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(※)表記されている価格は2014年3月31日以前のものです   

実力派小型モニター7台徹底試聴レポート

今回の試聴方法

 今回の試聴は、大西 航氏が所属するバズーカスタジオの1stコントロールルームにて 氏が普段からメインで使用しているモニターの定番「ヤマハNS-10M」と聴き比べながら 行なった。
 試聴ソースとして使ったのは、ロック/メタル系、アコースティック系、テクノ/R&B系 から選んだ3曲。それぞれ順に、@ギルガメッシュ『MUSIC』より「ブレイク・ダウン」(大 西氏自身がエンジニアを担当)、Aエリック・クラプトン『アンプラグド〜アコースティック ・クラプトン』より「いとしのレイラ」、Bリアーナ『グッド・ガール・ゴーン・バッド』より 「ホーンティッド」(スティーヴ・マック・クラッシクス・ミックス)である。
 なお、大西氏は自宅でもNS-10Mを所有する他、タンノイの名機System1000を「低域 の解像度の高さと、同軸型で定位も正確。リバーブの音の粒まで見える」という理由で 愛用している。

今回の試聴方法

円グラフの見方

原音再生能力

 試聴した音源が、どれだけ原音に忠実に再生 されたかを、大西氏が自分の耳で確かめて表示。

フラットさ

 特定の帯域が強調されず、どれだけ色付けが されていないかをチェック。

ダイナミックレンジ

 低域から高域まで、どのくらい幅広い帯域が 再生されるのかを表わしている。

前後感

 音源のサウンドの前後感が、どれだけ再生さ れるかをチェック。外側に行くほど奥行きがある ことを表わしている。

※モニターは、再生環境や使用機材などによっても聴こえ 方は異なってくるので、この円グラフは、あくまでもひとつ の目安として参照してほしい。

BM5A Compact:ダイナオーディオ・アコースティックス

 サウンドはハデめですね。中低域が豊かで、聴いていて気持ちいいです。ダイナオーディオ・アコースティックスらしい前に出る中低域で、高域もキレイに出ています。通常、小さい音でミックスすると低域が見えづらいものなんですが、これくらい低域が出ていると聴こえやすいですね。解像度の点では、その中低域が若干ゴチャつく感じがありますが、レンジの広さも申し分ないし、原音忠実度も高いです。前後感と左右の広がりも十分で、特に生楽器系では奥に空間がパッと広がって、スモールモニターという感じがしませんでした。
 ジャンルを選ばず、どんな音楽にも合いますが、個人的にはアコースティック系が気持ち良かっ たです。中低域が豊かで生楽器の生々しいところが聴こえてきて、不要な帯域も見分けやすい。 ハイパスフィルターとEQも付いていて、特に自宅だと低域をカットしたい場面も多いので、マイナス2dB落とせるというのはいいですね。

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リアパネルにはハイパスフィルターとEQが搭 載されているので、自分の部屋の音響特性な どに合わせて出音をチューニングすることが できる

SPEC

●タイプ:2ウェイ・バイアンプ ●ウーファー:14.5cm ●ツイー ター:2.8cm ●周波数特性:55Hz〜21kHz ●出力:HF=50W、 LF=50W ●入力レベル=ー16dBu RMS @ 0dB ●クロス オーバー周波数=1.5kHz ●コントロール:ハイパスフィルター (フラット/60Hz/80Hz)、レベルトリム(−10dB/0dB/+4dB) LF調整(−2dB/0dB/+2dB)、MF調整(−4dB/−2dB/ 0dB/+2dB)、HF調整(−1dB/0dB/+1dB) ●入力端子: インプット(XLR) ●外形寸法:170(W)×260(H)×235(D)mm ●重量:7.0kg

EDIROL:エディロール

 最初にバンドものを聴いたところ、低域が非常に豊かに出ているので、若干EQで下げて試聴してみました。高域がすごくキレイに出ていて、低域も豊かなんですが、超低域は標準的な感じですね。80年代っぽいドンシャリ感があります。それと、低域のふくらみ方に個性があって、逆に中域が少なめなので、ダンス系やR&B系にはいいと思いました。前後感と左右感も狭めですが、逆にビートをよりダイナミックに感じられるという長所がありますね。音を小さくしてもキックとかがよく見えるので、打ち込み系には使いやすいし、気持ちいいと思います。
 それと、EQが前面に付いているので、これを積極的に使って、自分の環境に合わせていけるのはいいですね。デジタル入力も付いているし、ボリュームツマミも2系統別にあるので、色々な機器を接続できるのも便利だと思います。DAW環境に特化したモニターとして、とても面白い製品だと思いました。

