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(※)表記されている価格は2014年3月31日以前のものです   

今、試してみたい防音&吸音ギア

プロミュージシャン(CUTT)がヤマハACP-2の効果を実感!部屋を宅録に最適な音響に整えるヤマハの新しい調音パネル「ACP-2シリーズ」

自宅に築いたプライベートスタジオで日夜理想の音楽を追い求め続けているミュージシャン、CUTT。彼のプライベートスタジオには、以前からヤマハの調音パネル「TCH」が設置されている。今回は、ヤマハで調音パネルの販売推進を担当している西尾祐二氏に協力してもらい、CUTT宅に同社の新しい調音パネル「ACP-2シリーズ」を持ち込み、それを試してもらって使用感について語ってもらった。

吸音のやり過ぎは良くないということに気がついた

──まず、プライベートスタジオの吸音をする際に、CUTTさんが何かこだわっていることはありますか?

CUTT:自宅とスタジオを兼ねているので、あまり吸音をし過ぎない環境を作ることですね。くつろいで気軽に作業ができつつ、高いレベルの音が作れる部屋を目指しています。

──部屋を吸音し過ぎると、どうなるのでしょうか?

CUTT:以前、吸音材を壁にギッシリ貼り付けて、床には吸音カーペットを敷いて、部屋全面を吸音材にしたことがあるんです。でも、その部屋はギスギスした音響で、逆に作業がしづらくなってしまったんですね。その失敗から、吸音のやり過ぎは良くないということに気がつきました。そんなわけで今使っている部屋は、これまでのどの部屋よりも吸音材が少なくて、モニタースピーカーの背面にヤマハのTCHを2枚置いているだけなんです。その結果、部屋の響きは自然なまま、程よく空気感があるスピーカーの音が聴ける環境になりました。今は、この調音パネルがボクの作品の音質を決める重要な要素になってますね。

──ヤマハの調音パネルを導入してから何が変わったのか、もう少し詳しく教えていただけますか。

CUTT:この調音パネルを導入したのは、ボクが初めてのソロアルバムをミックスしていた時期で、特にシビアにモニタースピーカーの音を聴きたい時だったんです。調音パネルをスピーカーの背面に置いたところ、高音のツブがキレイに聴こえるようになると同時に、低音が締まって音の輪郭と定位感がハッキリ聴こえるようになりました。車でいうと、フロントガラスの曇りが取れて遠近感が明確になって、視界が広がったようなイメージです。

──調音パネルを導入したことで、不要になった機材もあったそうですね?

CUTT:自宅のプライベートスタジオだと、モニタースピーカーと壁の距離が近くて125Hz近辺の低音が回りやすかったんです。なので、調音パネルの設置前は、モニタースピーカーの音を部屋に合わせて整えてくれる機材を使っていたんですが、設置後は使う必要がなくなりました。調音パネルを置いた途端に低音の回りが少なくなって、聴きやすい音になったんです。あと、小さい音でもしっかり聴こえるようになったので、ミックスダウンの仕事で「音に奥行きが出てきたね」って言われるようにもなりましたね。この調音パネルは、スペックでは表わせない、感覚的な気持ち良さが得られるので、すごく気に入っています。無理くり吸音して作られたデッド過ぎる部屋では無理だった「何気なく音楽を流していても心地よい、くつろぎながら作業できる環境」が出来たので、格段にスタジオの居心地が良くなりましたね。

CUTT

X JAPANのhideに見出されたオルタナティブ・ロックバンド、shameのフロントマンとしてデビュー。優れたポップ感覚と哲学的な歌詞が評判を呼び、その後もORCAやEVERYTHINGMUST PASSなどで活躍。2011年よりソロプロジェクト「CUTT」として活動をスタートさせ、アルバムをリリース。2012年は女性芸人のいとうあさこが所属する劇団「山田ジャパン」にて役者デビューを果たし、初主演公演を成功に収めた。最近はニコニコ生放送にはまっており、毎日のように放送を行なっている。

最新アルバムNot So Far From Anywhere

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ACP-2で部屋の音響のキャパシティが上がった

──それでは、今回CUTTさんに試していただいた新発売のACP-2シリーズについて、ヤマハの西尾さんにお聞きします。これは従来の調音パネルとはどこが違うのですか?

