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(※)表記されている価格は2014年3月31日以前のものです   

音楽制作に使える高音質イヤホンが欲しい!!

MP3プレーヤーやスマートフォン市場の拡大と共に、注目されているのが「イヤホン」だ。現在様々な機種が発売されているが、それらがリスニングのみならず、録音やミックスに使えるかどうかも気になるだろう。イヤホンを選ぶ際に知っておきたい知識とエンジニアによる試聴を交えながら、音楽制作に使える高音質イヤホンを紹介していこう。

イヤホンには「リスニング用」と「音楽制作向き」の2種類の製品がある

ひと口にイヤホンと言っても、ロックやポップス向けの音がハデなタイプから、ジャズやオーケストラの繊細な演奏の再生を得意とするタイプ、さらに最近流行の低音重視タイプまで、様々なサウンドキャラクターがある。

そんなイヤホンを大別すると、「リスニング用」と「音楽制作向き」の2種類が存在する。リスニング用は、一般的に音楽を聴いて楽しむのに適した音質になっていて、ボーカルパートが聴こえやすいように少し色付けがされていたり、ダンスミュージックが楽しめるように低域を持ち上げている製品などがある。また、周囲の騒音を抑える「ノイズキャンセリング」という機能が付いている製品も登場している。

それに対し、イヤホンの性能が向上するのに伴って登場してきたのが、「音楽制作向きのイヤホン」だ。こちらは、「音楽を楽しく聴く」ということよりも、左右のステレオ感や奥行き感、ヌケの良さなどが判断しやすいことや、色付けされていない音質であることが特徴となっている。さらに、遮音性に優れていることや、ミックス時の音質がチェックしやすいこともポイントと言え、音楽制作時のモニタリングに向いた仕様となっているのだ。

↑耳に直接挿し込んで使用するのでフィット感が良く、録音時の音漏れが少ない。また、ヘッドホンより軽いため、首に負担がかかりにくいという利点もある

↑サウンドが耳の奥にダイレクトに届くため、ヘッドホンよりも音量を上げずに済む。また、外部から不要な音が入りにくいので、楽器の素の音が確認しやすい

購入時に確認しておきたい6つのチェックポイント

形状は「インナーイヤー型」か「カナル型」か?

耳穴に引っ掛けて使うのがインナーイヤー型、耳穴に挿し込んで使うのがカナル型だ。音楽制作には、遮音性が高くてダイレクトに音が聴けるカナル型がオススメだ

構造は「密閉型」か「解放型」か?

発音部の背面が開いているのが開放型、閉じているのが密閉型だ。
開放型は音が伸びやかで耳が疲れにくく、密閉型は音漏れが少なくて細かい音まで確認がしやすい

「ダイナミック型」か「バランスド・アーマチュア型」か?

ドライバーの駆動方式のこと。ダイナミック型は低音再生に優れパワー感があり、バランスド・アーマチュア型は中高域の再現性に優れ、レンジが広くて解像度が高い

ドライバーの仕組みは?

ドライバーとは音を出す部分のことで、製品によっては帯域ごとにドライバーを分けて、よりワイドなレンジ感を得る仕組みを採用している機種もある。例えば、高域と低域のドライバーを搭載している「2ウェイ」(右図例:オーディオテクニカATH-CK90PROMK2)や、高域/中域/低域という3つのドライバーを搭載している「3ウェイ」(左図例:オーディオテクニカATH-CK100PRO)などだ

ケーブルの着脱や延長は可能か?

ケーブルを着脱できる製品(右写真)は、断線した時にケーブルを交換できるという利点がある。また録音時はケーブルの長さが必要なので、延長できると便利だ

どんなものが付属しているか?