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ボリュームやEQのパラメーターが、R側のユ ニットのフロント面にレイアウトされている。椅 子に座ったままサウンドの微調整ができるの が、このMA-20Dならではのメリットだ

SPEC

●タイプ:2ウェイ・バスレフタイプ ●ウーファー:12cm ●ツイー ター:4cm ●周波数特性:50Hz〜22kHz ●L・R合計出力:HF =20W、LF=20W ●入力レベル=ー10dBu ●入力インピー ダンス=18kΩ ●コントロール:ベース、トレブル、デジタル/ ライン1ボリューム、ライン2ボリューム、デジタル入力切り替え スイッチ ●入出力端子:ヘッドホン、インプット(RCAピン=L/R フォーン=L/R)、デジタルイン(オプティカル、コアキシャル) ●外形寸法:170(W)×280(H、※Lユニットは256mm)× 261(D)mm ●重量:4.5kg(右)、4.2kg(左)

GENELEC:ジェネレック

 こんなにサイズが小さいのに、ちゃんと低域が見えて、しかも無理してふくらましている感じではないのがスゴいですね。ジェネレックというと、ハデで気持ち良く鳴るというイメージがありますが、このモデルは傾向としてはおとなしめで、柔らかい感じの音がします。レンジが狭めなのはサイズ的に仕方がないところですが、ヘンなふくらみやピークがまったくないのには好感が持てました。解像度も悪くはないし、前後感は少ないけど左右の広がりはあって、楽器もよく見えますね。
 小さい音量でも正確にモニターできるので、部屋が狭いとか大きな音量を出せない人には使いやすいと思います。大きなモニターを買っても、音量を出せないのであれば、あまり意味がないですからね。あと、どこにでも持って行けるので、友達の家とかでも同じ音で作業ができるのがいいですよね。インシュレーター付きなので、置く場所を選ばないというのもポイントが高いと思います。

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周波数特性は、背面のトーン・コントロールス イッチ(BASS TILTとDESKTOP CONTROL)を 使って、音響環境に合わせて調整ができる

SPEC

●タイプ:2ウェイ・バイアンプ ●ウーファー:7.6cmコーン  ●ツイーター:1.9cmメタルドーム ●周波数特性:74Hz〜18kHz @±2.5dB ●出力:HF=12W、LF=12W ●入力レベル =−12dBu ●クロスオーバー周波数=3kHz ●入力インピー ダンス=10kΩ ●コントロール:デスクトップコントロール範囲 (0dB〜−4dB@200Hz)、BASS TILT可変量(0dB/−2dB/ −4dB/−6dB@100Hz) ●入力端子:RCAピン ●外形寸法 :121(W)×181(H)×114(D)mm ●重量:1.4kg

KRK:ケイ・アール・ケイ

 第一印象としては、丸っこい筐体と黄色いウーファーがかわいいですね。サウンド的には低域が多いんですけど、それもふくらむ感じではなくて、タイトに前に出てくるのが特徴ですね。逆に中域の、ギターやボーカルの色っぽい部分は少なめなんですが、低域の解像度は優秀で、キックとベースがダンゴにならずにタイトに出てきます。前後感と左右感、原音忠実度はどれもスタンダードな印象でしたが、今の音楽に向いている、聴いていて非常に気持ちいいサウンドになっています。とにかくテクノやR&B系のキックは抜群に気持ちいいですね。
 ジャンルとしてはテクノ/R&B系以外では、打ち込み系とか、ヘヴィメタルやラウドロック系あたりの低音が重要になる音楽が好きな人にオススメです。小さい音でもちゃんと低域が出るし、逆に 大音量の時よりも聴こえてくるコンプ感もありました。底がゴムになっているのも、しっかり設置で きる感じがして好印象ですね。

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リアパネルには高域専用のEQとボリュームツマ ミを装備。入力端子は、バランスのXLRとフォー ン、アンバランスのRCAが用意されている

SPEC

●タイプ:2ウェイ・バイアンプ ●ウーファー:12.5cm ●ツイーター:2.5cm ●周波数特性:52Hz〜20kHz@±2.0dB ●出力:HF=15W、LF=30W ●クロスオーバー周波数=3000Hz ●入力インピーダンス=10kΩ ●コントロール:HFレベルアジャ スト(−2dB〜+1dB)、ボリューム(−30dB〜+6dB) ●入力端子 :インプット(XLR、フォーン、RCAピン) ●外形寸法:185(W)× 282(H)×230(D)mm ●重量:約6.1kg

