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John Pageが語る 自身のブランド「John Page Guitars」が生まれるまで!

John Pageが語る 自身のブランド「John Page Guitars」が生まれるまで!

フェンダーではギターデザイナー、そして世界的に有名なカスタムショップの共同創立者として21年間を過ごしたという「John Page」さん。その「John Page」さんが自らのギターブランド「John Page Guitars」を引っさげて来日をはたした。「他の誰かがすでにやっているようなギターブランドの立ち上げでは意味がなかった」と語るように、彼の作るギターはまさにビルダー魂の集大成のような作品だ。自身もギタリストであるため、あくまでも見た目だけではなく、プレーヤビリティにもこだわったという。今回、親友の「J.W.Black」さんと共に「Guitar EXPO 2011 AUTUMN 」のために来日中の彼を訪ね、フェンダーで培った経験やギター作りでの信念を語ってもらった。

Jhon Page作業イメージ1

──今までにバンド活動はしていましたか?

John Page:バンドでは16年間プレーしました。ほとんどがカバーバンド、結婚式場やダンスクラブでの演奏でした。最後の数年はオリジナル曲を作り、スタジオ入りもしました。すべてのバンドではリードシンガーで、曲作りのためにギターを弾くことが主でした。

─プロの作家になる前にギター作っていました?

John Page:10代の頃からギターの改造を始めました。理由は良いギターが買えなかったからです。14才の時、自宅近くのオイル工場の作業員として働き始め、近所の質屋で安いギターをアンプを買って、家に持って帰ってインレイやファンキーな塗装をしたり、安いサーベルのこぎりやのみで掘ったりと、よく改造したものでした。また指板のインレイをMother Of Pearlのバードインレイにしたりもしました。家族とメキシコ旅行にいった時もビーチでアバロン貝をカットしたりしました。一般的とされる工程の流れや原料についても知らなかったのですが、自分自身なんとか勉強しようとしていました。そんな時Irving Sloan著作の「クラシックギターの作り方」って本を買ったんです。そこで基礎を学びました。ギターを作り始めただけではなく、バンドに必要な機材、アンプや照明具も作りました。こういった経験はFenderのR&Dでおおいに役立ちました。

─ビルダーになって最初の主な仕事はなんでしたか?

John Page:Fenderで働くまではビルダーになったと感じたことはありませんでした。ギターや他の楽器をつくったことは何度もありますが、単にアマチュアレベルでした。FenderのR&D部門でビルダーとしての最初の仕事は、エンジニア達と「Freddie Tavares」のような新しいデザインのプロトタイプを作ったことです。エンジニアからデザインの青写真を入手し、その通りにデザインしなければならないこともありましたし、アンプ、PAシステム、ドラムのハードウェアなども作りました。鍵盤楽器のカスタムスティックでさえも作ったことがありますよ。私にとってこういった作業は、ほとんどのギタービルダーが経験できないかけがえのない勉強材料でした。

─Fenderでの経歴について教えてください

John Page:Fenderでは21年間働きました。ほとんどの時間をR&DとCustom Shopで過ごしました。数年間はモデルメーカーとして、それから1986年まではギターデザイナーでした。1987年にMichael Stevens氏と一緒にCustom Shopを立ち上げ一緒に運営してきました。1998年の11月、当時の役職はVice Presidentでしたが、Fender社を退職しました。最も印象的な仕事を一つ上げるのは難しいですが、キャリアの中で誇りに感じているのはCustom Shopの成功だと思います。たった2人で始めた部門でしたが、世界で最も顕著なカスタムギター生産部門になったことは間違いないです。またその初期段階で責任者として関われたことも誇りです。

─Fender社を辞めてからは?

John Page:Custom ShopのVice Presidentだった時に、Fender Musseum of Music & Artsのディレクターとしても積極的に関わっていました。非営利でしたがFenderの歴史を垣間見れたり、子供たちが音楽に触れることのできるミュージアムの事業着手にも関わりました。1998年にFenderを辞職してからはこのミュージアム事業へフルタイムでディレクターとして関わり、4年間の在籍期間のうち数億円規模の、33000 sq ftにもなるミュージアムを完成させ、そこでの教育プログラムやパフォーマンス施設を作りました。14,000人ものキッズ達に無料で音楽レッスンを行なった「Kids Rock Free Music Education Program」も発足させることができました。2003年1月にミュージアムを辞めたのですが、それらのプログラムはさらに発展強化されており、すごくハッピーでした。その後オレゴン州南部へ引越し、工房と自宅を作って、アート家具などをギャラリーで売り始めました。

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─今までにFender以外に関わったことのあるブランドはありますか?

