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(※)表記されている価格は2014年3月31日以前のものです   

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大きすぎず小さすぎず、自宅にはちょうどいいサイズだ

Spiderシリーズは、簡単な操作性とデジタルモデリング、アーティストとの関連性により大きな成功を収めてきた。Spider Vは、08 年度に米国でもっとも多く販売されたギターアンプであり、Spider Wはその後継ラインナップにあたる。Cleanから、強烈な歪みのInsaneまで幅広いアンプ・サウンドと、充実したエフェクトにより、各機種ともジャンルを問わず、あらゆるギタリストに薦められる製品だと言えるだろう。

●出力:15w ●コントロール:アンプ(クリーン、クランチ、メタル、インセイン)、ドライヴ、ベース、ミッド、トレブル、チャンネルヴォリューム、エフェクト(コーラス/フランジャー、フェイザー、トレモロ)、エフェクト(スウィープエコー、テープエコー、リバーブ)、タップトレモロ ●スピーカー:カスタム8インチ×1 ●入出力端子:インプット、CD/MP3イン、FBVイン、ヘッドフォン/ダイレクトアウト ●外形寸法:406.4(幅)×381(高さ)×215.9(奥行き)mm ●重量:7.7kg ■製品情報:http://www.line6.jp ■ 使い方や技術的なお問い合わせ:タスカムカスタマーサポート0120-152-854

デジタルでありながら、アナログな操作感

アンプモデリングの元祖とも言うべき存在であるライン6の最新小型アンプが、このモデルだ。4つのモードが付いており、ローランドのJCを彷彿とさせてくれるクリーンから、メサ・ブギーのレクチファイアー的な重低音の歪み、マーシャルのPlexiのようなクランチなどなど幅広い音色が入っている。デジタルアンプでありながら、アナログ的な操作感を誇り、じつに使いやすいモデルだ。サウンド的には、オーディオ的な側面からみて“いい音がする” アンプで、CDを聴いているような気分のいいサウンドを出してくれる。ヘッドフォンを使って弾いてみると、iPodを聴いているようなトーンで自分のギターがうまくなったように感じられる。また、デジタルならではの弾きやすさがあり、ある程度のコンプ感があり、ピッキングがキレイに聴こえてくれる。また、ノイズが、ほとんどないことにも驚かされた。ギター側のヴォリュームを絞った独特のトーンを出す場合にも、全く問題なく追従する。必要最小限に抑えられたコントローラーは、エフェクトを含み、じつに音作りしやすく、デジタルでありながら取説なしでも、すぐに操作を覚えられる。しかも、Record Outが装備されているので、そこからレコーダーやミキサーへ送ってダイレクトレコーディングを行なうなど、PODのような使い方すらできてしまう。3〜5万ぐらいはするだろうという印象のモデルだが、市場予想価格が13,800 円と聞いて、かなり驚かされた。どんなジャンルでもいけるモデルだろう。

◎デフォルトでは、アンプモデルを選択するとトーンやエフェクトが自動設定されている

CLEAN:ドライヴがセンター(12 時)より左側の位置で、デジタルアンプならではのクリスタルで透明感のあるクリーン。そこからドライヴコントロールを徐々に上げていくと、今度は真空管アンプの暖かみのあるクリーンになってくる。トレブル、ミドル、ベースのコントロール幅が広いので、クリーンでも多彩な音が作れる。

CRUNCH:真空管アンプを彷彿とさせるミッドに特徴があるクランチサウンドだ。クリーンより少し歪みが増した、ディストーションチャンネルから歪みを落としたという感じではなく、完全に独立した音を奏でてくれる。ピッキングの食い付き感など、ヴィンテージのマーシャルを思わせる歪みといえるだろう。