M-AUDIO:エムオーディオ

 これはとても元気で楽しいサウンドですね。音がシャキシャキと前に出る印象で、NS-10Mのような張り出し感があります。奥行きを広げるというよりは前に出てくる感じなので、オンマイクの音や、アタック感が見えやすいです。低域は無理して出していないせいか、若干少ないので、これで気持ち良く聴こえるように音を作ると、低域が出過ぎてしまうかもしれませんね。解像度は、シャキシャキしているので音そのものはよく見えますが、リバーブが奥に行く感じとか、空気感の見え方は標準的だと思います。ですので、リスニング用のスピーカーとして使うには、ちょっと寂しく感じるかもしれませんが、ミックスでのモニターとしては十分ですね。
 音量を上げると気持ち良く鳴ってくれるので、元気な音を出したい人にはオススメです。ロック系 のバンドものでも気持ち良くミックスできますし、音が前に出てくるテクノやR&B系とかにもいいと 思いますよ。

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リア側には大型のバスレフが装備されており その他にXLRとフォーンという2タイプの入力 端子、そしてボリュームが取り付けられている

SPEC

●タイプ:2ウェイ・バイアンプ ●ウーファー:12.5cm ●ツイーター:2.5cm ●周波数特性:56Hz〜22kHz ●出力: HF=30W、LF=40W ●入力レベル=85mVピンクノイズ入力で 90dBA出力SPL●クロスオーバー周波数=3kHz ●入力インピー ダンス=20kΩ(バランス)、10kΩ(アンバランス) ●コントロー ル:ボリューム ●入力端子:インプット(XLR、フォーン) ●外形 寸法:176(W)×250(H)×200(D)mm ●重量:5kg

TANNOY:タンノイ

 タンノイはオーディオ用の高級スピーカーでも有名ですが、このREVEAL 5Aの音は非常にモニター的で使いやすいですね。低域の少ない感じはNS-10Mっぽくもありますが、あくまでも上品なあたりにタンノイらしさを感じます。中域に密度と張り出しがあって、ボーカルの質感もしっかり聴こえました。解像度、原音忠実度共に高くて、コンプ感もよく見えます。左右の広がりは十分ですが、前後感は少なめで、手前の張り出し感で奥行きを付けている印象ですね。ヘンにふくらんでいる部分がなくて、いい意味で淡白なので、曲作りで気分を乗せてくれる感じはしないですが、ミックスでは使いやすいと思います。
 ジャンルでは、やはりボーカルものに向いていると思います。ボーカル周辺の中域の定位感がすごくわかりやすくて、繊細な女性ボーカルとかで鳴らしてみたいですね。それと、クラシックなどのリスニング用としても汎用性が高いと思います。

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エンブレム自体がスタンバイ/ミュートスイッチ になっており、右下のLEDが緑に点灯すれば 音が出る状態で、オレンジならばミュート状態だ

SPEC

●タイプ:2ウェイ・バイアンプ ●ウーファー:13cm ●ツイーター:2.5cm ●周波数特性:65Hz〜30kHz ●出力: HF=20W、LF=40W ●入力レベル=775mV for 40W ●クロス オーバー周波数=2.7kHz ●入力インピーダンス=600Ω ●コントロール:ミュートスイッチ、ボリューム ●入出力端子: インプット(XLR/フォーンコンボ) ●外形寸法:184(W)× 299(H)×271(D)mm ※突起物含まず ●重量:7.4kg

YAMAHA:ヤマハ

 まさにNS-10Mの進化型ともいえるサウンドで、今の時代らしく低域がすごくタイトですね。ふくらんだ感じではなく、タイトなまま伸びるんです。解像度も驚くべき高さです。NS-10Mより低域が出ているのに、まったく濁らない。キックの音のエンベロープまで見える感じで、ヘタなラージモニターよりも使えますね。原音忠実度も高くて、自分がミックスした作品では、作っている時に気になった部分が、やっぱり気になりました (笑)。前後感と左右感も正確で、引っ込み過ぎず、出過ぎずミックスしやすい前後感です。
 音楽ジャンルや楽器は選ばないですけど、NS-10Mより現代的な味付けなので、キックを重視する今の音楽に合うと思います。ただし、音の気持ち良さよりも正確さ重視なので、アコースティック系とかでは気持ちが乗りにくいところがあるかもしれませんね。リスニング用途では寂しく聴こえるかもしれないですけど、プロを目指す人にはオススメです。

