トップページ > 【レビュー】「electribe」の使い方〜EDM系にも最適!〜

KORG electribe徹底レビュー

 ダンスミュージック用のパフォーマンス&プロダクションツールとして人気の「ELECTRIBE(エレクトライブ)」シリーズ。ここでは、その最新モデル「electribe」に収録されているパターン、パフォーマンス方法などを紹介したいと思う。今旬のEDM系の音楽が好きで、ちょっとパフォーマンスしてみたいと思っている人は必見だ!



収録パターンの紹介

 2003年に発売された「Electribe・MX」をご存知の方も多いと思うが、とにかくelectribeシリーズと言えば、その時代の最先端のダンスミュージックシーンを強く意識しているのが特徴だ。この新「electribe」にも200種類に及ぶパターン(※)があらかじめ収録されており、ハウスやテクノ、EDM、TRAP、チップチューン系などが用意されている。

※パターンの201〜250は空のパターンとなっている。「electribe」では、最大250のパターンを作成し、保存することが可能だ





基本的な操作法

パターンを再生する

 本体の電源を入れると、最初にパターン001「Magician 1」が表示される。まずは「Play/Pause」ボタンを押して、このパターンを再生してみよう。「Magician 1」の場合、BPMは134で4小節のフレーズとなっている。再生中の小節位置は本体右側の1〜4で確認可能だ。


パターンの再生時のディスプレイ

▲ディスプレイには、現在選択中のパターンとBPMが表示される


「Play/Pause」ボタン

▲「Play/Pause」ボタンを押すとパターンが再生される

ステップ・ボタン

▲現在再生中の小節位置は、1〜4のステップ・ボタンで確認可能だ


Tapボタンでテンポを変更1

Tapボタンでテンポを変更2

▲再生中に「Tap」ボタンを数回押すと、そのテンポにBPMを変更することもできる。こちらは、「134」のBPMを「94」へと落としてみたところだ




パターンを切り替える方法

 別のパターンに切り替えたいときは「VALUE」ノブを回すか、「Pattern Set」機能を利用して、事前にトリガー・パッドに任意のパターンをアサインしておけばいい。トリガー・パッドは16個用意されており、1〜4のグループを活用すれば、最大64個のパターンを登録しておくことができる。


「VALUE」ノブ

▲ディスプレイ右にある「VALUE」ノブを使うと、別のパターンに切り替えることができる


パターンの登録1

パターンの登録2

パターンの登録3

▲また、「Pattern Set」機能を使うと任意のトリガー・パッドにパターンが登録可能だ


「Pattern Set」を使ってトリガー・パッドでパターンを呼び出す

▲「Pattern Set」が有効になっていると、写真のように16個のトリガー・パッドで、パターンの再生が行なえる




パートを演奏する方法

 トリガー・パッドは、パターンを切り替えるだけではなく、パターンを構成するパート(シンセ、キック、スネアといった音色)の演奏にも利用できる。まずは、演奏したいパートを「<Part」または「Part>」をクリックして選択し、「Keyboard」ボタンを有効にしよう。これで、トリガー・パッドを文字通りキーボードのように使うことができる。また、「Chord」ボタンを押すとトリガー・パッドでコードを演奏することも可能だ。




「<Part」「Part>」ボタン

パート切り替え

▲electribeの各パターンは、最大16パートの音色で構成されている。「<Part」または「Part>」を押すと各パートが選択でき、選択されたパートはディスプレイに表示される仕組みだ


「<Part」「Part>」ボタン

パート切り替え

▲選択されたパートは、「Keyboard」ボタンを押すとトリガー・パッドを使って演奏することができる


「Menu/Enter」キー

キー表示

スケール表示

▲「Menu/Enter」キーを押すと、トリガー・パッドの仕様(キーやスケール)を変更することも可能だ





タッチ・パッドを使ったパフォーマンス

 新「electribe」では、パターンを再生するだけではなく、本体左下の「タッチ・パッド」を利用することで、リアルタイムにエフェクトをかけたり、スケールの演奏をしたり、アルペジオを奏でることもできる。これは同社の「kaoss pad」や「kaossilator」の技術を使ったもので、「electribe」を強力なパフォーマンスツールへと変える機能だ。



タッチ・パッドでエフェクトをかける方法




 「electribe」は、各パートごとにインサート・エフェクトとマスター・エフェクトがオン/オフできるようになっている。スネアやシンセなど、個別にエフェクトをかけたいときはインサート・エフェクトを利用し、タッチ・パッドを使ってパターン全体の音色をコントロールしたいときはマスター・エフェクトを利用するといい。例えば、マスター・エフェクトに「フィルター」をアサインしておけば、タッチ・パッドでDJの定番パフォーマンスも表現することができる。



「IFX On」ボタン

「MFX Send」ボタン

▲希望のパートを選択後、「IFX On(インサート・エフェクト)」ボタン、または「MFX Send(マスター・エフェクト)」ボタンで、インサート・エフェクトとマスター・エフェクトのオン/オフが設定できる