METAL:90 年代後期のモダンな歪みを再現してくれる。かといって、低域ばかりではなく、中域から高域にかけても素晴らしく、搭載されている空間系エフェクターのノリもよく、メタル系のバッキングからソロまで対応してくれる。歪みの質は細かく、 メサ・ブギーのレクチファイヤーやディーゼルなどの、モダン系アンプの歪みをシミュレートしてくれている。

INSANE:メタルチャンネルをさらにドンシャリにした、ここ数年のモダン・ハイ・ゲイン・アンプをシミュレートしたサウンドだ。トレブル、ミドル、ベースが12 時の位置でも、自然で、いいポイントのドンシャリ感を出してくれている。激しく歪むのだが、音がツブれることなく、こちらも空間系のエフェクトを組み合わせも含めて質のいい歪みを演出してくれる。

デジタルならではの、じつに効きがいいコントロールとなっている。ゼロからフルまでの幅が驚くほど広く、同じチャンネルを選んでいても、この設定でいろいろなジャンルの音が作れてしまう。歪みの基本はドンシャリ系なのだが、EQの幅が広いのでミッドも上げられるし、シンプルなコントロールながら、じつに幅広い音作りができるアンプである。
基本は、センター(12 時) の位置からスタートして、足したり削ったりする感覚でエディットしていくといいだろう

タップテンポが付いているので、ディレイやトレモロなどタイムを使うエフェクトには便 利だ。

ふたつに分けられたエフェクトコントロール。左側が、コーラス/フランジャー、フェイザー、トレモロとなっており、コーラス/フランジャーの範囲では上げていくに従ってフランジャーになる。トレモロはかなりエグくかかるので、飛び道具的にも使えるだろう。サウンド的には、デジタルくさくはなく、デジタルのいい部分とアナログのいい部分の中間という感じだ。 いっぽう、右側のコントローラーは、スウィープエコー、テープエコー、リバーブという3 種類。注目は、スウィープエコーだ。スペイシーでモジュレーションがかかったような個性的なエコーとなっている。デジタルエフェクトであるものの、テープエコーはアナログのシミュレートであるし、リバーブもスプリング系やルーム系を彷彿とさせるようなアナログライクなトーンとなっておりトランジスタ・アンプについているようなアナログリバーブ的なサウンドだ。

別売りのFBV Express MkII を使えば、4つのプリセット選択の他、ペダルがヴォリュームやワウとしても使用可能。チューナーモード時に、専用ディスプレイとしても使えるようになる

とにかく、クセがなく洗練されている音色なので、幅広く音作りができるだろう。シミュレータが登場した当初は、“デジタルくさい” とか“シミュレータだな” などがあったデジタルアンプのトーンだが、このモデルはそういった部分が、ほとんど感じられない。また、音量の大小で音の暴れ方が変わるアンプがある中、Spider Wは音量を絞っても上げても、まったく同じ音で鳴ってくれるのが素晴らしい点だろう。大きな音を出せない自宅などでは、ほんの聴こえるか聴こえないかの音量でも、しっかりと歪んでくれるのだ。

音色はこれだ!?
クリーン+エフェクターで透明感あふれるサウンド

クリーンチャンネルをセレクトし、EQは12時の位置にセット。そこに、コーラスとテープエコーを足したサウンドだ。バラード系に使うのに最適で、アルペジオなどが合うサウンドになっている。

クランチチャンネルでファンキーサウンド

クランチならではのブルージーな音ではおもしろくないので、フェイザーとスウィープエコーをかけてスペイシーな感じを醸し出してみた。ファンキーなプレイにも使えるだろう。

メタルチャンネルを使った王道サウンド

80 〜 90'sのメタルサウンドに最適で、バッキングからソロまで対応できる歪みを作ってみた。ドライヴは11 時ぐらい、エフェクトはテープエコーを深めにかけ、ディレイっぽい感じを出している。

インセイチャンネルで重低音サウンドを!