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リア側にあるローとハイのトリムコントロールに より、部屋の環境、モニターの設置状況とポジ ション、制作する音楽ジャンルの特性などに応 じた、キメ細かな補正が可能になっている

SPEC

●タイプ:2ウェイ・バイアンプ ●ウーファー:12.5cm ●ツイーター:2.5cm ●周波数特性:50Hz〜40kHz(−10dB) ●出力:HF=27W、LF=40W ●入力レベル=XLR:+4dBu/ 10kΩ、PHONE:−10dBu/10kΩ ●クロスオーバー周波数 =2.5kHz ●入力インピーダンス=10kΩ ●コントロール: ボリューム、ハイトリム(+1.5dB/0dB/−1.5dB@15kHz)、 ロートリム(+1.5dB/0dB/−1.5dB/−3dB@60Hz) ●入出 力端子:インプット(XLR、フォーン) ●外形寸法:179(W)× 279(H)×208(D)mm ●重量:7.9kg

その他の高性能小型モニターカタログ

ALESIS:アレシス

モノラル2イン/ステレオ1アウトのUSB オーディオインターフェイス機能を内蔵しDAW環境での音楽制作にベストマッチする、高さ19cmの小型モニター。オーディオインターフェイス部には、楽器/マイク用の入力やヘッドホン出力も装備しているので、本機でモニタリングをしながらギターや歌を録音することが可能だ。なお、スピーカーはウーファーが7.5cm、ツイータが2.5cmという構成になっている。

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FOSTEX:フォステクス

音を鳴らした際に生じる不要な共振を防ぐ「HR振動板」を10cmのウーファーに搭載。ツイーターにはリッジドームという振動板を、そしてサブウーファーには低域の被りを考慮したローカットフィルターを装備し、低域から高域まで忠実に再現してくれる。また、アンプ部はデジタル/アナログ複合のバイアンプ方式になっており、様々なモニタリングのシチュエーションで使用可能なモデルとなっている。

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MACKIE:マッキー

最大の特徴は、角のない曲線を持ったボディ構造で、これにより再生音の反射による位相差を回避でき、忠実なモニター環境を実現している。また、設置状況に応じて低音を調節することができる「アコースティックスペース機能」を装備。また、スピーカーは約17cmのウーファーと2.5cmのツイーターを搭載しており、それぞれ150W(ウーファー)と100W(ツイーター)まで再生することができる。

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TASCAM:タスカム

 高さ24.5cm、重さ3.6cmというコンパクトなサイズのボディに、10.2cmのウーファーと2cmのドームツイーターを装備した、ニアフィールドモニター。低周波と高周波を再生するために、ウーファーとツイーターそれぞれに別々のパワーアンプを搭載する「2ウェイ・バイアンプ方式」を採用しており、宅録環境では聴き取りにく い低域と高域をバランス良く再生することができる。出力は21W+21W。

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BOSE:ボーズ

パソコン用のモニタースピーカーと変わらない高さ12.3cmというコンパクトなボディに、ボーズのスピーカー技術の粋を集めた、デスクトップ専用モデル。2つのパッシブラジエターを向かい合わせて配置することで重低音を発生させる最新の低音再生技術「ハイパーレゾネーター」を採用し、このサイズのスピーカーでは難しかった、サブウーファーで鳴らしているような、自然な低音を再生することができる。

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KRK:ケイ・アール・ケイ

丸みを帯びた個性的なボディデザインと、黄色いコーンが印象的なコンパクトモデル。不要な共振を防ぎ、伸びのあるサウンドと幅広いスイートスポットを実現している。2.5cmのシルクドームのツイーターは自然な反応でハイエンドを再生し、10cmのウーファーは歪みをしっかり抑えて豊かなローエンドを再現してくれる。
ボディサイズは高さ25.6cmと、同社のモデルの中でも最小だが、サウンドは本格派だ。

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Roland:ローランド

AES/EBU、オプティカル、コアキシャルといった豊富なデジタル端子を装備し、デジタル24ビット/192kHzの入力に対応したニアフィールドモニター。スピーカーはウーファーが13cm、ツイーターが1.9cmで、アンプユニットは2ウェイのバイアンプ仕様となっているため、ウーファーとツイーターをそれぞれ干渉せずに動作させ ることができ、低域から高域まで幅広いダイナミックレンジを実現している。

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