John Page:Fender以外の名前をあげるなら、Kubicki BassesとHeartfiled Guitarsですね。Kubickiでの主な役割としては、カリフォルニア州サンタバーバラにあった工房を、Fender Custom Shop施設の一部へ移行させたことです。Heartfiled GuitarsではそこのCustom ShopとR&Dデザインチームを牽引して、当時フジゲンのエンジニアだった杉本氏達と共に働きました。

─John Page Guitarsを始めたきっかけを教えてください

John Page:Fender在籍21年間、デザイナーかつビルダーとして最もフラストレーションだったのが、みんながストラト、テレキャス、プレベース、ジャズベースしか欲しがらなかったことです。私がFenderでデザインしたオリジナルモデルが市場では成功したとは言えないです。またFenderは量産を大前提としていました、Custom Shopでさえも最終的には量産が求められ、それがFenderを辞めようと思った主な理由です。どんなルックスになるべきか、どういう過程で作るかという指示のもとではなく、私自身がよいと感じるデザインでギターを常に作りたかったですし、利益幅に見合ったギター品質は望んでいませんでした。とにかく私の信念にそったやり方で好きなようにギターを作りたかったのです。ただそのためには起業するしかありません。2006年中頃、P-1モデルのデザインを描き始めて、6〜8カ月もかけて最初のプロトタイプを作りあげました。プロト完成後、インターネットのギターフォーラムを通じて、ギター制作をまたやりはじめたと伝えました。それから注文が入りはじめ、今のJohn Page Guitarsは現在進行形として突き進んでいます。

─John Page Guitarsは一人で制作されているのですか?

John Page:はい、木材の切り出しから何から何まで一人で作業しています。帯のこ、ピンルーター、やすり、ハンドサンディングブロックなど、昔ながらのやり方と工具をつかってます。CNCルーターは一切使っていません。ただFender時代からの僚友であるJ.W.Black氏に最終フレット調整とセットアップを手伝ってもらっています。彼は言うまでもなくすごく巧いですし、私のギターが出荷されるまで彼のような経験豊富かつ長けたビルダーに確認してもらえることは嬉しいです。ピックアップに関しては、これまた僚友のJohn Suhr氏やFred Stuart氏の商材を主に使っていますが、Seymour DuncanやJason Lollarも使ったりします。

─自身のブランドを始めるにあたって大変だったことは何ですか?

John Page:私自身のブランド立ち上げ前に経験した最も大きなチャレンジは、私自身が市場に対して価値のある商品を提供できているかをあらかじめ確認しなければならなかったことです。ただ他の誰かがすでにやっているようなギターブランドの立ち上げでは意味がなかったのです。他の誰かがやっているデザインとは異なるデザインを考えなければならないし、美しくもユニークではあるがトラディッショナルな楽器をハンドメイドで作り、ベストな材料を使って高いクオリティを常に維持させるという思いも同時に実行する必要がありました。その次のチャレンジとしては、何年もギター生産現場から離れていた自分自身にビルダー魂を呼び戻すことでした。腕前を磨き直さなければならず、また新しい工具にもなれる必要があり、最初の数年は天性を取り戻すまで奮闘の日々でした。

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─異なる木材の音の違いは? 例えばAlder、Ash、Basswood材での違いや好みはありますか?

John Page:Basswoodの特徴を熟知するほど使ったことがないのですが、AlderやAshは頻繁に使います。Alderはトーンのスペクトラム全体に均等なレスポンスを与えてくれます。Ashだと若干ミドルが強調されますが、もちろんボトムやハイも優れていると思います。個人的にはPoplarなんかも好きで、凄く鳴りのいいギターを何本もつくりました。最近のお気に入りはボディ材はBlack Limbaで、トーンが驚くほどリッチで美しい音色色彩があります。トップ材では特に丈夫な材を使うよう心がけているいます。Redwood、Walnut、Myrtlewoodは頻繁に使いますが、どれも素晴らしいですよ。

─John Page Gutiarsの特徴とは何ですか?

John Page:主な特徴は、生きたトーンだと思います。とにかく音への反応が凄く良いです。イキイキしたトップから、フルでリッチなボトムからミドルまで、幅広いアコースティックなキャラクターが持ち味です。またユーザーもそう感じ、そう聞こえてもらえるように心がけてギター作りに励んでいます。使い捨になってもいいようなギター作りや短期間の付き合えないギターには興味はありません。世代を超えて愛され続いていくような楽器作りが、私のゴールですね。

─年間の生産本数はどれくらいなのですか?

John Page:今はだいだい18〜20本生産しています。

─John Page Guitarsの将来像はありますか?

John Page:昨年にはWGというベースをデザインして作ってみました。新しい実験を何度か行ない、実生産へ入るまえにプロトタイプで評価改善を行なっているので、今年は何本かさらに作ってみたいですね。今のところ評判は上々です。また6ペグヘッドとトレモノを使ったAシリーズという新しいデザインにも取り組んでいたり、ビンテージテレキャススタイルで使っていたモノに代わってWood-toneブリッジサドルも発表する予定です。作業机には常に何か新しいアイディアが書き込まれていますよ。

─John Page Guitarsを使ってもらいたいプレーヤーは?

John Page:どんなジャンルのプレーヤーに使ってもらいたいかを特定したくはないですね。プレーヤーそれぞれがニーズに応じたギターを決めてもらえばいいと思いますし。ただ、私のギター制作への思いとして、アーティストとして、またソングライターとしてのアプローチは持っています。デザインとプレーヤビリティとトーンが一体となって、音が聞こえるのではく、体にしみこむようなインスピレーションを私にもたらしてくれるようなギターが作りたいです。この質問への私なりの答えとしては、ただ演奏するだけじゃなく、ギターにインスパイヤーされたいプレーヤーに使ってもらいですね。

(インタビュー記事提供:黒澤楽器店)

 

 

 

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