製品によっては、交換用イヤーピースやソフトケースが付属している場合がある。また、耳汗をかきやすい人のために、クロスが付属しているモデルもある

「正しく装着する」ことがいい音で聴くためのポイント

基本的にイヤホンは、しっかりと耳穴に固定することで良い音が得られるように設計されている。特にカナル型の場合、耳穴に押し込むように装着して遮音性を高めることで繊細な音まで聴くことができるようになり、しっかりと固定することで音の明瞭さや低音の安定感が増す。また、正しく装着することで、余分な音の反射を防ぎ、スッキリとした音を聴くことが可能になるのだ。

逆に、間違った方法で装着してしまうと、左右の音のバランスが崩れたり、余分な空気感が入ってスカスカしたイメージの音になりかねない。自分の耳穴に合うサイズのイヤーピースを選び、しっかり押し込むようにして装着することが重要だ。

↑カナル型は耳栓のようにしっかりと耳に挿し込んで、動かないように固定させよう。遮音性を高くした状態で使用するのが基本だ

↑機種によってはイヤホンに角度が付いていて、ケーブルを耳に引っ掛けることで、より安定した装着感を実現しているものもある

↑イヤーピースには、ウレタン素材を使った低反発のものやシリコン素材のものなど様々なタイプがある。複数のタイプが付属している製品の場合は、最もフィット感のいいものを選ぼう

↑カナル型のイヤーピースは脱着が可能で、サイズを変更できるものが多いので、自分の耳の穴に最もフィットするサイズのものを使うようにしよう。フィット感でまったく音の出方が変わるので、これは非常に重要なポイントだ!

音楽制作に使える高音質イヤホンが欲しい!!

最新8機種のサウンドを徹底試聴

音楽制作向きのイヤホンというのは、どれほどの再生能力を持っているのだろうか。その音質や性能を検証するべく、エンジニアの飛澤正人氏にサウンドチェックを依頼した。今回は左の吹き出し内で説明している3つの再生環境で試聴を行なった。

飛澤 正人 とびさわ まさひと ドラゴン・アッシュや紗羅マリーなどを手掛ける敏腕エンジニア。生のバンドサウンドとブレイクビーツを、シームレスにミックスして創り上げる空間表現には定評がある。また、サウンドプロデューサー&アレンジャーとして、nothing ever lastというバンドのアルバム『silent melody』を手掛け、アーティストの感性と自らのイマジネーションを融合した世界を聴かせている。

力強いアタック感とスムーズな高域を実現

オーディオテクニカ ATH-CK100PRO

価格 ¥63,000

問:潟Iーディオテクニカお客様相談窓口
フリーダイヤル:0120-773-417 http://www.audio-technica.co.jp/

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低域、中域、高域の各音域専用の3ウェイ・トリプル・バランスド・アーマチュアドライバーを搭載し、各ドライバーをスムーズかつバランス良く連動させることにより、広い帯域に渡る美しい高音質再生を可能にしたモデル。チタンを使用したハウジングが音質劣化の原因となる振動を抑え、ヌケのいいクリアな再生音を実現する。

SPEC
●カナル型/密閉型 ●型式:バランスド・アーマチュア型 ●出力音圧レベル:109dB/mW ●再生周波数帯域:20〜18,000Hz ●最大入力:3mW ●インピーダンス:39Ω ●コード:1.2m ●付属品:ポーチ、収納ケース、シリコン・イヤーピース(S/M/L)、コンプライ社製フォーム・イヤーピース(1組)

頑丈そうなチタン製のハウジングと、ケーブルの接合部分がクルクルと回転するのが印象的な本機は、手にすると少し重みを感じ、ハウジング(発音部分)も大きめだ。

まず、一番のポイントはサウンドの力強さだ。全帯域で押し出すようなアタック感とスムーズに伸びる高域が印象的で、高域のリバーブ成分が透き通るようにとてもキレイに響く。そのためか、カラッと乾いた印象のサウンドカラーだ。5kHz近辺にやや色付けを感じ、ボーカルの“歯擦音”が気になる場面もあったが、定位感や音場の表現力は良好だ。