元がかなりドンシャリなトーンなので、もう少しフラットな感じにするため、ミッドを1 時、トレブルを3 時ぐらいにセット。そこに、軽くリバーブをかけ、デスメタルのバッキングに最適な歪み。

クリーンチャンネルの特徴がよくわかる!

こちらのクリーンは、ドライヴを9 時、EQ関係がすべて12 時、エフェクトはすべてオフ。このアンプのクリーンチャンネルのサウンドがよくわかるサンプル的なサウンドで試奏している。

メタルチャンネルの純粋なトーンが、これだ

ドライヴを11 時、EQ 関係は12 時にセットし、エフェクト類をすべてオフにしたサウンドだ。メタルチャンネルの純粋なトーンが聴けるセッティングでの試奏だ。

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横幅が本誌より、やや大きい程度で、高さは本誌より小さい。本誌でおなじみのプロギタリストの間でも、楽屋での指慣らしや自宅でのトレーニング等で重宝されているモデルだ

ひとつのツマミで、ふたつの機能を使い分ける方式を採用している。やり方は右写真を!

ディレイの場合は、シフトボタンを回すことでツマミがディレイ用になる。LED にd と表示される

便利なのが、チューナーを装備している点だろう。右のLED で音程を表示し、下のLED で合わせる

アダプターからの電源だけではなく、電池での駆動も可能なので、屋外で弾くこともできる!

●出力:2w ●コントロール:モード0 〜9(クリーン、クランチ、OD1、OD2)、 ゲイン、FX(コーラス、フェイザー、フランジャー)、ヴォリューム、ベース、トレブル、リバーブ、ディレイ スピーカー:61/2インチ×1 ●入出力端子:インプット、ヘッドフォンアウト、ライン入力 ●外形寸法:260( 幅)x 263(高さ) x 175(奥行き)mm ●重量:3.1kg
■問い合わせ:ヤマハミュージックトレーディング( 株)(http://www.marshallamps.jp)/マーシャル・ブログ(http://blog.marshallamps.jp)

4つのツマミに、多彩な機能を凝縮

とにかく小さいマーシャルだ。今回の企画の中でも、ヴォックスと並ぶぐらいの小ささなのだが、そのボディに似合わず安定感のあるサウンドと音圧感があり驚かされる。もちろん、ヴォリュームを絞れば、小さい音量でも充分に歪んでくれるし、音のコントロールがしやすい。もともと持っている音が、マーシャルらしく中域に特徴のある暖かいサウンドなのがうれしい。モードというコントローラーは、右に回していくにつれて歪みが増していくとともにトーンも変化していく。モードの1、4、7は、ヴィンテージ・マーシャル系でピッキングの食い付きがよく、いい意味で荒々しいトーン。2、5、8は、それよりも中域と低域が増していく感じで、3、6、9になると、さらにミッドが出てくるトーンになっており、音が前に出てくるようなサウンドになっている。ピッキングのニュアンスがよく出るのが、2、4あたり、それより上のモードになると、いいコンプ感が加わり弾きやすくなってくる。弾く方向性によって、モードを選ぶといいだろう。 好みの音の探し方としては、まず、ゲインやEQ 類を12時の位置にセットしてからモードを選び、そこからゲインとEQで微調整していくと素早い音作りができるはずだ。
 EQにミドルがないという潔さなのだが、マーシャルだけあり、もともと中域が豊かなので、あとはモードの切り替えでミッド感を調整していけば、グッドなサウンドが作れるはずだ。

モードとなっているが、歪みをセレクトするチャンネルと思っていいだろう。
コントローラーをいちばん絞った時がクリーン、右に回していくにつれ、クランチ(1〜3)、OD(1 4〜6)、OD(2 7〜9)となり、どのモードが選ばれているかは、いちばん右のLEDに表示される。

MG2FXには、コーラス、フェイザー、フランジャー、リバーブ、ディレイというデジタルエフェクターが合計5種類搭載されている。コーラス、フェイザー、フランジャーは、リバーブのツマミと併用になっており、ディレイはヴォリュームのツマミと併用。リバーブ、ディレイを調整する際は、下のボ タンを押しながら回せばOKだ

