴や共振を防いでくれます。さらに、吸音で一番重要になる低音(1kHz以下)をしっかりと吸ってくれるのが最大の特徴です(左の図参照)。  この低音を吸わせるために、同社では様々な素材を試した結果、一番吸音効率の高かった48kg (1m3あたり)という高密度のグラスウールが採用され、同社の長年の防音工事で培ったノウハウを元に150mmという厚みを採用しています。
 セッティングの方法は、壁から本製品とモニタースピーカーをある程度離すのがポイントで、それぞれ10cm程度ずつ離してセッティングするのが理想です。間隔が取れない場合でも壁やモニタースピーカーとピッタリと合わせるのではなく、最低でもそれぞれの間隔を2cmくらいは離すといいでしょう。そして、モニタースピーカーと本製品の左右のセンターを合わせて置くのが基本です。
 また、楽器やボーカルをマイクで録音する際に、マイクの左右に本製品を立てることで室内の余計な反射音の混入を軽減してくれるので、クリアなサウンドで生音を録音したい時にもオススメです。



GAC-880

GAC-880 ¥58,000(2枚1組)



GAC-1300

GAC-1300 ¥78,000(2枚1組)



【サイズ】

●GAC-1300=440(W)×1300(H)×150(D)mm/●GCA-880=440(W)×880(H)×150(D)mm

【素 材】

●高密度グラスウール(吸音材)+特殊不織布捲(カバー)



全景



サイズに合わせてGAC-880とGAC-1300を組み合わせた例

スピーカーのサイズに合わせてGAC-880とGAC-1300を組み合わせた例




スピーカースタンドの高さに合わせてGAC-1300を立てた例

スピーカースタンドの高さに合わせてGAC-1300を立てた例








GACシリーズ 吸音率データ

従来の薄めの凹凸タイプの吸音材(図の青線)と比べて、GACシリーズは200〜400 Hzの低音域の吸音率が高いのが特徴だ。高音域はカーテンなどでも抑えることができるが、低音域は壁などを透過する力が強いため、しっかりと吸音/遮音しないと隣室に漏れやすい。GACシリーズは、こもりがちな低音域の音場調整と遮音の両方の効果を併せ持っている




スピーカースタンドの高さに合わせてGAC-1300を立てた例

窓に設置するタイプもオプションとして用意されている。ネジや接着剤を使わずに、窓枠にピタりとハマるサイズに仕上げてくれるので取り外しも簡単だ。そのため賃貸住宅でも安心して使用できる。なお、価格は1m2あたり¥40,000からとなっている




スピーカースタンドの高さに合わせてGAC-1300を立てた例

GACシリーズは厚みがあるため、本体だけでも自立させることができるが、別売りのスタンドGAC-001(2個セット/¥3,500)を使えば、さらに安定してセッティングすることが可能だ




音響補正機能付きモニタースピーカー帯 おすすめアイテム:音響補正機能付きモニタースピーカー編

吸音や拡散を行なった部屋をさらにフラットな再生環境にするスピーカー


 この「8320A」は、吸音や拡散を行なった部屋を、さらに精度の高いリスニングができる環境にしてくれるモニタースピーカーです。
 本機のバンドルパックには、「測定用のマイク、インターフェイス、ボリュームコントローラー」が同梱されており、このマイクをリスニングポジションに立てて部屋の音響状態を測定することで突出している周波数帯域を見つけ、そこをフィルターで抑えて、その部屋に合うように再生音の周波数バランスを整えてくれます。
 また、左右のスピーカーの微妙な音量差や距離の違いを自動補正したり、周波数バランスの微調整を手動で行なうことも可能です。なお、本機は、まったく吸音をしていない環境の音響補正も行なってくれます。




ジェネレック 8320A








GLM2.0

測定と補正を行なうソフトウェア「GLM2.0」




測定を行なっているところ

付属のマイクで測定を行なっているところ。リスニングポジション1ヵ所のみで測定すればいいので手軽だ


【スペック】
●ウーファー:105mm ●最大出力:ウーファー= 50W、ツイーター= 50W ●周波数特性:55Hz〜23kHz ●最大音圧レベル:100dB ●クロスオーバー周波数:3kHz ●外形寸法:242(H)×151(W)×142(D)o ●重量(1本):3.2kg