音質の傾向であるが、モニターコントローラーのAvocetで聴くと相性のせいか硬めな印象だったが、MacBook Proのヘッドホン端子に接続して聴くと、とてもバランスが良く、なかなかのパフォーマンスを示してくれた。

オススメの使い方としては、宅録環境での楽曲制作、特にダンスミュージック系の作品を作る際に能力を発揮してくれるだろう。たとえ接続する機器のヘッドホンアウトの性能がそれほど良くなくても、再生装置の出音を最大限良くしてくれる“スーパーな”イヤホンである。

装着感を確認!

このように耳に引っ掛けるように装着するのが基本だ。ハウジング部分が重めでやや大きかったので、ベストポジションに持っていくのに少しコツがいるかもしれない

定位感と解像度に優れた聴き疲れしない音

オーディオテクニカ ATH-CK90PROMK2

価格 ¥26,250

問:潟Iーディオテクニカお客様相談窓口
フリーダイヤル:0120-773-417 http://www.audio-technica.co.jp/

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原音に忠実なサウンドを獲得するため、低域ドライバーと高域ドライバーによる「デュアル・バランスド・アーマチュアドライバー」を採用。2つのドライバーを操作することで、低域から中高域まで途切れのない再生音を実現している。空気の振動が放射状に伝わるホーン形状の導管により、繊細な表現も可能にした。

SPEC
●カナル型/密閉型 ●型式:バランスド・アーマチュア型 ●出力音圧レベル:111dB/mW ●再生周波数帯域:20〜15,000Hz ●最大入力:3mW ●インピーダンス:37Ω ●コード:1.2m ●付属品:ポーチ、シリコン・イヤーピース(S/M/L)、コンプライ社製フォーム・イヤーピース(1組)
装着感を確認!

下向きで装着するのが基本だ。装着が簡単かつ軽量で耳への負担も少ないため、長時間装着しても疲れない

小型で軽量、かつ非常にシンプルなデザインが一見そっけない感じもするのだが、プロのモニター用に開発されたモデルということで、そのボディの中には驚くほどたくさんの最新技術が盛り込まれている。

音の傾向としては全体的に中域寄りな印象で、中低域はとてもよく引き締まっている。ダンス系、ロック系共にスネアのアタック感が小気味良く聴こえ、リバーブの伸び方も美しく響く。定位感も良く、解像度も高い。スーパーローが控えめで、中域寄りではあるが、聴き込むほどに慣れて聴きやすくなるモデルであり、そのうえ聴き疲れしないのが本製品の魅力である。

関連モデル

オーディオテクニカ ATH-CK70PRO 価格 ¥18,900

問:潟Iーディオテクニカお客様相談窓口
フリーダイヤル:0120-773-417 http://www.audio-technica.co.jp/

「シングル・バランスド・アーマチュアドライバー」により、原音に忠実で締まりのある低域と艶のある中高域を再生するモデル。空気の振動が放射状に伝わる導管を採用し、音の伝搬能力を向上させることで再生音をロスなく伝え、繊細な表現も可能にした。イヤーピースは体温によって柔らかくなり、耳の内側に圧迫感なく密着する素材を採用。装着方法は下掛けがオススメだ。

SPEC
●カナル型/密閉型 ●型式:バランスド・アーマチュア型 ●出力音圧レベル:106dB/mW ●再生周波数帯域:20〜15,000Hz ●最大入力:3mW●インピーダンス:42Ω ●コード:1.2m ●付属品:ポーチ、シリコン・イヤーピース(S/M/L)、コンプライ社製フォーム・イヤーピース(1組)

リズムレコーディング時の音決めに最適

ゼンハイザー IE80

価格 オープンプライス(市場予想価格:¥37,800前後)