MG2FXには、コーラス、フェイザー、フランジャー、リバーブ、ディレイというデジタルエフェクターが合計5種類搭載されている。コーラス、フェイザー、フランジャーは、リバーブのツマミと併用になっており、ディレイはヴォリュームのツマミと併用。リバーブ、ディレイを調整する際は、下のボ タンを押しながら回せばOKだ

音色はこれだ!?
クリーン・モード+3種類のエフェクト

モードは,いちばん左に回した時のクリーンを選択。ゲイン,EQ 関係はセンター(12 時)。そこに、コーラス、リバーブ、ディレイをかけたトーンで試奏したサウンドだ。

心地よりオーバードライブサウンド

OD1の5を選択し、ゲイン、EQ 関係はセンター(12 時)にセット。エフェクターは、フランジャーをややかけ、リバーブ、ディレイもかけている。ハードロックなバッキングに最適!?

ソロを弾く際にはおすすめのセッティング

OD2の9を選択。ゲイン、EQ 関係はセンター(12時)で、モジュレーション系をオフ。そこに、リバーブ、ディレイをかけた音色だ。サスティンも豊かで、思わずソロを弾きたくなるサウンドだ。

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チャンネルは、ひとつのボタンで2 つが選択できる。こちらは、クリーン/クランチ

スタックなので、小型とは言えない大きさだが、やはり通常のスタックと比べるとミニ・サイズ!?

こちらがオーバードライブで、グリーンとレッド(写真)の2種類

計5個のエフェクトを搭載。リバーブは、併用も可能となっている

メガデスのリストバンド、ピック、ツアーステッカー類が付録している!

●出力:15w ●チャンネル:クリーン/クランチ/オーバードライブ(グリーン)/オーバードライブ(レッド) ●ディストーション、ロー、ミッド、ハイ、リバーブ、ヴォリューム、FX(コーラス、フェイザー、フランジャー、ディレイ)、マスター ●入出力端子:インプット、ヘッドフォンアウト、ライン入力 ●外形寸法:385( 幅)x 96(0 高さ) x 24(0 奥行き)mm ●重量:18.7kg ●スピーカー:10インチ×2

基本はMGならではのマーシャルサウンド

MG15FXMSを基本に、あのメガデスのデイヴ・ムステインが作ったという音色が4つプリセットされているモデル。基本は、MGシリーズなので、MG2FXに近いスペックを持っているが、MG2FXと違い、ミドルを装備しマスターヴォリューム付きで、ゲインはディストーションという名前になり、歪みのモードは、クリーン、クランチ、オーバドライブ×2となっている。クリーンチャンネルは、スタックのルックスどおり、MG2FXよりもダイナミックでありつつ、透明感のあるクリーンも作れる。クランチチャンネルは、オーバードライブ( 緑)のトーンと近い。クランチよりも歪みのツブを細かくなったサウンドが、オーバードライブのグリーンチャンネルだ。このチャンネルになってくると、スピーカーの大きさと3段積みということで音像がMG2FXとは変わってくる。オーバードライブのレッドチャンネルでは、ドンシャリの傾向が、さらに強くなった歪みのトーンを持っている。オーバードライブチャンネルは2つだが、そのぶんMG2FXより個性を持った歪みが得られる。
 小型ながら15wということで、ローやハイにも余裕が感じられレンジの広いサウンドを出してくれる。これは、スピーカーの口径も関係しているのだろう。
基本的には、ややドンシャリ気味の傾向のサウンドで、トーンコントロールの幅が広いので、それだけではない多彩な音作りも可能にしたモデルだ。

クリーン、クランチ、OD1、OD2という4チャンネル仕様で、ゲイン(ここではディストーションという名称)やエフェクターの値を含め自分で作った音色を4つまでプリセットできる機能も搭載 している。

