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(※)表記されている価格は2014年3月31日以前のものです   

ヤマハの新製品「HS5」と「HS7」をプロの耳でチェック!

──今回はお二人ともご自宅でHS7を試されたそうですが、どのようなセッティングで試聴したのですか?

島田:僕はヤマハNS-10M STUDIO(以下NS-10M)とHS7の2台を並べてチェックしました。いつもはNS-10MとアダムS2Aを使っていて、そのアダムをHS7に入れ替えて、実際にレコーディングでも試してみました。バスレフポートが背面にあるので、壁からの距離によっては部屋の影響を受けるかなと思いながら試聴を始めたんですけど、NS-10Mやアダムよりもローがしっかり鳴りましたね。下の帯域の空気感、例えばキックの「バフッ」という余韻までしっかり聴こえてくるので、作業がしやすかったです。ただし、音量を上げるとローが少し回ってしまったので、背面のルームコントロール・スイッチを「-2dB」にすると、ちょうどいいバランスになりました。

後藤:僕も実際に楽曲の制作で試してみました。2008年頃からヤマハのHS50MとMSP5 STUDIOを愛用しているんですけど、今回はスピーカースタンドの上にHS7とHS50Mを横置きで積んでセットして、両方をスイッチングしつつ試聴しました。サウンドは想像通り、コントロールしやすい音でしたね。HS50Mのナチュラルで、どこもデフォルメされていないという特性を引き継ぎつつ、さらに余裕を感じさせる音でした。

──余裕というのは?

後藤:曲の中に含まれているキラキラしたハイ成分や、キックのローの感じをトータルで見渡せる分解能の高さを持っているということです。制作の際、僕はキックのローの見え方を一番のポイントにするんですが、そこもよく作られています。今日試聴を行なったヤマハさんのスタジオでも、音の印象が自宅のck@STUDIOで聴いた時と大きく変わらなかった点はさすがですね。開発哲学でもある「精確性」をひしひしと感じました。

島田:HS7はワイドレンジで、どこかの帯域にピークがあるといったことがなくて、フラットな音ですよね。クセがないという印象です。しかも、パワードだからパワーアンプの特性に音が影響されないという点もいいですよね。いつでも同じ音でチェックができるので、自分の耳の基準を作れる素晴らしいモニターだと思います。

後藤:余談ですが、最近導入したヤマハの調音パネル「ACP-2」との相性も良かったですね。調音パネルは手軽に響きを調整できるので、今回モニター環境を整える際も重宝しました。

スタジオイメージ

リアパネル
リアには低域再生用のバスレフポート(丸い穴)のほかに、低域補正用のROOM CONTROLと高域補正用のHIGH TRIMも装備されている

──ヤマハのスタジオではHS5も試聴していただきましたが、HS7とHS5のそれぞれの特徴というと?

島田:自宅のような、あまり音量が鳴らせないプライベートスタジオでは、ひょっとしたらHS5の方が作業がしやすいのかなと思いましたね。HS7はローがしっかり鳴るので、どうしてもそこに耳がいきがちで、宅録の初心者だと実際よりもローが出過ぎているように感じてEQとかでカットしたくなると思うんですよね。その点HS5は、ディレイの響きだとかハイの空気感を小さな音でもちゃんと再現してくれますし、防音をしていない部屋で小さめの音量で鳴らしても、正確なモニタリングができると思います。

後藤:ある程度大きな音を鳴らせる環境で、ガッツのあるロックチューンとかをチェックする際には、HS7を大音量で鳴らすとローのバランスが取りやすいでしょうね。

島田:ベースのロー弦とかもね。Eよりも下の音をたくさん鳴らす楽器が多いようであれば、HS7の方がローを飽和させずに鳴らせると思います。ウッドベースとかも、HS7の方がローの鳴りをしっかりと出せるでしょうね。一方のHS5は、J-POPのボーカルをしっかり聴くのにはいいと思いました。aikoのアルバムでチェックしてみましたが、HS5の方が自分のスタジオで聴いている歌に近い感覚がありましたね。

後藤:アコースティックギターをダビングする際、一番デリケートなのが5〜6弦のローの響きだったりするんですけど、それを正しく調整するのにもHS5はちょうどいいと思います。ですから、プライベートな環境においてどれだけの音量を鳴らせるかという面も含めて、HS7かHS5かを選ぶといいですね。

──新しいHSシリーズは、どのような作業に向いていると感じましたか?