問:ゼンハイザージャパン
TEL:03-6406-8911 http://www.sennheiser.co.jp/

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ゼンハイザーが徹底して開発を進めるダイナミック型イヤホンの究極形。ハウジングトップにアルミプレートを採用し、優れた音の表現力と臨場感を併せ持つ。音質調整機能を搭載しており、再生する音楽の傾向に合わせて低音の量感をコントロールすることができる。クリーニングツールが付属しているのもうれしい点だ。

SPEC
●カナル型/密閉型 ●型式:ダイナミック型 ●出力音圧レベル:125dB/mW ●再生周波数帯域:10〜20,000Hz ●インピーダンス:16Ω ●コード:1.2m●付属品:キャリングケース、イヤーアダプター(標準=S/M/L、ラメラ=S/M/L、ウレタン=S/L、モールド=S/L)、イヤーフック、ケーブルクリップ、クリーニングツール

四角い独特の形状はデザイン性に優れ、見るからに“いい音がしそう”な感じで、実寸128cmのケーブルも柔らかくて取り回しがしやすい。下で紹介している上位機種のIE800と比べると全体的に中低域寄りの印象だが、とても豊かな低音がサウンド全体を包んでいるような感じだ。

このIE80のハウジングトップには、イヤホンでは珍しい低音の量感を増加させるツマミが付いているのだが、一番絞った状態でも十分な低音が出ていたので、あえて上げる必要がなく、どんなジャンルでもおおむねバランス良く再生してくれた。低域が充実している分、奥行き感と高域成分がもう少し欲しいと感じたが、定位感や音の分離はなかなかいい。とても小気味良いアタック感と音が前にある感じが素晴らしく、中低域のまとまりも非常にいいので、リズム録りの時のドラムやベースの音決めにぜひ使ってみたいと思った。

また、MacBookからのiTunesの音源も、とてもアタッキーで心地良く響いた。インピーダンスはIE800と同じ16Ωだが、IE80の方が音量が大きいため、iPodなどの携帯プレイヤーでも最高のパフォーマンスを発揮してくれるだろう。

装着感を確認!

ベストポイントに導きやすい形状になっていて、とても装着しやすい。耳の形にスッポリと収まる感じで、耳への圧迫感はほとんどなく、長時間の使用にも耐えられそうだ

“音が目の前にある感じ”に聴こえる新鮮な感覚

ゼンハイザー IE800

価格 オープンプライス(市場予想価格:¥73,500前後)

問:ゼンハイザージャパン
TEL:03-6406-8911 http://www.sennheiser.co.jp/

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ゼンハイザー製イヤホンのフラッグシップモデル。電気信号を音に変換する7mm XWBトランスデューサーは主にハンドメイドで、コンパクトで超軽量ながら、今までの最高峰イヤホンの音質を上回る性能を実現した。イヤーカナルからの共鳴を相殺する新たな技術「D2CAテクノロジー」(現在特許出願中)も採用されている。

SPEC
●カナル型/密閉型 ●型式:ダイナミック型 ●出力音圧レベル:125dB/mW ●再生周波数帯域:8〜41,000Hz(−3dB)/5〜46,500Hz(−10dB) ●インピーダンス:16Ω ●コード:1.2m ●付属品:キャリングケース、イヤーアダプター(標準=S/M/L、オーバル=S-M/M-L)、クリーニングツール

洗練されたフォルムもさることながら、パッケージやキャリングケースからも高級感が漂う。シリコンイヤーピースにフィルターが付いているため、本体側のメタルガーゼを清潔に保てるのもポイントだ。音質の傾向は高域の伸びが鋭く、どこまでも伸びていく印象だ。全体的なバランスも良く、ローエンドもかなり下の方まで見える。エコーの広がりやツブ立ちもハッキリとわかり、定位感、奥行き感共に申し分ない。

ミックスで使用してみた感じでは、キックとベースの混じり合うところの処理がしやすく、中高域のレスポンスもとてもいいため、音決めにも使えそうだ。“音源が目の前にある感じ”に聴こえたのは新鮮な感覚で、リズム録りをした時の部屋の状態もわかるほどに再現能力にも優れている。

また、MacBookのイヤホン端子に直接つないでも十分な音量が得られたので、どんな環境でもワンランク上の音作りができるだろう。空間がよく見えるので、家でスピーカーを鳴らせない人には特にオススメだ。軽量だが、ケーブルの実寸が108cmと短く感じる点は注意が必要。しかし、ミックスを含め、リスニング全般で力を発揮できるポテンシャルを持っている。

装着感を確認!