タップスイッチは、2秒以上押すとマニュアルモードとプリセットモードに切り替わる。右側のボタンは保存のためのストアスイッチだ。オプションのフットコントローラーを使用する場合は、2つを同時に押すとチューナーモードが作動する。

クセのないコーラス、フェイザー、フランジャー、ディレイ、リバーブという5つのデジタルエフェクターを装備。ディレイはタップスイッチを搭載しているので、タップを押すだけでディレイタイムの設定ができる。リバーブは、アナログリバーブっぽい質感を持ったタイプで、スプリングリバーブのニュアンスを持っいる。

歪みのモードが4チャンネルということもあり、JCM2000などの通常のマーシャルのヘッドに近い操作性が感じられる。小型ながらスタックアンプのような(というか小型スタックなのだが)使い方ができるのが、うれしいギタリストも多いはずだ。デイヴ・ムステインの名前が付いているので、メガデス系の音を想像するかもしれないが、ふつうに多彩な音色が作れるモデルだ。

音色はこれだ!?
Clean Absolution

クリーンにコーラスを足したりするのはよくあるが、ここではフランジャーを強く効かせているのが特徴だ。エッジ感とスパイラル感が同居した、クリアながらスリリングなサウンドだ。

Symphony Chorus

クランチチャンネルではあるが、かなり歪んだプリセットになっている。そこにコーラスがかかっており、メタル系の曲で白玉のコードなどで使いたくなるような音色だ。

New Wave of British Heavy Metal

メタリックで固いドンシャリサウンドのセッティングだ。ザクザクした歪みは、まさにメガデス・サウンドといえる! ダウンピッキングで、ヘヴィなリフを弾きやがれ。

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幅がWeROCK2 冊分程度で、5w といえども大きなほうだ!

中央がパワー管の12BH7、右手前がプリ管のECC83。フルチューブ仕様だ!

チャンネルは、クリーンとオーバードライブの2チャンネル。ボタンひとつで切り替える

●出力:5w ●使用真空管:ECC83(プリ管)×1、12BH7(パワー管)×1 ●コントロール:クリーンチャンネル=ヴォリューム/オーバードライブチャンネル=ゲイン、ヴォリューム、ベース、ミドル、トレブル、ISF ●スピーカー:セレッション10インチ×1 ●入出力端子:インプット、フットスイッチ・イン、エミュレイテッド&ヘッドフォンアウト、スピーカーアウト、エフェクトループ ●外形寸法:442(幅)×430(高さ)×235(奥行き)mm ●重量: 約11.5kg
■問い合わせ:( 株) 神田商会(http://www.kandashokai.co.jp)

小型アンプの概念を超越した真空管トーン

今回の企画では、次ページのアンプと同じく完全アナログ仕様のモデルで、デジタルの要素は一切なし。そして、プリ、パワーともに真空管を搭載しているという小型とは思えない本格仕様のアンプだ。サウンドは、さすがのひとこと! 高品位なサウンドで、これこそギターアンプ本来の音がする。5wの小型アンプではあるのだが、サウンドにおいても、その作りにおいても開発者のこだわりが存分に感じられる。大型真空管スタックアンプと同質のサウンドが基本で、ヴィンテージテイストもありつつ、暴れすぎない洗練させた音になっている。激歪みを求める人にはもの足りない歪みかもしれないが、これこそロック本来、アンプ本来のオーバードライブサウンドなのだ。極上のヴィンテージ・マーシャルを洗練させ、現代でも通用するサウンドに仕上げている感じで、それがたった5wの小型アンプというのがすごいのだ。ただのハイゲイン小型アンプでは出せない、さらにはデジタルでは再現できないサウンドがこのモデルにはあるのだ。