制振アイテム帯

おすすめアイテム:制振アイテム編

高機能で精密な加工技術を導入し音響用に特化して開発された制振アイテム


 制振アイテムのHMD-1015Bは、小型のチップを壁面やスピーカー、機材などに貼り付けることで、瞬時に部屋の無駄な響きを抑え、音響特性を整えることができる制振アイテムです。「ハイパーチューニングデバイス」と呼ばれているこの製品は、同社が制振素材を音響用に特化して開発したもので、その驚くべき効果は、リスニングはもちろん、音楽制作の現場でも効果を発揮します。
 その秘密は、素材にエネルギー蓄積の低い工業用真しんちゅう鍮が使われ、「黄金比(こちらをクリック)」を元に設計加工がされている点にあります。両面接着加工を施した発泡VFE素材を組み合わせることで、小さなサイズからは想像もできない制振効果を実感できます。サウンドの力強さとスピード感が劇的に改善し、エッジや奥行きなども鮮明に描き出す実力は、ロック系はもちろん、ジャズなどのアコースティックな音楽にも最適です。



AET HMD-1015B

制振チップの基本設計には耐震建築などにも採用されているマスダンパーのノウハウが応用されており、「黄金比」を基にマスダンパーとVFE素材の効果により、1cm程の小さな製品ながら大きな鉛を使ったものと同等の効果が得られるようになっている。部屋の壁面やモニター、アンプ、機材、ボリュームポッドなどに、「黄金比」を使って縦横共に5:3の比率の交差点に貼ると最も効果的だ








制振アイテムは、
防振アイテムと併用すると効果的!

AET HMD-1015B

 HMD-1015 Bを部屋に貼るのに加えて、モニタースピーカーや機材などに防振アイテムやインシュレーターを併用すると、さらに整音効果が増す。また、写真手前のように制振パッドとインシュレーターを組み合わせて使えば、音響バランスがより整う。制振アイテムや防振アイテムの価格はリーズナブルなので、いくつか用意して宅録環境に応じて組み合わせて使おう




HMD-1015B ¥3,600(4個1組)

【サイズ】
●直径10mm、厚さ1.5mm
【素材】
●工業用真鍮





制振アイテム帯

おすすめアイテム:制振アイテム編

部屋の音響を整える最も手軽な方法は、各機材の配置を整理して、さらにインシュレーターなどの制振アイテムをモニタースピーカーなどに使用することです。そんな部屋の音響コントロールに詳しい、音楽プロデューサーの小原 薫氏にルームコントロールのやり方を教えてもらいました。

取材:くぼつよし 写真:編集部





 ルームコントロールでは、絵画モナ・リザの顔のパーツのバランスでも知られる「黄金比」の法則を活用して、家具や各機材を配置することが重要です。実際には黄金比に近い「5対3」を使います。例えば、長方形の部屋を縦方向に5対3で割り、さらに横方向に5対3で割ってみてください。すると部屋が4分割されます(イラスト参照)。その4つの各ゾーンにテーブルや机を置くと、不要な歪みが生じるリスクが減ります。同様にアンプやマイクスタンドを置いても結構です。鳴りが良くなって、ボーカル録りもバッチリうまくいきますよ。この黄金比の応用はシンプルな方法なので、メジャーと計算機があれば誰でも簡単に実践できますから、ぜひ皆さんもお試しください。
 この黄金比の考え方は、AETの制振アイテムの設計思想にも活かされています。黄金比と現代のハイテク素材を使い、原音を損なわずに効果が得られる製品を提供しています(製品の詳細はこちらこちらを参照)。
 AETのすべての製品に言えることですが、黄金比を応用した形状にすることで、音響的なピーク成分とディップ(へこみ)成分を抑えることができるんです。特に制振アイテムの素材には、大砲などのクッション材にも使われている数年前に開発された固いジェル状の「VFE(ヴィスコ・フォームド・エラストマー)」を採用しています。これは音響的に歪みが少なく、不要な音響エネルギーが蓄積されにくい特性を持っており、黄金比の法則性を元に配置された機材に使用すると、類を見ない制振効果を生み出してくれます。
 アルミ合金製のインシュレーターを開発した時も、黄金比による精密な設計で作りました。中心に不要な音を処理するアコースティックポートを設けることで、素材に歪みが蓄積されにくくなっているので、モニタースピーカーなどに使うとサウンドがダイナミックで鳴りが良くなるんです。サイドの溝は、ホロー構造のギターと同じ考え方で、こちらも黄金比に基づいて溝を掘っていて、表面に伝わる振動をこの溝で断ち切って、ピークとディップを干渉しづらくしています。なお、表裏に大小の円の溝を設けていますが、これも振動の向かう方向が計算されていて、さらにエッジの角度も変えてありますから、上下をひっくり返して使うことでサウンドが変化します。
 このように様々な分野で応用できる黄金比の法則を使って、ぜひサウンドをより良くする機材のセッティングにトライしてみてください。