小さくてシンプルな形状のため、耳栓をするような感覚で装着できる。フィット感も良く、長時間の使用にも耐えられるが、激しい動きをするとズレてしまうこともあるので注意

情報量が多くてEQの効果が明確に見える

シュア SE215

価格 オープンプライス(市場予想価格:¥8,500前後)

問:潟Iールアクセス
TEL:052-443-5537 http://allaccess.co.jp/

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ダイナミック型マイクロドライバーを搭載し、暖かみのあるサウンドを生み出すシュアSEイヤホンシリーズのエントリーモデル。ダイナミック型ユニットの背面に音響抵抗スクリーンを配置し、上位機種にも使われているケブラー素材のケーブルを採用している。何と言ってもコストパフォーマンスの高さが光る。

SPEC
●カナル型/密閉型 ●型式:ダイナミック型 ●出力音圧レベル:107dB/mW ●再生周波数帯域:22〜17,500Hz ●インピーダンス:27Ω ●コード:1.62m(脱着可) ●付属品:キャリングポーチ、ソフトフォーム・イヤーピース(S/M/L)、ソフトフレックス・イヤーピース(S/M/L)、クリーニングツール

試聴したのはクリアタイプで、透明なボディから中のユニットが透けて見えるのだが、とてもシンプルな内部構造だ。ボディの大きさのわりに軽くて装着感もいい。

豊かな低域と、程良く出ている中域から高域にかけてのバランスがとても良く、全体的にバランスが取れたイヤホンである。見た目のシンプルさとは逆に、サウンドの情報量はとても多く感じた。特に低域の再生能力に長けていて、キックとベースの混じりがとても心地良い。リバーブの広がりや奥行き、音場もよく表現できていて、1万円を切る価格で買える製品とは思えないほどの音の仕上がりだ。

録りというよりはミックス向きで、20〜30?HzをEQ処理した時の変化もよく見えるので、部屋をあちこち動き回って低域の出具合の違いを確認しなくて済むのがうれしい。リズムセッションの音決めも違和感なくできそうだが、欲を言えばスネアやギターなどが占めてくる2〜3kHzあたりの押し出しとスピード感が欲しいところだ。

また、MacBookからの音源も十分なパフォーマンスで再生してくれたので、リスニングのみならず、宅録でのミックスでも力を発揮できるだろう。

装着感を確認!

次に紹介する同社のSE535よりも若干大きめのボディサイズなのだが、装着してしまうと十分に遮音されている安心感があり、重さも圧迫感も感じられなかった

眼前に迫ってくるようなクッキリした再生音

シュア SE535

価格 オープンプライス(市場予想価格:¥38,000前後)

問:潟Iールアクセス
TEL:052-443-5537 http://allaccess.co.jp/

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プロミュージシャンが自分のパフォーマンスを大音量のステージでも確実にモニターできるように開発された製品で、3基のバランスド・アーマチュア・ドライバーを搭載。イヤーパッドの遮音性能が高く、周囲の雑音を最大37dB遮断できる。ケブラー素材のケーブルは耐久性に優れ、脱着式なので自分好みのものに交換が可能だ。

