トップページ > 第3回 NATIVE INSTRUMENTS 全24種類のソフト&エフェクトを収録「KOMPLETE 7」を使い倒せ!

NATIVE INSTRUMENTS 全24種類のソフト&エフェクトを収録「KOMPLETE 7」を使い倒せ!

ギタリスト、キーボーディスト、DJ etc...すべての音楽クリエイター必携の「KOMPLETE 7」

60年代風ドラムから飛び道具エフェクトまで   無限に広がるリズムトラック作成術!

サウンドメイクからライブパフォーマンスまで超本格シンセやピアノ、オルガンをチェック!

鍵盤系もオールジャンルで使えるソフト音源が満載

前回のVOL.2では、主にリズム系をフィーチャーした内容でしたが、今回はシンセサイザーやサンプラーなど、いわゆる鍵盤系の収録ソフトにスポットをあて てみたいと思う。

で、早速ですが「KOMPLETE 7」でまず注目したいのは「REAKTOR 5.5」。この「REAKTOR 5.5」は、知る人ぞ知るマニアックなソフトシンセなのだが、入門者にも扱いやすいように様々なプリセット(インストゥルメント)が用意されているのが特徴だ。また、「REAKTOR 5.5」以外だと、きらめくようなパッド系サウンドが印象的な「ABSYNTH 5」や、太く重厚な音色を得意とする「MASSIVE」、FMシンセの「FM8」の他に、ソフトサンプラー「KONTAKT4」用の拡張音源としてリアルなオルガンやピアノも数多く用意されている。何度も書いているが、とにかく「KOMPLETE 7」には鍵盤楽器に関してもオールジャンルで使えるソフト音源が満載なのだ!

変幻自在のシンセエンジン「REAKTOR 5.5」

では、まず最初は「REAKTOR 5.5」から見ていこう。そもそも「REAKTOR」とは、実は単一のソフトシンセというよりは、シンセやエフェクターを作るエンジンのようなソフトだ。音を出したり変化させたりするパーツを組み合わせて、ゼロからオリジナルマシンを構築することもできる。通常ソフトシンセをゼロから作るには相当なプログラミングの知識が必要だが、シンセフリークにとっては夢のツールだったりもする。

ただし、ここではそんなマニアックな仕組みを理解するよりも「REAKTOR5.5」で作られた既成のインストゥルメント(インストゥルメントをいくつかまとめたモノをアンサンブルとも呼んでいる)をロードして使ってみるのがオススメだ。「KOMPLETE 7」には「PRISM」と「SPARK」、「Electronic Instruments 1と2」など、70以上ものインストゥルメントが含まれており、NATIVEINSTRUMENTSのユーザーコミュニティである「REAKTOR User Library」にはユーザー作成のインストゥルメントも多数登録されている。なお、「PRISM」と 「SPARK」、「Electronic Instruments 1と2」は、本来拡張音源として別売されていた製品だ。これらが収録されているだけでも、かなりお得感がある。ちなみに「PRISM」には、モーダルシンセシスと呼ぶ物理音源が使われていて、アコースティック系のシミュレーションサウンドも多数プリセットされている。ぜひ活用してみてほしい。また、筆者が個人的にもオススメしたいのは、「REAKTOR 5.5」で新搭載された「LazerBass」だ。「LazerBass」は、加算方式シンセ「アディティブシンセシス」を使った新ベースシンセで、これは一聴するとわかるが、キラキラとした音や倍音成分の豊富さが特徴だ。「LazerBass」にはサウンドに独特のウネリを加えるLFOを駆使したサウンドプリセットも数多く装備されており、サイケなベースやリードを演出する際にも威力を発揮すること間違いなし!

01
「REAKTOR 5.5」を起動する。「虫眼鏡」のアイコン>「FACTORY」タブを表示させ、さらに「Instruments」>「Synthesizers」を開く。ここにシンセが多数収録されている。まずは「2-Osc.ism」でも選ぼう

