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(※)表記されている価格は2014年3月31日以前のものです   

StudiophileBX5D2とAV40で手軽に本格モニタリング環境を作る!

オーディオインターフェイスやMIDIコントローラーなど、数多くのコストパフォーマンスに優れた製品を発表しているM-Audioだが、中でも母国アメリカで評価が高いのがモニタースピーカーだ。ここでは同社のベストセラーであるBXシリーズの新製品「Studiophile BX5 D2」と、宅録ビギナーにもオススメの人気モデル「AV40」の2機種にスポットを当てて、プロエンジニアの早乙女正雄氏にそれぞれの性能をチェックしてもらった。

 まず「Studiophile BX5 D2」(以下、BX5 D2)は、アメリカ国内におけるモニタースピーカーのベストセラーとして、一流ミュージシャンやエンジニア、作曲家達に幅広く愛用されているM-Audioの「BXシリーズ」の後継機となるモデルだ。

 これまで同社がモニタースピーカーの開発で培ってきたテクノロジーを結集した結果、低周波数帯域における音響パフォーマンスの強化に成功しており、リッチでキレのある低音が最大の特徴となっている。ケプラー製低周波ドライバー(ウーファー)と、ウェーブガイド搭載のドーム型シルク・ツイーターを採用し、低域から高域までソースに忠実なリスニング感が得られるのもポイントで、レコーディング現場において必要とされる精度とサウンドクオリティを有している。また、リスニングシステムにあまり左右されずに、フラットな状態でミックス作業が行なえるようになっている点も見逃せない。

 もう一方の「AV40」は、ポリプロピレン・コーティングされた4インチウーファーと、磁性流体冷却式の1インチドーム型シルク振動板ツイーターを採用することで、タイトかつ精密な低音とクリアな高音を実現しているモニタースピーカーだ。

 木製キャビネットの採用により、タイトで力強いサウンドを鳴らすことができ、そのうえ防磁処理が施されているので、コンピュータのディスプレイやテレビの近くに設置しても、干渉妨害を起こすことなく使用することができる。本誌読者の中には部屋の広さの関係で、どうしてもディスプレイのそばにモニタースピーカーを置かなければならない人も多いだろうが、そういう意味でも宅録派にはうれしい仕様だろう。

 DAWソフトベースの音楽制作に限らず、AVコンテンツを楽しむためのリスニング用スピーカーシステムとしても最適な、幅広い用途で活用できる製品だ。

Studiophile BX5 D2 本格リファレンスモニターとして最適なモデル

 ベストセラー製品「BXシリーズ」の後継モデルとなるBX5 D2は、高級モニタースピーカーと同様のケプラー素材を使用するなど、各パーツに厳選された素材が妥協なく使用されている。また、性能だけでなく本体のデザインにも力が注がれており、質感もグレードアップして高級感あふれる仕上がりだ。
 ユニークなのは、ピンホールパワーLEDにより、リスニングポイントのスイートスポットを知らせる機能を装備している点。さらに、様々な機器の接続に対応しており、幅広い用途で使用可能になっている、すべてのクリエイター、ミュージシャン、コンポーザーのリファレンスとして最適なモデルだ。

リアにある出力端子はXLRバランスとTRSフォーンの両方が挿せるようになっている

AV40 初めてのモニタースピーカーとしてオススメ!

AV40は、独自に開発された「OptImageウェーブガイド・テクノロジー」と木製キャビネットの採用により、クリアな高音を再現しつつ、タイトで充実した中低音が特徴的なモニタースピーカーだ。
また、このAV40はシングルアンプモデルで、左用ユニットの前面にボリュームとAux In端子、フォーン端子が配置されるなど、使い勝手のいいデザインとなっている。
 2ウェイ仕様ながら、フルレンジ・スピーカーのような音域的にバランスが非常にいいサウンドが得られるうえに、防磁設計で設置場所を選ばないなど、初めてのモニタースピーカーとしても最適なモデルだ。

アンプは左用ユニットの中に内蔵されており、リアには各種接続端子が用意されている

SPEC

●仕様:70Wバイアンプ・スタジオモニター ●低周波ドライバー:直径5インチ(ケブラー素材採用) ●高周波ドライバー:直径1インチ(ウェーブガイド搭載天然シルクドーム) ●周波数特性:53Hz〜22kHz ●外形寸法:176(W)×252(H)× 195(D)mm●重量:5kg

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SPEC

●仕様:2ウェイ・デスクトップスピーカー ●低周波ドライバー:直径4インチ(ポリプロピレン・コーティング) ●高周波ドライバー:直径1インチ(シルクドーム) ●周波数特性:85Hz〜20kHz ●外形寸法:152(W)× 222(H)×184(D)mm ●重量:6.34kg

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エンジニア早乙女正雄氏が注目の2モデルを徹底チェック!出音のバランスはBX5 D2は横置きが良くて、AV40は縦置きの方がいいですね

フリーで活躍しているエンジニア。RADIQ、AOKItakamasa、AZZURRO、Jazztronikなどのクラブ系から、半野喜弘や大橋好規の映画音楽まで、エレクトロと生音の融合にその手腕を発揮している。また、近年では大橋トリオや星野 源の作品のレコーディングに関わっていることでも有名だ。

──まず、BX5 D2とAV40のサウンドを聴いてみての第一印象はいかがでしたか?