ベース、ミドル、トレブル、そしてISFというEQ類。EQの効きは、それほど広くないが、どの位置でも使える音を出してくれるので、いい音が出るポイントを探す必要がない。フルにしても暴れず、絞っても音ヤセすることがないのだ。特筆すべきはISFツマミで、左に回すとミッドハイのピッキングの食い付き感が得られるフェンダー系のコンボ的なトーンになり、右に回すとミッドローが盛り上がってマーシャル系のサウンドでレンジにも余裕が出てくる。おもしろいのが、このコントローラーは、クリーンとオーバードライブで、どんどん違う顔を覗かせてくれる。必ずしも“左に回すとフェンダー系、右に回すとマーシャル系”というわけでもないので、このあたりを突き詰めると、2チャンネルのみのこのモデルでも、いろいろなニュアンスのサウンドが楽しめ、自宅でも飽きずに弾き続けることができるだろう。

クリーンは、真空管ならではの暖かみと洗練されたトーンが特徴だ。暖かいのだが、決してレトロではなく現代的なトーンを持っている。オーバードライブは、じつに、きめが細かく上品なサウンドを出してくれる。ものすごくいいブースターを接続したようなトーンで、ゲインの大小に限らず音ヤセがなく、どの位置でも上質なサウンドを出してくれる。

このモデルには、エフェクターもなければモダンなスタイルのメタルで使うような重低音の激歪みも出せない。しかし、ずっと弾いていたくなるような、ロックギター本来のいいサウンドが出せるのだ。音のヌケ、ピッキングのニュアンスの出方、すべてが5wの小型アンプとは思えない一級品のモデルで、上級者にもたまらないアンプだろう。

音色はこれだ!?
真空管ならではの暖かみが得られるクリーン

このモデルならではのクリーンサウンドで、EQ類は12 時の位置。ポイントは、ISFの設定でクリーンサウンドの特徴を出すために、左寄りにセットしてフェンダー系のトーンにしてみたところ。

フェンダー系を彷彿とさせる歪みサウンド

オーバードライブチャンネルを使用し、ISFを一番左にした時のサウンド。あえて個性がわかりやすいサウンドで試奏しており、中高域に寄ったトーンが特徴的だ。

マーシャル系ブリティッシュ歪みサウンド

同じくオーバードライブチャンネルだが、今度は、ISFを一番右にセッティングした時のサウンド。ローとハイも出てくる感じで、クリーン時にISFを使った時と、また違った感じになるのが不思議。

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ロック・バーにでも置いたら映えそうな愛らしいルックスを持ったアンプだ

パワーとスタンバイスイッチを装備し、電源ランプもLED じゃないところが素晴らしい!

このヴィンテージ・テイストあふれるコントローラーを見よ! サウンドも真空管ならではのトーンだぞ!

〈ヘッド部〉●出力:10w ●使用真空管:12AX7(プリ管)×2、6L6WGC(パワー管)×1 ●コントロール:ヴォリューム、トレブル、ミドル、ベース、ゲイン ●入出力端子:インプット、スピーカーアウト ●外形寸法:270(幅)×150(高さ)×180(奥行き)mm ●重量:5kg 〈キャビネット部〉●スピーカー:10インチ ●外形寸法:365(幅)×365(高さ)×230(奥行き)mm ●重量:7kg
■ 問い合わせ: 日本エレクトロ・ハーモニックス( 株)(http://www.electroharmonix.co.jp)