02
インストゥルメントが読みこまれる。操作パネルがたたまれて表示されない場合には、「A」(または「B」)の制御パネル表示ボタンをクリックして表示する

03
読みこんだら、MIDIキーで演奏することができる。もちろんDAWのトラックに読みこめば、DAW上のプラグインシンセとして動作する

03
パーツの何もない地色部分をダブルクリックすると内部構造を見る(もちろん編集も)ことが可能。再度地色部分をダブルクリックすれば元に戻る

05
新たなインストゥルメントを読みこむ際に、保存をうながす画面が表示されるが、音を出すだけで特に編集を加えていなければ「NO」を選ぶ

「REAKTOR 5.5」インストゥルメント「PRISM」と「SPARK」は「PLAYER」タブから選ぶ

「Electronic Instruments Vol.1/2」は「FACTORY」タブの「Ensembles」内にある

その他・筆者オススメの「REAKTOR 5.5」インストゥルメント

「REAKTOR 5.5」には、とにかく多くのインストゥルメントが用意されている。琴線に触れたらぜひ音を確認してみてほしい。なお、収録場所は 「FACTORY」>「Instruments」と「FACTORY」>「Ensenbles」で同じ種類があるものもある。「Ensenbles」は「Instruments」を複数使うこともできる上位のプログラムで、組み合わせているプログラムもあるし単独のものもある。音を出すならどちらを使ってもいい。パーツとも言える「FACTORY」>「Instruments」のほうが収録数が多いので、まずはそちらでチェックしてみるといい。

SPARK「PLAYER」>「Reaktor Spark R2」

ベーシックなサイン波とパルス波を使った減算シンセだが、フィルターやモジュレーション部が細かく設定できる奥の深いシンセ。Native Instrumentsの創設者Stephan Schmittが制作している

PRISM「PLAYER」>「Reaktor Prism」

物理モデリングの技術を使ったモーダルバンクモジュールを使ったシンセ。サンプラーを使わずに金属や弦の響きを得ることができる

LazerBass「FACTORY」>「Instruments」>「Synthesizers」

アディティブシンセシスを使ったモノフォニックベースシンセ。倍音の効いたエッジのあるエレクトロベース音に最適

Titan「FACTORY」>「Ensembles」>「Electronic Instruments Vol.1」

3オシレータのアナログシンセだが、モジュレーション機能が強力で攻撃的で過激な音が得意

Junatik「FACTORY」>「Instruments」>「Synthesizers」

JUNOシリーズのような音が得られる。ノコギリ歯を3つ組み合わせられる

Oki Computer「FACTORY」>「Instruments」>「Synthesizers」

複雑に時間軸で変化していくステップシーケンスを作るのに便利。デジタル系の音が特徴

Blue Matrix「FACTORY」>「Instruments」>「Sequenced Synthesizer」

アナログシンセ音でメロディアスなステップシーケンスを作りこむことができる。リズム音とすることも可能

Equinoxe Deluxe「FACTORY」>「Instruments」>「Synthesizers」

フワフワとゆったり変化するパッドやスイープと呼ばれるシンセ音を作ることに特化したシンセ。

NATIVE INSTRUMENTS REAKTOR User Library

http://www.native-instruments.com/?id=userlibrary
「KOMPLETE 7(REAKTOR 5.5)」ユーザーは、「NATIVE INSTRUMENTS REAKTOR User Library」から様々なインストゥルメントをダウンロードして楽しむことができる。このユーザーライブラリーには、ビンテージシンセのシミュレーションモデルや見た目がユニークな変わり種まで、何千種類もの音ネタ(シンセ/サンプラー/エフェクター etc...)が揃っているのだ

まだまだあるぞ! 多彩な本格シンセサイザー達(ABSYNTH 5/MASSIVE/FM8)

ABSYNTH 5

もちろん「REAKTOR 5.5」以外のソフトシンセ群もぬかりない。「ABSYNTH 5」は、複雑なテクスチャーを持った音を作りだすことのできるハイブリッドシンセ だ。内部を探っていけばサウンドやエフェクトのパラメーターは膨大なのだが、 サウンドミューテーションと呼ぶ機能で、なんとなく似ているけど異なるバリ エーションを手軽に作り出すことができるのがありがたい。シンセパッドや時間 軸変化のある音、ドローンシンセサウンドなどが欲しかったら、ぜひ使ってみよう。

複雑なシンセ音が生み出せる「ABSYNTH 5」。サウンドミューテーションを使って別の音にしている。単に2本のスライダーを加減するだけだ

MASSIVE

「MASSIVE」は目立つリードやベースのシンセ音を作るのに向いている。3つ使えるオシレータは、単純なアナログ音だけでなく、さまざまなデジタル系のオシレータ音も備えている。さらにフィルターとインサートエフェクトが各2基あり、激しい音色の変化を作ることができる。面白いのはステップシーケンスをコントロールするステッパーという機能で、シンセ内でフレーズループを演奏させることができてしまうのだ。エレクトロ系の音を使いたい時にぜひ試して欲しいシンセだ。

「MASSIVE」は重厚なエレクトロ音に最適。ステッパーを使ってシーケンスを演奏させることもできるのだ

FM8

「FM8」はヤマハDXシリーズで有名になったFM(周波数変調)を使ったシンセだ。「KOMPLETE 7」搭載のシンセではFMが使えるものも多いのだが、これは過去のハードウェアで使っていた音色プログラムをそのまま読みこめるのが特徴だ。 FMシンセ音にはいわゆる定番系の音がいくつかある。ハウスで使われるエレピやベースなどが代表だが、こういった昔からある音が使えるメリットは大きい。もちろんただコンパチのレトロシンセというのではなく、現代でも十分使えるシンセとして作られているのは、音を出してみればわかるはずだ。キラキラとした倍音の多い特徴ある音を堪能してほしい。

「FM8」では定番のFMシンセ音がそのまま楽しめるのがウリ

生ピアノやオルガン系は「KONTAKT 4」にお任せ!