SPEC
●カナル型/密閉型 ●型式:バランスド・アーマチュア型 ●出力音圧レベル:119dB/mW ●再生周波数帯域:18〜19,000Hz ●インピーダンス:36Ω ●コード:1.62m(脱着可) ●付属品:キャリングケース、6.3mmアダプター、レベルコントローラー、航空機内用アダプター、ソフトフォーム・イヤパッド(S/M/L)、ソフトフレックス・イヤーピース(S/M/L)、イエローフォーム・イヤーピース(1組)、トリプルフランジ・イヤーピース(1組)、クリーニングツール

見た目はゴツくて重厚な感じなのだが、手にしてみると意外と軽くて、本体とつなぐコネクタ部分が360度自由に回転するため、装着がしやすい。イヤーピースは市販の耳栓に近い感覚で、指で潰してから耳穴に入れれば、どんな耳の形状の人にもフィットするだろう。ケーブルが実寸で160cmと長いので体も動かしやすい。

中低域のまとまりが良く、ウォームでありながら欲しいアタックはしっかり出ている。800Hz〜2、3kHzぐらいの押し出しが強く、スネアやギターなどは眼前に音が迫ってくる感じだ。プレイヤー向けに開発されているだけあって、ドラム、ベース、ギターそれぞれの音がクッキリと前にあり、レスポンスもとてもいい。また、遮音性能がかなり良くて、演奏を録音するのに最高のモニター環境が作れる。逆に外を歩きながらの装着は危険なので注意しよう。

定位感も良く、楽器同士が分離し過ぎず音楽的なバランスを持っているため、リズム録りでも十分に使える。奥行きや空間表現は少し苦手な感じだが、MacBookからの再生音もとても明るい元気な音で響いた。レコーディングでも力を発揮する、聴いていて楽しくなるイヤホンだ。

装着感を確認!

コンパクトなボディで、耳にとてもよくフィットする。曲がり具合を保持することができるワイヤー部分を耳にかけると、激しく動いても決してズレることはないだろう

ヌケの鋭い高域から超低域までしっかり再生

アトミック・フロイド PowerJax+Remote

価格 ¥14,800

問:フォーカルポイント
TEL:03-6447-2987 https://www.focal.co.jp/

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2008年にイギリスで誕生したアトミックフロイドの新製品。13.5mmのダイナミック型ドライバーを搭載し、歪みのない鮮やかな音を響かせる。iOS及びAndroid端末に互換性を持つマイク付きリモコンを装備(Androidは再生とポーズに対応)しているが、パッと見では、リモコンに気づかないほどスマートなデザインだ。

SPEC
●カナル型/密閉型 ●型式:ダイナミック型 ●出力音圧レベル:96dB/mW ●再生周波数帯域:20Hz〜20,000Hz ●最大入力:100mW●インピーダンス:16Ω ●コード:1.2m ●付属品:キャリングポーチ、シリコン・イヤーピース(S/M/L)、※3ボタン式マイク付きリモコン

個性的なデザインのステンレススチール製のボディと、赤いロゴやケーブルのコントラストが目を引くモデル。角度の付いたイヤーピースを鼓膜に向けてネジリ込み、ボディを耳のくぼみにスッポリ収める感じにするとベストなポジションになる。

音質は硬い印象で、4〜5kHz付近に色付けを感じた。人によっては“ボーカルの歯擦音”が痛く感じるかもしれないが、高域のヌケは非常に鋭い。一方、30?Hzあたりのスーパーローもしっかりと再生される。定位感や音像もよく表現できており、高域のリバーブの残響などはかなりクリアに伸びていく感じだ。ただし、このモニター音に合わせてそのまま音作りをしてしまうと、高域がヌケない仕上がりになることがあるので、その点は考慮したい。

MacBook Proでのモニタリングでも高域の印象は同じで、色々なジャンルのサウンドを聴いた中で一番相性が良かったのがダンス系の音楽だ。ドンシャリサウンドが好きで、大音量で音楽を楽しみたい人には向いているだろう。ちなみに、ケーブルに付いているコントローラーはMacBook Proのボリュームや、iTunesのスタート/ストップにも対応している。

装着感を確認!

