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(※)表記されている価格は2014年3月31日以前のものです   

モニタースピーカーの基礎知識と選び方

モニタースピーカーが必要な理由と各部の役割

 録音した音を聴いたり、エフェクトの効果を確認するのにスピーカーが必要なことは言うまでもないが、
スピーカーであれば何でもいいかというと、実はそうではない。宅録では、レコーディング専用のモニター
スピーカーが必要なのだ。では、専用のモニタースピーカーは、コンポなどのスピーカーと何が違うのだ
ろうか?

 ミニコンポやオーディオなどのリスニング用のスピーカーは、心地よく音楽を楽しめるようにサウンドに
味付けがされている製品が多い。例えば、小型のスピーカーで小音量で鳴らしても音楽のダイナ
ミクスが味わえるように、低域が持ち上げられて再生されるような工夫がなされていたりするのだ。
 これに対してモニタースピーカーのサウンドは、原音に忠実、つまりフラットな特性が大原則となっている。
例えば、低音が持ち上がって聴こえるミニコンポのスピーカーでミックスをしてしまうと、自宅では迫力あるサウンドが作れたとしても、友達の家で再生するとショボく聴こえてしまう、といったことが起きるのだ。

 次にモニターの構造だが、現在では高域を鳴らすツイーターと、中低域を鳴らすウーファーという2つのスピーカーからなる「2ウェイ方式」が主流で、モデルによって密閉型と箱の一部に穴が開いているバスレフ型がある。

 サイズに関しては、ラージ、ミディアム、スモールの3つに大きく分けられる。レコーディングスタジオでは大型のラージモニターを使っているイメージがあるかもしれないが、ほとんどの場合、ミックスではミディアムかスモールを使い、超低域のチェックのみにラージが使われている。また、モニターは、それなりの音量で鳴らさないと本来の性能が発揮できないので、大音量で鳴らせない環境では、小さい音量でも全帯域をバランス良く鳴らせる小型モニターがオススメだ。

モニタースピーカーが必要な理由と各部の役割

バスレフの形状によるサウンドの違いとは?

 モニタースピーカーは、スピーカーユニットが前後に動くことによって音が鳴るのだが、
実際はスピーカーユニットの前方だけでなく、後方でも音が鳴っている。この後方で鳴っ
ている音をキャビネット内で共鳴させて、それを「ダクト」と呼ばれる穴から放出させるこ
とで、効率良く低音を再生するシステムがバスレフだ。このバスレフにより、スモールモ
ニターでも十分な低域が鳴らせるのだ。
 ダクトはモデルによって形・位置・数などが様々で、それにより低域の聴こえ方も変わってくる。実際には見た目で決めるのではなく、できるだけ店頭で聴き慣れたCDのサウンドをチェックして、好みの低域が出るものを選ぶようにしよう。

バスレフの形状によるサウンドの違いとは?

パワードタイプとノンパワードタイプでは、どちらがビギナーに向いているの?

 モニタースピーカーには、電源ケーブルをコンセントに差し込むだけで音が出るものと、
それだけでは音が鳴らないタイプの2種類があり、前者をパワードタイプ(アクティブスピー
カー)、後者をノンパワードタイプ(パッシブスピーカー)と呼んでいる。
 なぜパワードは電源ケーブルを挿しただけで音が鳴るのかというと、スピーカーを鳴らす
ためのアンプが内蔵されているからだ。逆に言えば、ノンパワードは別途アンプが必要になるのだが、スピーカーと相性のいいアンプを見つけるの
は難しく、またシステムも大規模になりがちだ。しかし、パワードタイプならば、メーカーがそのモデルのために開発したアンプが内蔵されているので宅録ビギナーでも安心だ。ちなみに、現在ではウーファーとツイーターに専用アンプをそれぞれ独立して搭載し、高域と低域が干渉しない構造を 持っている「バイアンプ方式」のパワードモニターが主流になっている。

パワードタイプとノンパワードタイプでは、どちらがビギナーに向いているの?

楽器店でモニタースピーカーを試聴する際は、どんな点に注意すればいいのか?

 原音を忠実に再現するのがモニタースピーカーの理想だが、実際にはモデルによって、
サイズ、デザイン、価格などもまちまちだ。そこでモニタースピーカーを選ぶ際は、これらの
ファクターを考慮に入れつつも、あくまでも自分の制作スタイルや環境に合ったものを選ぶように心掛けよう。
 店頭で必ずチェックしたいのは、もちろんサウンドだ。まずは自分で作った曲やお気に入りのCDを家で聴いて、その音の傾向を覚えておくか、そのイメージをメモしておこう。そうすれば、店頭で試聴する際の耳の基準が出来るので、試聴する製品の出音の傾向がつかみやすくなる。その際、曲全体でなく、特定のパートやフレーズに絞って聴くと、ビギナーでも比較しやすいだろう。また、売り場の広さによっても音の響きが変わってくるので複数の店で試聴する場合は、ウーファーやツイーターに耳を近づけてチェックする方法も試すといいだろう。

モニタースピーカーのカタログに出てくる専門用語の意味

モニタースピーカーのカタログには、初心者にとっては見慣れない専門用語が数多く登場する。そこで、ここではカタログなどに掲載されているスペックのうち、特に重要なものを抜き出して解説してみた。スペックが理解できれば、より確実に自分が求めているモデルが探せるようになるので、この機会に用語の正確な意味を覚えてしまおう。

出力(定格出力)

 モニタースピーカーが歪みを発生させずに、連続して長時間出力し続けることができるパワー値のこと。この値が大きいほど、スピーカーから 再生されるサウンドはパワフルなものとなる。なお、音声信号は音量が常に変化するため、瞬間的にはこの定格出力以上のパワーを発揮させる ことができる。ちなみに、単位は「W」で表わされる。

入力レベル(入力感度)

 入力レベルとは、ボリュームを最大にした時に、そのアンプの定格出力が得られる入力の大きさを表わしたもので、単位は「dBu」で表示される。
パワードスピーカーの場合は、モニタースピーカー内に内蔵されたパワーアンプの、定格出力時の入力電圧のことを指す。

周波数特性

 周波数特性は、モニタースピーカーが再生できる、最も低い音から最も高い音までの再生範囲を表わすもので、単位は「Hz」で表わされる。
この範囲が広ければ広いほど、再生能力が高いといえる。通常、人間の可聴範囲である20Hzから20kHzまでの音をカバーしているモニターが理 想だが、実際の低域にはフラツキがあるので、約50Hz程度から20kHz程度までのスペックの製品が多い。

クロスオーバー周波数

 モニターから再生されるサウンド全体の周波数を2つか3つに分割した時に、ツイーター(高域用)とウーファー(低域用)の各スピーカーユニット が受け持つ周波数帯域の境界にあたる周波数のこと。単位は「Hz」で表わされる。例えば、ツイーターとウーファーの2ウェイタイプの場合、その2つ のスピーカーユニットに分割されている帯域がちょうど交差するところにあたる。この境目がなめらかであることがモニターの再生能力の大切な 要素になっている。

入力インピーダンス

 アンプの入力回路の内部抵抗を表わす数値で、単位は「Ω」で表わす。
同じ大きさの音声信号を流そうとした場合、インピーダンスの低いスピー
カーには、高いスピーカーよりも大きな電流が流れる。