西尾:CUTTさんが現在使っているTCHは、サイズが60‌cm×90‌cm、厚みが2・8‌cmで、新発売のACP-2は、サイズは58‌・7‌cm×120cm、厚みが2・9cmと、30‌cmほどロングサイズになっています。それと、付属のスタンドを付けて床に自立させることもできます。考え方や構造は従来のTCHと同じで、10本の筒がボード内に入っていて、その筒の長さと穴の位置で共鳴する周波数をそれぞれ変えることで、グラスウールやスポンジなどの吸音材では得られない、自然な吸音と音の拡散が行なえるようになっています。しかも、ACP-2はTCHより筒が長くなっていまして、空気層を多く取ることで、低い周波数まで調整することが可能となっています。その結果、よりわかりやすく効果を確認することができるようになっているんですね。用途としては、オーディオルームに設置したり、生ピアノやギターの演奏や収録にも使えますし、もちろん宅録ではモニター環境の向上が図れます。TCHは125Hzから4kHzの周波数帯域でほぼ平坦な周波数となりますが、ACP-2はそれよりも低い周波数まで調整できます。

──CUTTさんは、実際に新製品の効果を体感してみていかがでしたか?

CUTT:まずACP-2を背面に設置した状態で、ヤマハのMSP5というモニターを鳴らしてみたんですが、特に低音の締まりを感じましたね。言い換えれば、「いつもより低音が少ない」という印象を受けました。実は今まで、モニタースピーカーのEQ調整でハイとローを下げていたんですが、下げていたEQをフラットに戻したら、ちょうどいい低音が得られましたね。このACP-2のおかげで自分の部屋でスピーカーをフラットな状態で使えるようになったので、とても気分がいいです。あと、リスニングポイントの後ろにもACP-2を置いて、いつもと同じ音量でスピーカーを鳴らしたんですが、音量と音場が小さくなった印象を受けたので、試しにスピーカーの音量を上げてみたんです。今までは音量を上げ過ぎると部屋の影響を受けて音が暴れてしまっていたんですが、設置した後は音が飽和しなくなって、部屋の影響を受けない自然な音で鳴ってくれました。これはまさに部屋の音響キャパシティが上がったと言えます。

──アコギの弾き語りも試したとか?

CUTT:ギターは弦一本一本の音がよりリアルに聴こえるようになりましたし、歌は自然な響きで歌いやすくて、自分の好きな2〜3kHzあたりの声の帯域が強調されたイメージで、歌っていてとても気持ちいいと感じました。特にACP-2に向かって演奏することで音が散らされて、普通の壁や吸音材とは違う、気持ちいい自然な反射音が得られて明瞭度も増しました。

──最後に、これからACP-2を使って試してみたいことはありますか?

CUTT:ボーカルを録る時に吸音フィルターのような使い方をしたら、いい感じのデッド感とダイレクト感で録れそうな気がするので、期待しています。宅録で生楽器を録るニーズはサンプリング音源の普及で随分減っていますが、音源では代用が利かないボーカル録りこそが、今は重要になってきていると思います。その声を宅録でどう録れるかを、この調音パネルを使って試してみたいです。

写真左が、ヤマハ褐ョ盤営業部アビテックス推進室の西尾祐二氏

アコギと歌の響きをパネルの前で確認しているところ。「弦一本一本の音がよりリアルに聴こえるようになり、歌は自然な響きで歌いやすくなった」と好印象だった

ヤマハ調音パネルTCH

問:調音パネル
お客様相談窓口 TEL:0570-055-808
http://jp.yamaha.com/products/
soundproofing/

調音パネルTCHは、「吸音効果」と音の「拡散効果」をバランス良く調整することができるという製品だ。これを部屋の角やモニターの背後といった、余計な音が溜まりやすいところに設置するだけで音響特性が向上し、原音に忠実で定位が明瞭なモニタリングが可能になる

SPEC

●外形寸法:60(W)×90(H)×2.8(D)cm
●重量:約4.3kg/1枚( 本体重量) ●制御周波数:125〜4,000Hz

CUTTがモニタースピーカーの裏に設置していたTCH。これを置いただけで、低域から高域までの音のバランスがかなり良くなったという

もともと設置されていたTCHを、届いたばかりのACP-2に交換。上の写真のTCHと比較すると、タテに30cmほど長くなっているのがわかる

ヤマハ調音パネルACP-2シリーズ

インタビュー中でCUTTも絶賛した調音パネル「ACP-2シリーズ」は、楽器を鳴らす部屋の響きの量と周波数バランスを整えてくれる調音パネルだ。特にピアノの背面に立てるか下の床に敷くと余計な色付けがなくなり、楽器本来の音色を引き出してくれるため、気持ち良く演奏することがができる。製品のラインナップは、部屋の雰囲気に合わせて選べるように、シンプルな化粧材のACP-2 WH(ホワイト/写真左)、高級感のある化粧材で仕上げているACP-2 MB (ブラウン/写真中央)とACP-2 MN (ナチュラル/写真右)の3種類が用意されている

SPEC

●外形寸法:58.7(W)×120(H)×2.9(D)cm ●重量:約5.2kg/1枚(本体重量) ●制御周波数:80〜4,000Hz