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(※)表記されている価格は2014年3月31日以前のものです   

自宅でのギター録音のクオリティを劇的に向上させる小型オールチューブ・アンプヘッド!

ギターならではトーンを最大限に発揮してくれるチューブアンプ。しかし、そのチューブアンプを宅録の環境で活用するのには、音量やサイズなどの点で様々な問題が出てくる。そんな時にオススメしたいモデルが、ブラックスターから発売されている「HT-1RH」だ。オールチューブでありながら、キャビネットなしにヘッドだけで迫力のサウンドをライン録音することができ、サイズがノートパソコンと変わらないので、まさに自宅でギターを録音するのには最適のモデルだ。それでは早速この「HT-1RH」を宅録環境で活用する方法と、ギタリストの三代 堅氏による試奏チェック。そして「HT-1RH」のオススメのサウンドセッティング紹介していこう。

HT-1RHの機能

HT-1RH機能図

※注:片側がステレオのTRS 標準フォーンプラグで、もう一方がL とR の2 つの標準フォーンプラグに分かれているステレオケーブル

それではまず始めに、「HT-1R」の特徴を音質面から紹介していこう。本機は幅が約30 cm というコンパクトなサイズでありながら、オールチューブ仕様(パワー管= ECC83、プリ管= ECC82)となっており、スペック上の出力は1W だが、同社の大出力のモデルと変わらない艶と迫力のある、チューブアンプならではの存在感を表現してくれる。シンプルな1 チャンネル仕様だが、オーバードライブスイッチを独立して装備しているため、実質クリーン/ドライブの2 チャンネルのアンプとして使用することが可能だ。 本機の音質を説明するうえで忘れてはならないのが、「EQ(ISF)」コントロールだ。このツマミは、低域〜中域〜高域の各帯域を相互に作用させながら音質を可変させるという、同社が特許を取得している技術で、たんにトーンが変わるだけでなく、センター位置から右に回せばダークで湿った感じのUK サウンドに、左に回せば明るくて乾いた感じのUSA サウンドに変化してくれる。

さらに本機は、ステレオ仕様のデジタルリバーブを装備している。音色はデジタルリバーブにありがちなイヤなエッジ感がなく、ギターサウンドに非常に良くなじむようにプリセットされている。このあたりは、ギターアンプ・メーカーならではの絶妙な味付けだ。

ここからは本機が宅録環境に最適な理由と、録音した際の音質を紹介しよう。まず第1の理由は、スピーカーエミュレーテッド・アウトを装備し、キャビネットから出力された本物のギターアンプならではの音質と空気感を、ライン録音でも簡単に得ることができるという点だ。第2の理由は、キャビネットに接続しなくても、ヘッド単体だけで使用できるので、上の写真のように、コンパクトなデスクトップでのDAW 環境でも邪魔にならずに導入できるという点だ。ちなみに、通常のチューブアンプ・ヘッドは、キャビネットに接続しないで鳴らすと本体が壊れてしまう可能性があるので、本機と同じセッティングはしないように気をつけよう。

さらに、スピーカーエミュレーテッド・アウトが、内蔵のデジタルリバーブに対応したステレオアウト仕様になっているという点も重要なポイントだ。
モノラルアウトにして真空管アンプのダイナミックなサウンドを録音し、ステレオアウトにして内蔵のデジタルリバーブを活かした広がり感のあるサウンドで録音するという、2 種類の録音方法を選ぶことができるのだ。

宅録でのHT-1RHの基本セッティング図

今回の試奏ではモノラルとステレオの両方で試してみたが、モノラルでDAWソフトに録音してみた感想としては、とてもラインで録音したとは思えない、暖かみのある太い音とピッキングのニュアンスを得ることができた。これは、エミュレーテッドアウトが優れているだけでなく、アンプ本来のサウンドが優れているからに他ならない。

次に、リバーブを軽めにかけてステレオ録音してみたが、自然な広がり感がありながらも、チューブアンプならではのコシのあるサウンドが録音できた。1つのアンプで異なるサウンドバリエーションを得られるのは非常に便利だ。

本来なら、アンプ録音にはキャビネットやマイクが必要だったり、スピーカーシミュレーターなどを通して録音機器に接続しなければいけないが、本機ならば、ライン録音で本物のアンプの厚みのある音が1台で録れるのだ。

ギタリストの三代堅がHT-1RHを徹底チェック!

ライン録音でもHT-1RHは空気感があって太い!

三代堅

チェッカー=三代 堅 作/編曲家、ギタリスト。アレンジャーとしてTETSU69 やanemone などを手掛け、ギタリストとしてBUCK-TICK の櫻井敦司などのライブをサポート。なお、近年では清春(黒夢)の一連の作品を手掛けており、ツアーにも参加している。

このモデルはこんな人にオススメ!

