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(※)表記されている価格は2014年3月31日以前のものです   

簡単操作で安定感のある送受信が可能デジタル方式のワイヤレスシステム「SYSTEM10」シリーズ

オーディオテクニカから新しいワイヤレスシステムが登場!

オーディオテクニカから、Wi-Fi やコードレス電話などと同じ2.4GHz 帯を使ってデジタル信号をやりとりする、同社初のデジタル・ワイヤレスシステムが2機種発売された。プロエンジニアの試奏レポートを交えて、その操作感や安定性、音質などを紹介しよう。

マイクや楽器類をワイヤレス化する最大のメリットは、煩わしいケーブル類から解放されるということに尽きるだろう。例えば、ライブステージにワイヤレスシステムを導入すれば、ステージ上を縦横無尽に動き回るような、自由なパフォーマンスが可能となる。
しかし、従来のワイヤレスシステムには、デメリットも多く存在した。例えば、送信機と受信機の設定を間違えて関係のない電波が混信してしまったり、電波状態の悪化によっては演奏の途中で電波が途切れてしまうなどのトラブルがあったのだ。また、最近のモデルはクオリティが向上しているとはいえ、音質の面でも、やはりケーブルを使った場合と比べるとレイテンシー(音の遅れ)やサウンドの劣化が気になる人もいるはずだ。
そんな従来のワイヤレスの欠点を解決した画期的なモデルが、オーディオテクニカから登場したデジタル方式によるワイヤレスシステム「SYSTEM10」シリーズだ。このデジタル方式とは、送信機に内蔵されたA/Dコンバーターでマイクやギターの音を一度デジタル信号に変換してから受信機に飛ばす仕組みのことだ。そのため、アナログ方式のワイヤレスにありがちだった無線機やラジオ、テレビなどの電波を発生する機器の影響を受けにくく、高音質かつ安定したサウンドを生み出すことができる。さらに、送信機と受信機のペアリングの設定を一度すれば、両者の電源を入れるだけで自動的に送受信の設定を行なってくれるので、ワイヤレスの知識がない人でもすぐに使うことが可能だ。
そんな「SYSTEM10」の実力をプロのエンジニアにチェックしてもらおう。(文:編集部 写真:福田洋也)

プロエンジニアが実際に音を飛ばして音質をチェック!

ケーブルで接続している時と変わらない高音質がスピーカーから飛び出してきた!

SYSTEM10を試奏してまず気に入ったのが、送受信の設定方法が非常に簡単だったということです。従来のアナログのワイヤレスシステムでは、電波の混信を防ぐために、必ず送信機と受信機の周波数のチャンネルを「1対1の関係」になるように設定をするという手間が必要だったのですが、本機は、受信機と送信機を事前にセットのIDでペアリングしておけば、電源をオンにするだけで、すぐに使えるようになりました。
ライブの現場で使用することを考えた場合、このセッティングの容易さと早さが重要なポイントになるんです。本機は、ワイヤレス初心者にもやさしい設計になっていて、面倒な操作や知識がいらないので、誰でもすぐに使えるはずです。
次に音質をチェックしてみました。正直、今までのアナログのワイヤレスシステムは音質が変化してしまう点が気になっていたのですが、このSYSTEM10を使うと、マイクの音もギターのサウンドも、ケーブルで接続している時と変わらない高音質でスピーカーから出力されたのには驚きました。これは、マイクやギターのアナログ信号が送信機側でデジタル信号に変換され、それがそのまま送られているために音質の劣化が起こらないからだと思います。また、本機を通すと、ケーブルで接続した時よりも、もっと明るくクリアな音質になる感じで、ギター用のATW-1101/Gは、ケーブルの時よりも音の輪郭がハッキリする感じさえ受けました。さらに、音の遅れやレスポンスといった点も、まったく気になりませんでしたね。
アナログのワイヤレスシステムで電波状態が悪くなるとノイズなどが気になりますが、本機ではそれがなく、常にクリアな音質を保つことができました。また、障害物が間に入って電波の状態が悪くなっても、安定した周波数帯に自動的に切り替えてくれますし、デジタル信号のバックアップによって、音切れを最小限に抑えてくれる構造になっているのもいいですね。多少の注意点としては、Wi-Fiを使っている他の機器やルーターのすぐそばに送受信機を置いて複数のシステムを運用すると、稀に音切れが起こることもあるそうなので、そこには注意が必要かもしれません。
使用できる距離はメーカー推奨では30メートルの範囲内ということですので、大抵のスタジオやホールでは余裕で使えるでしょう。最大8台まで同時に使えるのもいいですね。
それと、送信機がアルカリ乾電池で6時間の連続使用ができるというのも見逃せないポイントです。これだけのスタミナがあれば、ライブではリハーサルから本番まで通して使用することが可能でしょう。
今回はレコーディングでのチェックは行なえなかったのですが、これだけ音質が良いのですから、録音に使うのも面白いのではないかと思いました。機会があれば、ぜひ試してみたいですね。

くぼ つよし

Profile

今回SYSTEM10の試奏を行なったくぼつよし氏は、東京・日野市にあるライブハウスGARAGe (ガラージュ)のオーナーであり、レコーディングエンジニア、サウンドプロデューサー、ベーシスト、ライターとして幅広く活躍している。特に、マイクやアウトボードなどのハード機材についての造詣が深いことで信頼が厚い。