早乙女:どちらのスピーカーも自然な鳴り方をするというのが第一印象でした。レコーディングスタジオにあるモニター的な鳴り方ではなくて、家庭用コンポのようなリスニング系スピーカーの鳴り方に近いと思います。私自身、スタジオのモニターよりも、音楽的に鳴るステレオコンポとかの方が好きなので、どちらも好みの音質ですね。

──BX5 D2とAV40は、それぞれどんなシチュエーションで使用するのが最適だと考えられますか?

早乙女:どちらのモデルもDAWソフト用のモニターとしてだけでなく、リビングルームの再生用スピーカーとしても使えますね。置き方を工夫すれば、部屋を選ばずにオールラウンドに使えると思います。音域的には下も上も出過ぎず、よくまとまったサウンドキャラクターなので、音楽関係のプレゼン用とかに使用してもいいですね。それと、バスレフスピーカーは総じて低域がブヨブヨした感じがするので、メーカーを問わず好みではないのですが、BX5 D2のバスレフは、特有のイヤな部分が大変少なくて、かなり好みの音でした。

──宅録のテーブルトップにセッティングする際にオススメの設置法や気をつけることがあれば教えてください。
早乙女:この2台に限りませんが、ウーファーが耳の位置にくるようにセットすると、広がりや音域のレンジも伸びてくるんですね。ナチュラルでクセのないバランスのいい鳴りを得たい時は、それを目安にするといいと思います。あと、今回試聴した環境においてという前提ですが、出音のバランスはBX5 D2は横置きの方が良くて、AV40は縦置きの方がいいですね。

──早乙女さんは、普段スタジオに自分のモニタースピーカーを持ち込まれているそうですが、それはどういう理由からですか?

早乙女:理由は色々ありますが、持ち込むスピーカーが自分の基準となっていて、それに慣れているし、判断に迷わないからですね。あと、私は派手な音より、柔らかくて低域と高域が同時に迫ってくるような、特に低域にスピード感があるサウンドが好みなんです。多くのスタジオにあるモニターは中低音が自分の好みではないので、好きな鳴り方をするモニタースピーカーを持ち込んでいるわけです。そういった点でも今回試聴した2台は、自分の好みにかなり近くて、コストパフォーマンスも高いと思いました。

↑今回の試聴は、早乙女氏が手掛けた星野 源のアルバム『エピソード』に収録されている楽曲データをPro ToolsMP9に読み込んで行なった

『エピソード』
●星野 源
ビクター VICL-63781 発売中

──では、そんなモニタースピーカーへのこだわりをお持ちのプロのエンジニアの目から見て、BX5D2とAV40は、それぞれどんな特徴を持っていると感じましたか?

早乙女:AV40は高域と低域の両方とも、それほどレンジは伸びていないのですが、自分のミックスしたイメージ通りのサウンドが鳴りますね。サイズ的には中低音がしっかり再現されていて、よく鳴るスピーカーだと思いました。2ウェイですがフルレンジ・スピーカーのような響きがします。BX5 D2ですが、高音はAV40の方が自分のイメージに近かったのですが、低音の感じはBX5 D2の方が自分のミックスしたイメージに近いサウンドでした。どちらのスピーカーもそれぞれ響くポイントが違うので、どちらがいいというよりは、好みで選ぶといいと思います。

──最後に、宅録入門者にモニターの選び方のポイントを教えてください。

早乙女:サイズや値段の制約があると思いますが、なるべく多くのモデルを聴き比べて自分の好みに近い鳴り方をするものを見つけてみてください。家に持って帰った後のセッティングによって、かなり鳴り方が異なりますので、スピーカーの置き方、スタンドやケーブル、チューニングに至るまで色々がんばって自分好みに調整や工夫をすれば、楽しさも増すと思います。

注目の姉妹モデル

Studiophile BX8 D2

幅134 mm×高さ200 mm×奥行き160 mmと、狭いデスクでも最適なモニタリング環境を構築することができるモデル。小型ながらも鳴りは非常に豊かで、透明度が高くキメの細かい音質は、ミックス時での各パートのバランス調整もやりやすい

AV30

 今回紹介しているBX5 D2よりもひと回り大きな製品で、直径8インチのウーファーとリアのバスレフ、そして130Wの出力を誇るバイアンプの採用により、よりパワフルでクリアな低域を実現している。リッチな響きが欲しい人に最適なモデルだ

SPEC

●仕様:2ウェイ・デスクトップスピーカー ●低周波ドライバー:直径3インチ ●高周波ドライバー:直径1インチ ●周波数特性:90Hz〜20kHz ●外形寸法:134(W)×200(H)×160(D)mm ●重量:5.3kg

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SPEC

●仕様:130Wバイアンプ・スタジオモニター ●低周波ドライバー:直径8インチ ●高周波ドライバー:直径1-1/4インチ ●周波数特性:38Hz〜22kHz ●外形寸法:254(W)× 381(H)×304(D)mm ●重量:11.97kg

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