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ラインアレイ・スピーカー体験デモで有名9社のPAスピーカーを体感

今回のInter BEEでは、コンサートホールなどに設置される大型PAスピーカーの有名ブランドが一堂に集結! 何と9社の吊り下げ式モデルを聴き比べるというイベントが、会期内に幕張メッセのイベントホールで開催されました。その大規模なイベントの様子を、機材一式のセッティングを行なったエンジニアのインタビューを交えてお伝えしましょう。

体験デモの様子



 吊り下げ式のPAスピーカーであるラインアレイ・システムが体験できるデモは国内初でした。さらに、会場設置としては異例の9メーカーの異なるPAスピーカーが聴き比べられるという大がかりなイベントということで、会場にはプロのエンジニアや音響エンジニアを目指している専門学校生などが積極的に参加していました。
 デモでは、男女のナレーションとCD音源、ライブ演奏を実際に再生して、各社のPAシステムを試聴しながら、各モデルの特徴を解説。ラインアレイならではのヌケのいいサウンドがその場で体感できました。システム的にも、デジタル通信やデジタルパワーアンプ、また指向性タイプのサブウーファーといった最新機材を体験できたり、パソコンを使ったシミュレーションや音質調整などの便利な機能も紹介され、各モデルの音質の違いを試聴者が真剣にチェックする様子が印象的でした。

出展各社

体験デモの様子2

▲トラス構造の骨組みに各社のラインアレイシステム対応のPAスピーカーを吊り下げて設置し、順番に鳴らしながら試聴会が行なわれた


用語解説

●ラインアレイ・スピーカーとは?

 ラインアレイ・スピーカーは、通常ドライバユニットが縦一列に並んで配置されており、均一で明瞭度の高い音を、狙ったポイントに伝えられます。別名、「線状音源スピーカー」や「ポイントソース用スピーカー」とも呼ばれ、大規模なコンサート会場やイベントスペースなどでは、サブウーファーと併用して使われています。またパワー効率のいいデジタル・パワーアンプとセットで使われることもあります。


●デジタルアンプとは?

 通常のアナログ・パワーアンプの効率は、最大でも50〜60%程度であるのに対して、デジタルアンプは80〜90%と非常に高く、消費電力も大幅に減らすことができます。また、発熱が少なくて軽量かつコンパクトなため、PA用のパワーアンプとしても主流になりつつあります。




サウンドエンジニア 大内健司氏インタビュー

―9社のラインアレイPAシステムを1つの会場にセットするにあたっての工夫や苦労された点を教えてください。

大内:まずは、膨大な数のスピーカーを吊り上げる場合、会場の重量制限をクリアしないといけないわけですが、9社のシステムの重量を計算したところ、10トンにもなったんです。さらに吊り下げ用に製作したトラス構造の骨組み4台とモーターが加わります。またデモでは、一般の方にも楽しんでもらえる工夫として、本番中にスピーカーの上げ下げや、ケーブルの抜き差しなどの実践的なセッティングの様子を見れるようにして、「こんな風に付いているんだよ」とか、「こんな簡単にセットできるんだよ」といった裏方の作業も見ていただきたかったんですね。そのために重量制限をクリアできる平均値を出すのに苦労しましたね。

―その他に苦労した点は?

大内:通信システムの違いですね。AES デジタルやLANなどを使ったデジタル通信を利用してスピーカーを鳴らすケースがありますが、その通信システムが各社違っていて、どれも新しいシステムなので、プロセッサーを経由した各社のシステムをすべて把握する必要がありました。送信方法も各社で異なりますし、電源も膨大な量なんです。今までこんなに電源を使った経験はありません。9社で合計が約2800アンペアですよ(笑)。もちろん9社同時には使えませんが、今回のセッティングでは9社分用意しなければならなかったので、その規模の大きさに対応するのが一番難しかったですね。

大内健司氏

▲9社のラインアレイPAスピーカーシステムを設置した、サウンドエンジニアの大内健司氏