トップページ > アコギ本来の胴鳴りをリアルに再現できるプリアンプ&エフェクター ZOOM A3

(※)表記されている価格は2014年3月31日以前のものです   

アコギ本来の胴鳴りをリアルに再現できるプリアンプ&エフェクター

アコギを使ってライブや録音をする際、ピエゾPUやマグネティックPUを搭載したモデルを使うと、マイキングの必要がなくて何かと便利だが、ペチペチとした音になってしまい、アコギ特有のボディの響きまでは再現できない。そんな悩みを一気に解決してくれるのがズームの「A3」だ。その性能をプロギタリストとエンジニアに確かめてもらった。

ズームから新登場した「A3」はアコギ専用のプリアンプ&エフェクターで、ライン接続でもアコギならではの自然なボディ鳴りや空気感を再現することができる画期的なモデルだ。主要なアコギのボディタイプ(音響特性)が16種類内蔵されており、自分の持っているアコギと同じタイプを選ぶことで、そのモデルが本来持っている鳴りをライン信号に加えることができるのが最大の特徴となっている。

入力はピエゾPUとマグネティックPUのどちらにも対応しており、良質なマイクプリを搭載しているのでマイクをつなぐこともできる。これによりマイクとラインの両方の音をミックスしたり、ライブではボーカル用のマイクをつなげて弾き語りをするという使い方もいいだろう。また、出力も充実しており、XLRタイプのバランスアウトを使って直接PAミキサーに音を送れば、本機をDIとして活用することも可能だ。

エフェクターの充実ぶりも本機のセールスポイントで、アコギの音作りに欠かせない3バンドEQに加え、空間系を中心に40種類のアコギ用エフェクトが用意されており、2種類の同時使用が可能になっている。

さらに、「アンチフィードバック機能」を装備しており、ステージでアコギがハウリングを起こした時にスイッチを踏めば、自動で問題のある周波数を感知してハウリングを抑えてくれる。また、ソロを弾く時に最大12dB音量が上がる「ブースト機能」を搭載するなど、A3はすべてのアコギプレイヤーの要望に応える機能を網羅したモデルなのだ。

A3の主な機能

A3の主な機能

A3の基本操作方法

A3の基本接続法

A3は様々な機器を接続することができ、ライブとレコーディングのどちらのシチュエーションでも使うことが可能だ。

自分のアコギと同じモデルを選ぶ

ピックアップが搭載されたアコギをシールドでA3に接続したら、まずは自分のアコギと同じタイプのボディタイプを「ボディタイプ・セレクター」で選択する(右下の写真参照)。さらに、右の写真のように、自分のアコギと同じモデルタイプを選択することで、ライン接続でもそのモデルが持つボディの響きを再現できるようになるのだ。

なお、自分が持っているモデルと同じタイプがない場合は、なるべく近いものを選択すればいい。

ボディタイプの詳細

ピックアップとマイクを選ぶ

次に、本体のサイドにあるスイッチで、自分のアコギに搭載されているピックアップと同じタイプを、「ピックアップセレクト・スイッチ」で選択する。ちなみに、シールドはこのスイッチの右側にあるピックアップ入力端子に接続しよう。

あとは、どのタイプのマイクで収音したサウンドキャラクターにするかを選択すれば、基本的な設定はOKだ。

なお、マイクは写真のシュアSM57(ダイナミック)以外に、AKG C414とノイマンU87(共にコンデンサー)の3種類の設定が行える。

最後にエフェクターで調整する

基本設定が終わったら、最後に内蔵エフェクターを使って音色の調整を行なおう。エフェクターは本体にツマミが装備されているEQ以外に、40種類のアコギ用エフェクトが内蔵されているので、A3だけで高品位なサウンドメイクを行なうことができる。

なお、エフェクターは2種類の同時使用が可能だ。

エフェクトタイプの詳細

ズームA3音質検証レポート

マイクで録音した時と同じサウンドをライン接続でも再現してくれるのがA3の売りだが、その再現度を確認するために、マイクとラインで同時にレコーディングを行なってみた。

 

今回の試奏方法

今回はプロギタリストの野村大輔氏所有のピエゾPUが搭載されているマーティンD-28に、L.R.バッグスの「M1 Active」というマグネティックPUをセット。エンジニアのくぼつよし氏に依頼し、それぞれのピックアップの音と、シュアSM57で収音した音を同時にLogic Pro 9に録音してもらった。ピックアップからの出力は、A3→MOTU 828(オーディオインターフェイス)という順番で接続。SM57は一度ミキサーに接続してから、MOTU 828に送っている。なお、比較のためにA3を通さないラインの音も録音した。

 

エンジニアくぼつよし氏の感想

A3の音質はクリアで、自然なレスポンスが得られますね。SN比が非常に良くて、色付けのない明るい印象を受けました。EQの効きも良くて、特にミドルのツマミで太さやハイファイ感が瞬時に調整できます。

まずはマグネティックPUの出力とSM57をミキサーにつなげて同時に録りました。マグネティックPUの音は太くて抜けてきますが、空気感やボディの響きは乏しくて、弦だけが鳴っている感じですね(波形・参照)。

次に、マグネティックPUの出力をA3につなげてみたところ、ナチュラルな響きがプラスされて、音が「ボディとネックが鳴っている」という印象に変化しました。SM57と聴き比べてみると、楽器の響きやニュアンスはかなり近い印象を受けました。A3を通した音は、「適度な響きのある高級防音スタジオで、SM57を使って録った」という印象で、このボディ鳴りをプラスした音を自宅で録音するのは至難の業と言えますね(波形・参照)。

ピエゾPUでも試してみましたが、マグネティックPUよりも音の立ち上がりが早くて、しかもD-28特有のボディ鳴りが加わった音が録れました(波形・参照)。

A3は基本的にライブでの使用を想定した仕様になっていますが、アコギの生音を耳で聴いた感じでライン録音ができるという点で、宅録でもかなりの威力を発揮するでしょう。

ギタリスト野村大輔氏の感想

見た感じは「音がデジタルくさいのかな」と思ったんですけど、すごくナチュラルな音質だったので驚きました。マイクで録ったような自然な倍音の広がりが感じられて、家でのアコギの録音がとても楽になると思います。スイッチをオンにしても、アコギ本体の基本的な音色が変わらない点も気に入りましたね。プロの録音ではブースに入ってマイクを立てるのが一般的ですが、A3はブースがない現場とかでも使えると思います。あと、アンチフィードバック機能とブースト機能は、ライブで相当重宝しますね!

SPEC
●モデルタイプ:28 ●エフェクトタイプ:40 ●入出力端子:マイクイン、アウトプットL(ヘッドホン&ラインアウト兼用)、アウトプットR、バランスアウト、ピックアップイン、USB(ファームウェアのアップデート用) ●電源:付属ACアダプター、単三型乾電池×4 ●外形寸法:108(W)×160.3(D)×54.9(H)・ ●重量:630g(電池含まず)