黄金比

古代ギリシャ時代から用いられてきた「黄金比」を応用すると、テーブルやギターアンプ、マイクを立てる位置が明確になり、不要な共振を受けにくい部屋作りが行なえる。また、制振材を壁などに貼る場合は、黄金比の縦横のラインが交差する位置が最適だ




アコースティックポート


小原 薫写真

小原 薫(オバラ カオル)

バークリーメソッドの上級理論を修める。ギタリストの浅野孝巳(ゴダイゴ)やエンジニアの杉山勇司らに起用されてプロデューサーとしての地位を確立。「世界に通じる音楽を 作りたい」という決意から、AETをはじめハイエンドオーディオ機器の商品開発にも関わる。ギタリストのジェイ・グレイドンをはじめ、世界的なミュージシャンからの信頼も厚い。








システム編帯
デジタルエフェクターを活用した宅録ルームを訪問帯 おすすめアイテム:デジタルエフェクターを活用した宅録ルームを訪問

人気エフェクターブランド「ストライモン」や高級コンソールブランド「オーディエント」の製品を取り扱っている輸入代理店オールアクセスの、関東エリアマネージャー長岡氏のプライベートスタジオを訪問し、シンプルな機材で曲作りからミックスまでを行なえるシステム構築の秘訣を語ってもらいました。



宅録ルームを全景


  私はマンションのワンルームをスタジオにしているので、いくつかの工夫をしています。例えば、モニタースピーカーの後ろ側に吸音材を設置したり、大きめの特注デスクを置いて、レコーディングスタジオのコンソールに反射して聴こえる音と同じような効果を狙ったり、デスクの下はスピーカーからの音の回り込みを抑えるように遮断する構造になっています。
 モニタースピーカーは同軸のタイプを設置していて、同軸ならではのクリアなサウンドを、ほど良いバランスで自分のいる位置でモニタリングできるようにしました。スピーカーの出音のバランスがいいと、大音量で鳴らさなくてもちゃんとモニタリングができるんですよ。
 以前はPro Tools HDXやアウトボードとかも使用していましたが、最近はよりコンパクトなシステムに移行しています。特に1人でスマートに宅録を行ないたい人にオススメなのですが、私はギターやマイクをつなぐオーディオインターフェイスを「オーディエントiD22」にして、ストライモンのコンパクトエフェクターをアウトボードのように使っています。これだけでも、本格的な宅録システムが作れるんですよ。
 特にストライモンの製品は、ラック機材に匹敵するサウンドで録れるうえに「+8dBu」の入出力に対応しているので、ライン信号をiD22からセンドリターンで受けても問題がないんです。操作できるパラメーターも厳選されていますから、音決めのスピードが早く、直感的に質感をコントロールできます。コンパクトなのでデスクに置いても邪魔にならず、スイートスポットの芯を外さないで音が聴けて、音作りに集中できるのもメリットです。