島田:どんな作業にも十分に対応できますが、低域がしっかりと確認できて、どこかの帯域にヘンなクセがないという点で、特にミックスがやりやすいと思います。

後藤:あと、アコギのダビングもしやすいと感じました。HSシリーズは耳でダイレクトにモニタリングしている楽器の音と、DAW経由で再生される音の差が少ないので、テイクのジャッジも正確に行なえると思います。

島田:確かにそうですよね。僕はNI-10Mを長年使ってきて、NI-10Mから再生される音と、実際の音の差分を頭の中で補正しながらミックスをしてきましたが、HSシリーズなら出音を信じてミックスをすれば必ずうまくいくと思います。6畳くらいの部屋で宅録をしている人であれば、HS5はピッタリだと思いますよ。

後藤:個性のあるモニターだと、その音の特性を前提に作業をすることになりますが、HSシリーズは出音がフラットなので、どんな作業もやりやすいでしょうね。特定のジャンルに特化したモニターは、クリエイターにとっては、曲作りのモチベーションを底上げしてくれる効果もありますが、ミックスとかでエンジニアリング的な耳で音を聴きたい時は、やはりナチュラルに聴こえてほしいので、そういう意味でもHSシリーズは王道のサウンドだと思います。色々なジャンルに対応できますし、正直言って「もっと高くてもいいんじゃない(笑)?」と思うほどコストパフォーマンスが高いので、これから宅録システムを組みたいというビギナーには特にオススメですね。

自宅1
後藤康二(ck510)はもともとHS50MというHS5の前身モデルを使っていた。今回は、HS7の上にHS50Mを横置きで重ねて切り替えながらチェックを行なった
自宅2
島田昌典は外側にHS7、内側にNS-10M STUDIOをセットして、普段行なっている曲作りやレコーディングの作業をしながらHS7の音質を検証した

製品プロフィール

HS5とHS7は、1インチのツイーターとウーファー(HS5は5インチ、HS7は6.5インチ)、そしてリアにバスレフポートを備えたモデルだ。内部にはツイーター用とウーファー用にそれぞれアンプを2台内蔵しており、低域から高域までバランスのいいサウンドを再生してくれる。音質自体は色付けがないフラットなもので、ミックス時にフェーダーやパン、エフェクトのパラメーターを動かす際も、その微妙な変化を忠実に再現してくれるのが特徴だ。また、筐体に独自の材質と構造を採用しており、余計な共振を低減させている。

製品

HSシリーズ製品ページ

HSシリーズ姉妹モデル

Profile

島田昌典

島田昌典

渡辺香津美のRESONANCE VOXや、白井良明(ムーンライダーズ)のプロジェクト、Surf Tripなどにキーボーディストとして参加。現在はミュージシャンとして以外に、ソングライター、アレンジャー、プロデューサーと幅広いフィールドで活動中。これまでにaikoやいきものががり、秦 基博、真心ブラザース、CHARA、スガシカオ、YUKIなどの作品に参加している。

Profile

後藤康二(ck510)

後藤康二(ck510)

スタジオミュージシャンとして幅広く活躍した後、1994年にZYYGのギタリストとしてデビュー。数々のヒット作品をリリースする。バンド解散後は、ギタリストとして以外に、作編曲家として活動。伊藤由奈や水樹奈々、AKB48などに楽曲を提供している。また、2004年には自らのプロジェクト「ck510」を始動させ、プロデューサーとしても手腕を発揮している。

問:潟с}ハミュージックジャパン
PA営業部プロオーディオ・インフォメーションセンター
TEL:0570-050-808(ナビダイヤル/全国共通番号)