ケーブル部分の重みを多少感じたが、しっかりと耳にフィットさせればズレてくることはないだろう。イヤーピースのサイズがピッタリ合えば、装着も比較的容易に行なえる

繊細な強弱を描き切る高級機並の再生能力

クリプシュ Image X5

価格 ¥29,800

問:潟Cーフロンティア
http://www.klipsch.jp/

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装着していることを忘れてしまうほど軽量で小型なモデル。酸化皮膜処理が施されたアルミ製ボディは、高い耐久性と同時に遮音性を高める効果も持つ。ボディとケーブルをつなぐ黒いテール部分は自由に可動し、ケーブルの気になるタッチノイズを軽減させている。また、耳にフィットするイヤーピースが5セット付属する。

SPEC
●カナル型/密閉型 ●型式:バランスド・アーマチュア型 ●出力音圧レベル:115dB/mW ●再生周波数帯域:10〜19,000Hz ●インピーダンス:50Ω ●コード:1.25m ●付属品:キャリングポーチ、航空機室内用アダプター、イヤーピース(シングルフランジ=S/M/L、ダブルフランジ=S/L)、クリーニングツール

流線型のシャープなデザインは、とても理にかなった形状で、「なぜ今までこの形がなかったのか」と不思議な感じさえする。小さめのイヤーピースは耳に吸い付くように簡単にフィットし、違和感がない。

Avocetからモニタリングしてみると、「この細いボディからどうしてこんなに低音が出るのか」と思うぐらい低域が豊かに響いた。200〜300Hzあたりが少し膨らんでいる感じだが、中域も適度な押し出しがあり、高域もキレイに伸びているので、決して邪魔にならない。解像度が高くて全体的にとてもクリアな印象だ。奥行きや臨場感はもう少し欲しいが、クラシックの繊細な強弱を見事に描き切るレスポンスの良さを持っており、一段階上の高級機のような再現性能を見せてくれた。

録りよりはミックスに向いている感じで、特に低域の40〜200Hzあたりがよく見えるので、スピーカーから出てくる音を定位置で聴いただけではわからない邪魔な帯域の処理がしやすかった。

MacBookからの音は全体にフラットな印象で、ロック、ポップス、ダンスのどれを聴いても心地良く、長時間聴いていても疲れないモニターイヤホンだ。

装着感を確認!

シャープな形状になっていて耳に真っすぐ入るため、とても装着がしやすかった。装着感はとても軽く、耳栓をしているような感覚でモニタリングができるのがうれしい

覚えておきたいスペックの見方

再生周波数帯域(Hz)

再生することができる周波数帯域(低域から高域まで)の広さを数値的に示したもの。数値の幅が広いほど、低域から高域までを幅広く再生できる。数値はあくまで目安だが、購入する際の参考にするといいだろう

出力音圧レベル(dB/mW)

オーディオプレイヤーなどからの一定の電力に対して、イヤホンから出力される音の大きさを数値で示したもの。この数値が大きいほど、接続する再生機器側の出力が小さくても大きな音量を鳴らすことができる

最大入力(mW)

電力をどれくらいまで入力することができるかを表わしたもの。表記されている数値までの入力には耐えられるが、この値を超える電力が入力された場合、イヤホンに不具合が発生する恐れがあるので気をつけよう

インピーダンス(Ω)

信号(電流)に対する抵抗値のことで、この値が低いほど信号を受ける能率が高くなり、高いほどノイズに強くなる。また、接続する機器の出力インピーダンスと近い数値であるほど、無理なく信号を伝えられる

遮音性(dB)

音を再生した時に、どれくらい音漏れが少ないかという遮音性能を数値で示したもの。マイナスの数値が高いほど遮音性能も高いということになるが、実際にはこの数値を記載しているメーカーは少ない