オールアクセスの関東エリアマネージャー長岡飛雄氏

プライベートスタジオを特別に公開してくれたオールアクセスの関東エリアマネージャー長岡飛雄氏



長岡飛雄氏のオススメアイテム帯
ストライモンDECO写真



長岡氏は、アナログテープ・シミュレーターの「DECO」を、倍音の多いデジタルシンセで使用しており、適度な歪みが加わるサチュレーション効果によって、トラックになじむサウンドを作っているそうだ。このようにデジタル機器に対してアナログの質感を加えたい時に本機を使うと有効で、プラグインのテープシミュレーターとはひと味違う音が得られる。「音圧が稼げない」といった悩みを解決するのに使うのも最適だ



ストライモンblueSky Reverb写真



「シンセのサウンドは、リバーブ感も含めて1つの音色になるので、質の高いリバーブを使うのが重要」と、深く密度の高いリバーブサウンドを持ち、レンジが広くてヌケのいい「blueSky Reverb」をチョイス。特にパッドサウンドに“shimmerモード”を使うと異次元の世界観が演出できるそうだ



オーディエントiD22写真



長岡氏いわく「iD22はコンソールのメーカーが作ったオーディオインターフェイスだけあって、音質面やモニターコントロール系の機能が優秀で、実際にモニタリングを行なうとセンターの定位感がいいため、ハッキリ音が見えるんです。また、CueMIXが2系統使えたり、単純にDIとして使用できたりと、目的に応じて使い分けられる点も魅力です」とのこと





●問:(株)オールアクセス
●TEL:03-5456-5032
http://www.allaccess.co.jp



ハイクオリティな録音アイテムを揃えたプライベートスタジオのシステム例帯 おすすめアイテム:ハイクオリティな録音アイテムを揃えたプライベートスタジオのシステム例

クオリティの高いレコーディングやミックスを行なうには、良質な機材を使うことが大事です。入力部と出力部の品質にこだわった、少しリッチなレコーディングシステムを紹介します。



宅録ルームを全景


 上の写真の宅録ルームでは、サウンドクオリティを重視した製品を選んでいます。まず歌やアコギ用のマイクは、ペルーソのコンデンサーマイク2247をチョイス。本機は真空管を内蔵し、ビンテージ感と暖かみのあるサウンドを録音可能です。
 マイクの信号をパソコンに送るオーディオインターフェイスは、SPLのCrimsonです。この製品ならフラットな音質で録れるだけでなく、締まりのある低域と張りのある中域、艶のある高域が魅力のハイファイなサウンドを録音・再生できます。
 スピーカーにはRCFのフラッグシップ機であるMYTHO 6を選びました。本機は下に広がるような豊かな低域を再生でき、実に音楽的で楽しいサウンドを鳴らしてくれます。
 そして、宅録で1台あると便利なミキサーとしてRCFの「L-PAD12CX」を加えると、スタジオ内の様々な機材の信号をまとめられるだけでなく、本機の太いサウンドを活かしてマイクやライン楽器のプリアンプとしても使用できます。




使用したアイテム帯
ペルーソ22 47写真



ノイマンU- 47 tubeを意識して作られたチューブマイク。高いゲインとふくよかな低音、スムーズな中域とバランスのいい高域を持ち、無指向から双指向まで9つの指向パターンを選べ



SPL Crimson写真



高品質なプリアンプを持つ、6イン/ 6アウト、24ビット/ 192kHz 対応のオーディオインターフェイス。ギターとベースを同時接続できる2系統の入力や、2種類のヘッドホンを同時接続できる2系統のヘッドホン端子を搭載。豊富な入出力端子を備えており、モニターコントローラーとしても機能する



RCF MYTHO 6写真



歌ものに最適化されたモニタースピーカー。大音量が入力された時の歪みやエアノイズを最小限に抑える機能を持つ。高性能なDSPと、高域100 Wと低域200 Wの2基のパワーアンプを内蔵し、歪みの少ないナチュラルな音を再生する






RCF L-PAD 12CX写真



マイク/ライン入力6系統とステレオライン入力4系統、AUX入出力2系統、コンプとDSPエフェクトを装備したミキサー。操作性と耐久性を両立し、オプションカードスロットにPLAYER/RECORDER CARDを装着すれば、音楽ファイルの再生や録音も可能だ





●問:(株)エレクトリ
●TEL:03-3530-6200
http://www.electori.co.jp