キュートなルックスからは想像できない太いトーン

今回、試奏した小型アンプの中で、もっともシンプルなモデルが、このケン・ジョーダンだろう。10wで、ルックスもかなりキュートなアンプだが、なんと、これで(失礼!)、オールチューブ仕様なのだ!  そのサウンドは、ヴィンテージテイストあふれるルックスどおりのブルージーで暖かみのあるトーンだ。だからと言って暴れるサウンドではなく、コントロールしやすい音になっている。トーンコントロールの幅は広くないのだが、クリーンでもクランチでも、どこにセッティングしても真空管ならではの暖かみのある音が出てくれる。この中域の押し出し感は、トランジスタやデジタルアンプでは、決してマネできないものだろう。ブルージーなフレーズにはうってつけのトーンを奏でてくれるが、それはフェンダーっぽくもありつつマーシャルっぽくもあり、その中間といえる独自のトーンでもある。今回、試奏した中では、もっとも歪まないモデルかもしれないが、そのぶんピッキングの強弱で歪み具合まで表現でき、弾いていて気持ちのいいアンプなのだ。また、ギター側のヴォリュームにアンプ側がしっかりとついてくるので、アンプ側を歪ませたセッティングにし、ギター側のヴォリュームとピッキングの強弱で音量とトーンを調整するという弾き方ができる。とにかくオシャレで可愛らしいルックスなのに、フルチューブで本格的なサウンドを出してくれるギャップがおもしろい。

ヴォリューム&ゲイン。ゲインとヴォリュームがあるが、ヴィンテージ・マーシャルのような2ヴォリューム感覚で調整すると扱いやすい。歪み具合も、ゲインだけではなく、ヴォリュームとの兼ね合いで調整するといい。ちなみに、ヴォリュームのほうをフルにして、ゲインを上げていくとプリ部での歪みにプラスしてパワー部の歪みが得られる。このコンプレッション感は、やはり真空管ならではのものだ。

これまたヴィンテージアンプっぽく、回していってもあまり変化がない潔さ。フラット(12 時の位置)だとおとなしめと感じてしまうので、オススメはフル10にして、このアンプの個性と暴れ具合を体感してほしい。

まず、音のレスポンスが速いことに、とにかく驚かされる。これは、フルチューブであり、シンプルな設計だからこそ可能にしたもので、ピッキングした瞬間に、スピーカーから音が飛び出してくる感じなのだ。ピッキングの強弱がそのまま表現されるので、“ギターを弾いている” 感覚が、この10wのモデルで表現されている。

音色はこれだ!?
シンプルでいながら奥が深いクリーン

チャンネルという設定はないので、ヴォリュームとゲインで歪みを調整していく。まずは、クリーンサウンド。ヴォリュームをフル10にして、ゲインで音量調節をするというサウンドだ。

ブルージーなフレーズに最適なクランチ

ゲインを12 時の位置にして試奏。トーン類はフル10だ。クリーンからクランチになるサウンドで、ピッキングの強弱により歪み具合が調整できる、ピッキング・ニュアンスを生かした音作りだ。

アンプのポテンシャルをフルに発揮した音

ゲインをフル、トーン類もフル10にしたサウンド。激歪みというわけではないが、真空管のコンプ感がよく出ている。それでも、音がツブれずにチューブならではの暖かさを出してくれている。

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ついにWeROCK誌よりも小さいアンプが登場。写真的には、WeROCKの写真になってます が、後ろにちゃんとあるのです!

コントロール類は、上部に配置されている。小型の場合、こちらのほうが操作しやすいぞ!

通常の電源の他、単三電池6個でも起動する。これで、機材車などでも演奏可能!?

●出力:3w ●コントロール:アンプ(BTQクリーン、ブラック2×12、ツイード4×10、AC15、AC30TB、UK '70S、UK '80S、UK '90S、CALIメタル、USハイゲイン、ライン)、ゲイン、トーン、マスター、トリム、ディレイ/リバーブセンド、エフェクト(コンプ、コーラス、フランジャー、トレモロ)、ディレイ/リバーブ(アナログ、テープ・エコー、スプリング、ルーム)、タップ ●スピーカー:5インチ×1 ●入出力端子:インプット、マイクイン、AUXイン、ヘッドフォンアウト ●外形寸法:262( 幅)×223( 高さ)×174( 奥行き)mm ●重量:2.8kg
■問い合わせ:( 株)コルグ(http://www.voxamps.jp)