リアルな楽器音が欲しいときに使うのがサンプラーの「KONTAKT 4」だ。この音源の充実度もスゴイ。グランドピアノはもちろん、有名なビンテージキーボードがこれでもかと収録されている。以前の「KOMPLETE 6」では、こういったサンプル音源はほぼすべて別売だった。これがほとんど付属するようになったのだからメリットは大きい。

○「KOMPLETE 7」と「6」の比較表
http://www.native-instruments.com/#/jp/products/producer/komplete-7/?page=1656

こういったアコースティック楽器は、実は手に入れるだけでも大変だが、まともな音に調整するメンテナンスなども考えると、その道のプロ演奏家でなければ入手は現実的ではない。こういった楽器音を手軽に楽しめるのも「KOMPLETE 7」の魅力だ。
また「KONTAKT 4」はソフトサンプラーとして、すでに定番のひとつになっている。サードパーティ製のサンプリング音源が多数発売されているので、さらに追加して増やしていけるのもポイントだ。

01
「libraries」タブを開くと、インストール済みのライブラリが収録されている。一番上は標準のファクトリーライブラリだ。これだけでも膨大な数だ。各ライブラリの「Browse」や「Instruments」をクリックするとブラウズでき、ダブ ルクリックで読みこまれる。各音色には音色エディット用の画面が用意されている

02
スパナのアイコンをクリックすると、音色のこまかな設定が可能になる。細かな調整がしたい時や自分で録音したサンプルから作りこむ時に使う

03
ライブラリにはアコースティックピアノ音源が4種も入っている。さらに一番下はエレクトリックベース音源

04
さらにクラビネットやビンテージのオルガン群。どれも特徴をよく表していて、実機さながらに音色のコントロールも可能
連載のまとめ

ここまで全3回に渡って、カタログや店頭デモだけでは把握しにくい「KOMPLETE 7」の特徴をお伝えしてきたがいかがだったでしょうか? NativeInstrumentsの作る音源はどれも個性的だが、すべてが飛び道具なワケではない。アンサンブルとしてまとまっていて欲しい音はシックリと馴染み、リードソロで目立たせたい音はガッツリと前に出る。そんなメリハリのある使い方ができる音色が詰まっているのだ。
膨大なソフト群を擁する「KOMPLETE 7」だけに、たった3回ではどこまで伝わったのか正直不安ではあるが、「KOMPLETE」≒「COMPLETE」=「完璧パッケージ」という名前が表しているように、実に多岐にわたった完全無欠のパッケージソフトであることはご理解いただけたのでは? これですべてとは思わないで欲しいが、面白い部分の要所は伝えたつもりだ。
「KOMPLETE 7」にお好みのDAWソフトを揃えれば、それだけでスタジオクオリティの曲を完成させることができると断言しよう。バンドでデモ曲を作っているならクオリティは格段に上がるゾ! あとは、キミがお小遣いの予算を割く決断と、ちょっとした音楽センスが必要なだけだ。

動作環境=スペック

●Mac OS X 10.5 またはそれ以降, Intel Core Duo 1.66 GHz, 2 GB RAM
●Windows XP (SP2, 32-bit) / Vista (SP1, 32/64-bit), Windows 7 (32/64-bit), Pentium / Athlon XP 1.4 GHz, 2 GB RAM
※REAKTOR 5を64ビット版のWindows Vista / Windows 7で操作するには、32ビット対応の環境が必要です。
●対応インターフェイスとドライバ: Stand-alone / VST/ Audio Units/ RTAS(Pro Tools) / ASIO / Core Audio / DirectSound /
WASAPI 5GBのディスク空き容量 / 完全インストールには100GB、DVDドライブが必要。特定の要件は個々のプログラムにより異なる。

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KOMPLETE 7に関するお問い合わせ先

株式会社ディリゲント
info@dirigent.jp
〒104-0061
東京都中央区銀座3-4-1 大倉別館3F
TEL :03-5159-1821
http://www.dirigent.jp

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