宅録でチューブアンプのサウンドを手軽にラインで録りたい人

クリーンからクランチ、歪みまで素早く幅広いサウンドメイクをしたい人

 

今回は、フェンダー・ストラトキャスターとジャズマスターをHT-1RH に接続して、スピーカーエミュレーテッド・アウトからデジデザイン003 Rack(オーディオインターフェイス)に直接つなげて、Pro Tools に録音して試しました。それと、実際にスタジオでオレンジのヘッドとマーシャルのキャビネットを鳴らしてマイクで録ったトラックがあったので、その音とも比較しています。(写真参照)

@がアンプシミュレーターのトラック、Aがオレンジのヘッドとマーシャルのキャビネットの組み合わせをマイク録りしたトラック(マイクはシュアSM57 とロイヤーR101)、BがHT-1R Head のトラックで、三代はこの3 つを比較してチェックした

まず、音の立ち上がりがチューブアンプらしい感じで、プラグインのアンプシミュレーターと比較すると、HT-1RHは空気感があって太いですね。ポイントは「ISF」というオリジナルのEQ ツマミで、これの効きがとても良くて、キャラがガラッと変わるのがいいです。右に回すとブリティッシュ、左に回すとアメリカンなサウンドになるんですが、右に回した時にはオフマイクのようなふくよかなサウンドになるし、左に回すとオンマイク的な要素が強調される印象を受けました。なので、このISF ツマミを、オンマイクとオフマイクの2 本のバランスを調整するような感覚でも使えると思います。

音色のバリエーションは、エフェクターが必要ないほど幅が広くて、特にクランチがいいと思いましたし、どの音色にしてもピッキングのニュアンスがきちんと出てくれるのが印象的ですね。歪みがとてもナチュラルで、オレンジのヘッドとマーシャルのキャビで録ったトラックと聴き比べてみても、遜色がないのには驚きました。もっと時間をかけてEQ の設定を細かく追い込めば、ほとんど同じような音になるレベルです。

アンプシミュレーターだと耳に張り付く感じの音になってしまいますけど、このHT-1RH はオケ中に入れても音ヌケがいいし、本当に優秀なアンプだと思います。あと、録音した後に音質を変えたくなることもあるので、欲を言えば、素のラインの音も同時に出せれば言うことなしですね!

オススメのサウンド・セッティング

それでは最後にHT-1RH を使って録音する際のオススメ設定を紹介しよう。

U2 風UK ドライブサウンド

「ヴァーティゴ」(『ハウ・トゥ・ディスマントル・アン・アトミック・ボム』収録)のリフサウンドをシミュレート。トレブルとミッドが特徴的なドライブサウンドで、オールチューブ仕様の本機だからこそ出せる、「ピッキングの強弱」をうまく使って、歪み具合を変化させよう

 

ステレオフォニックス風UK クランチサウンド

「スーパーマン」(『ディケイド・イン・ザ・サン』収録)のバッキングサウンドをシミュレート。トレブリーな“ゴリ”&“ザクッ”としたキメの粗いクランチサウンドで、EQをセンターから少しだけUK側(6くらい)にして、音ヌケの良いブライトさを強調している

 

ビートルズ風UK クリーンサウンド

クリーンサウンドは、UKを代表するビートルズのサウンドをシミュレート。クリーンチャンネルでボリュームをフル10にしたら、ゲインを5〜6の間で調整して、音の太さを整えよう。ゲインを5から少し動かすだけでも芯の太さが急に変化するので注意しよう

 

コールドプレイ風UK リバーブサウンド

「イエロー」(『パラシューツ』収録)のバッキングサウンドをシミュレート。トレブリーなサウンドながらも、ピッキングの強弱でクリーンからクランチやオーバードライブまで変化させることができる。デジタルリバーブを8まで上げると高域がさらに艶やかになる

 

ボン・ジョヴィ風USAドライブサウンド

「イッツ・マイ・ライフ」(『クラッシュ』収録)のバッキングサウンドをシミュレート。この曲の芯が太くてサスティンのあるオーバードライブ〜ディストーションの歪みは、ロック〜ハードロック系の王道サウンドだ。チューブアンプならではのミッドレンジの心地良さはバツグンだ

 

グリーン・デイ風USAクランチサウンド

「マイノリティ」(『インターナショナル・ スーパーヒッツ!』収録)のバッキングサウンド。ピッキングの強さで歪み具合が変わるセッティングだ。トレブリーながらも低域をしっかりと残したクランチサウンドにしたいので、EQをあえてUK側に設定しているのがポイント

 

マルーン5風USAクリーンサウンド

「ディス・ラヴ」(『ソングス・アバウト・ジェーン』収録)のクリーンカッティングをシミュレート。音ヌケがいいハイミッドに特徴を持つサウンドなので、トレブリーさをEQで調整する。リバーブを上げていくとさらにトレブリーさが増すが、音ヌケが悪くなるので注意しよう

 

イーグルス風USAリバーブサウンド

最後は名曲「ホテル・カリフォルニア」の裏拍のカッティグパターンをシミュレート。トレブリーでアンサンブルに埋もれないクリーンな音質が特徴の王道のアメリカンサウンドだ。乾いたサウンドにするためにEQをUSA側にフルにする。リバーブは8くらいにしよう

 
 

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