多数の名機をモデリングした充実の一台

今回の企画の中では、もっとも小さいモデルだ。しかし、このヴォックス MINI 3は、出力3wという、この小さなボディの中に、アンプモデル11種類、エ フェクト8 種類という多彩な音色を搭載している。ヴォックスの名機ACからフェンダー系、マーシャル系、近年のモダンなハイゲイン系などなど、小さな ボディからは信じられないほど内容の濃いモデルだ。MINI3は、クリーン/クランチ/オーバドライブというようなチャンネルを選ぶ方式ではなく、完全に搭 載されているアンプを選ぶという方式になっている。また、機能は最先端だが、エフェクトにはアナログディレイやトレモロ、さらにはスプリングリバーブに テープエコーも入っており、最先端とヴィンテージテイストが、この1台に集約されている。

かなりエグくかかってくれるデジタルエフェクターを装備。デジタルエフェクトであるが、コンプレッサーやアナログディレイをシミュレートしたエフェクトも入っており、こんな小さなアンプなのにエフェクターいらずのモデルだ。

どれもシミュレートしたアンプが、非常にわかりやすいモデリングだ。弾いてみるとわかるのだが、アンプの種類によって、トーンコントロールの効きが変わるようで、シンプルなのだが奥が深い小型アンプになっている。かなり小さな音量にしても、しっかりと歪んで鳴ってくれるので、家で練習するには充分すぎるモデルだ。

音色はこれだ!?
ヴォックスと言ったら、このサウンドだ!

AC15をセレクト。ゲインをフル10、トーンは12時、エフェクターにコンプとテープエコーをセレクトし、それぞれいちばん強い位置でかけてみた。ブライアン・メイを彷彿とさせるサウンドだ。

ソロを弾くには、最適なドライヴサウンド

アンプモデルにUK '80Sをセレクトし、ソロに最適な音色を作ってみた。ゲインはフル、トーンは12 時、エフェクトはオフで、アナログディレイを多めにかけたサウンド。

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 フェンダーアンプならではのルックスをしていながら、とてつもない機能を搭載しているデジタルアンプだ。エフェクターラックやマルチエフェクターが、そのまま入っていると言っても過言ではなく、細かい設定も可能だし、とにかく膨大なプリセット、エフェクター、さらにはサウンドループ(カラオケ的な演奏が収録)にレコーディング機能、そしてオーディオインターフェイス的な機能まで搭載しているという、アンプの概念を超越したモデルだ。サウンドループは、セパルトゥラをはじめ、多ジャンルの大物アーティストが、このアンプのために録音したという音源が入っているから驚き。肝心の音のほうは、プリ セットされている音色を選んで弾いていくだけでも、多すぎて何日もかかってしまうほど膨大!

エディットは液晶に表示される図がエフェクターのイラストでわかりやすい。PCと接続してアンプやエフェクターの設定をリアルタイムに操作できるFenderFUSEなどソフトウェア3点が付属。

●出力:15w ●コントロール:アナログ部(ギタートーン、バンドレベル、ヴォリューム)、デジタル部(スタート/ストップボタン、クイックアクセス・ボタン、タップ/チューナーボタン、フレーズ・サンプラー、ディスプレイ、ソフト・キー×45、セーヴキー、イグジット/ユーテリティキー) ●スピーカー:フェンダー・スペシャル・デザイン8インチ×1 ●入出力端子:インプット、SDカード・スロット、ヘッドフォンアウト、USBポート ●外形寸法:390(幅)×350(高さ)×185(奥行き)mm ●重量:9.7kg
■問い合わせ:( 株) 山野楽器海外事業部・営業部(http://www.fender.jp

音色はこれだ!?
プリセット01

リード用のサウンドだと思われるプリセットで、あえてフェンダーっぽくない音で試奏してみた。

プリセット04

クリーン系のプリセットで、このモデルならではの機能を駆使したサウンドとなっている。