ATW-1102を試奏中のくぼつよし氏

くぼつよし氏がオススメするSYSTEM10の3つのポイント

周波数を本体が自動的に設定してくれる

ワイヤレスで一番面倒な周波数のチャンネル設定を自動で行なってくれるのが何と言っても便利です。2機種共に受信機のフロント面にある「SYSTEM ID」ボタンを押して、送信機と受信機のPAIRボタンを押すだけで同機完了です。この誰でも簡単に扱える手軽さは特筆ものですね。

ワイヤレスなのに低レイテンシーで高音質

本機は、20Hz〜20kHzの広い周波数特性で、原音に近いクリアなサウンドを実現しています。また、アナログワイヤレスの欠点だった、伝送前後のコンパンダー(※)による音の立ち上がりの遅れなどを抑えることに成功しており、聴感上の音の遅れを感じさせないレスポンスの良さは特筆ものです。

※音声信号の遅延などを防ぐための装置のこと

常に安定した送受信が行なえる優れた送受信システム

送受信機共に2本のアンテナでお互いを常に送受信をしながら、一番良い状態の方のアンテナを自動的に探してくれる「スペースダイバーシティ方式」に加えて、「周波数ダイバー」と「時間ダイバー」も採用するなど、妨害信号に対して何重もの回避機能を搭載しているのが素晴らしいです。

今回の試奏では、マイクタイプのATW-1102(左)はPAミキサーでEQやレベルを調整しながら音質を細かくチェックした。ギター用のATW-1101/G(右)は、ギターアンプで鳴らしたクリーンとドライブのトーンの違いやエフェクトをかけた時の音質をチェックすると同時に、ケーブルで接続した時の音と聴き比べてみた。

メーカーズボイス

今回の取材に協力してくれたオーディオテクニカ国内営業部 MI課の佐藤邦臣氏(写真左)と、テクニカフクイ技術部 第三技術課の東嶋慎治氏(同右)

試奏取材の最後に、オーディオテクニカの製品担当である佐藤邦臣氏と開発担当の東嶋慎治氏に、SYSTEM10シリーズのセールスポイントや、開発の際に苦労した点などを聞いた。
「本機の送受信で使われる電波は、環境や使用状況に応じて常にクリーンな周波数を探して、それに自動で切り替わるようになっています。つまり、本機にはアナログのワイヤレスのような、“いちいちチャンネルを合わせる”という概念がないので、初めて使う方でも非常に使いやすいんです」(佐藤氏)。
「デジタル信号のバッファリングで、どうしても避けられない問題が、レイテンシーと呼ばれる“音の遅延”でした。その音の遅れを極力抑えて、聴感上はわからないレベルまで速度を上げるのには、かなり試行錯誤しました。その苦労の甲斐があって、現状ではまず音の遅れは感じないと思います。それと、マイクは出力が小さい機器なので、どうしてもノイズが出てしまいがちなのですが、デジタルに変換する前にノイズを抑えることで、逆に低ノイズでスッキリとした音質に仕上げることに成功しました」(東嶋氏)。

マイクロホンワイヤレスシステム ATW-1102

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2ピーストランスミッターワイヤレスシステム ATW-1101/G

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SPEC

システム仕様(2モデル共通)
●運用電波帯域:2.4GHz ISMバンド ●オーディオダイナミックレンジ:109dB ●歪率:0.05%以下 ●通信距離:30m(見通し時、妨害電波がない場合)
●動作温度範囲:0〜40℃  ●オーディオサンプリング:24ビット/48kHz ●オーディオ周波数特性:20〜20,000Hz

レシーバー ATW-R1100J(受信機/2モデル共通)
●受信方式:自動チャンネル設定方式 ●最大オーディオ出力レベル:0dBV(XLR3ピン オス、バランス)、6dBV(φ6.3oモノラルジャック、アンバランス)
●電源:DC12V(付属のACアダプター使用、日本国内専用) ●外形寸法(突起部除く):約190(W)×46.2(H)×128.5(D)mm ●重量:約290g
●付属品:ACアダプター

マイクロホンタイプ・トランスミッター ATW-T1002J(ATW-1102用送信機)
●送信出力:10mW ●電源:DC3V(単3形アルカリ乾電池×2) ●動作時間:約6時間(乾電池使用時)●外形寸法(突起部除く):約φ50×254.8mm
●重量(電池除く):約280g ●付属品:ACアダプター、マイクホルダー AT8456a、変換ネジ(3/8-5/8)

2ピースタイプ・トランスミッター ATW-T1001J(ATW-1101/G用送信機)
●送信出力:10mW ●電源:DC3V(単3形アルカリ乾電池×2) ●動作時間:約6時間(乾電池使用時) ●外形寸法(突起部除く):約70.2(W)×107(H)×24.9(D)mm●重量(電池除く):約100g ●付属品:ギターケーブル

レシーバーATW-R1100J背面(2モデル共通)

お問い合わせ先

(株)オーディオテクニカ

フリーダイヤル:0120-773-417 専用スペシャルサイト=http://www.audio-technica.co.jp/proaudio/sc/system10/