マスター・エフェクトの選択

▲マスター・エフェクトで使用するエフェクトは、「Menu/Enter」キーで選択可能だ。ここでは、「18 Low Pass Filter」を選んでみた


「Master Fx」をオン

タッチ・パッドでマスター・エフェクトのパラメーターを操作

▲「Master Fx」をオンにした状態でタッチ・パッドをなぞると、マスター・エフェクトのパラメーターが操作できる。この時、「MFX Hold」もオンにしておくと、指を離した後もエフェクトの状態を保持することができる(指を離したときにエフェクトがかかったままにできる)



タッチ・スケールやゲート・アルペジエーターを使う





 タッチ・パッドでは「Touch Scale」を有効にすると、スケール(音階)の演奏も行なえる。しかも、プリセットのパターンの場合、パターン(楽曲)に沿ったスケールのみが使用されるため、フレーズが破綻しない点もポイントだ。また「Gate Arp」を有効にしておけば、アルペジオの演奏も行なえる。動画でも紹介しているように、スネアなどに適用すれば、EDMでよく聴かれるピッチアップするフィルも簡単に表現することができる。



パターンの登録1

▲任意のパートを選択して、「Touch Scale」をオンにする。すると、タッチ・パッドでスケールが鳴らせるようになる

パターンの登録2

▲「Gate Arp」をオンにすれば、選択したパートの音をテンポやリズムに合わせて演奏することができる

パターンの登録3

▲タッチ・パッドを指でこする場合、X軸=ゲート・スピード、Y軸=発音の長さとして機能する




オリジナルパターンを作る方法

 「electribe」では、内蔵音源を利用してオリジナルのパターンを作成することもできる。パターンの作成には、リアルタイム・レコーディングとステップ・レコーディングが用意されており、ノブやボタンの動きを録音する(モーション・シーケンス)も可能だ。


空のパターンを選択

音色を「Oscillator」ノブで変更

▲まずは空のパターン(デフォルトではパターン201〜250)を用意して、「<Part」または「Part>」ボタンを押して録音に使用するパート(音色)を選ぼう。各パートにアサインされている音色は、「Oscillator」ノブで変更できる


音色を「Oscillator」ノブで変更

▲「electribe」には、アナログ・モデリングとPCMからなるオシレーター波形が409種類も装備されており、サンプリング素材のディベロッパーとして有名なSample Magic、Loopmasters、PRIME LOOPSらと開発をコラボしている点も見逃せない


小節数の長さを設定

ビートを設定

▲「Menu/Enter」ボタンを押して、小節数の長さやビートを決めてレコーディングを開始しよう


小節数の長さを設定

ビートを設定

▲「Sequencer」ボタンを有効にすると、トリガー・パッドをステップシーケンサーとして利用できる(※)。ビートを「16」に設定した場合、4マスで1拍となる(画像はハイハットを4分音符刻みで入力した例)
※「electribe」では、空のパートでもキックの4つ打ちだけはあらかじめ入力されている


演奏をリアルタイムで録音

▲「Keyboard」ボタンを有効にして「録音」ボタンを押すと、リアルタイムの演奏を録音することができる。この時、フィルターなどの各種ノブも記録することが可能だ



ファイルの書き出し(WAV/Ableton Live Set)

 「electribe」では、作成したパターンをWAVファイルや、Ableton「Live」で使用可能なLive Setとして書き出すことができる。書き出したファイルは、メモリー・カードに保存され、PCやMacへと移すことも可能。「electribe」で作成したパターンを元に、DAWソフトで楽曲を仕上げる手もありだ。

SDカードスロット




SPEC

【音源システム】

・最大同時発音数:24ボイス ※1
(擬似ポリフォニック ※2)

・パート数:16

・サンプリング周波数:48kHz

・オシレータ・タイプ:409種類

・フィルター・タイプ:16種類

・モジュレーション・タイプ:72種類

・メモリー容量:250パターン

・インサート・エフェクト:38種類

・マスター・エフェクト:32種類

※1:Oscillator、FilterやInsert Fxのタイプによって、パターン全体の同時発音数が変化します。

※2: ボイスごとの独立したパラメーターを簡略化し、4ボイスで通常の1ボイスのパラメーターを共用。


【トリガー・パッド】

・16個(ベロシティ対応)


【外部記憶装置】

・SDカード (1GB以上)、SDHCカード (最大32GBまで)


【筐体】

・亜鉛ダイキャスト製


【質量】

・1.6kg(電池含まず)


【シーケンサー部】

・パートごとに最大64ステップ

・1パターンにつき最大24系統のモーション・シーケンス

・パート毎にLast Stepを変更可能


【接続端子】

・Audio端子
  L/MONO Output(標準フォーン・ジャック)
  R Output(標準フォーン・ジャック)

・MIDI:IN/OUT(同梱の変換ケーブル使用)

・USB端子:タイプmicro B

・Sync:IN/OUT(ステレオ・ミニ・ジャック)


【電源】

・ACアダプターまたは単3形電池(アルカリ乾電池またはニッケル水素電池)6本

・電池寿命:約5時間(Power Saving:ON、ニッケル水素電池使用時)

・消費電流:500mA以下


【外形寸法】

・(WxDxH)339x189x45mm


【付属品】

・取扱説明書、ACアダプター(KA-350)、MIDI変換ケーブルx 2、Ableton Live 9 Lite付属(ライセンス・カード同梱)




KORG「electribe」

価格:¥50,000(税抜)

問い合わせ:http://www.korg.com/jp/products/dj/electribe/